俺にしろ
唱え続け早7分。
「ちょっとあれヤバくない?」
「ヤバいと思う...ルイト...やっぱ病院に」
「あ、シャルナちゃん、アレ...」
レナがレイカの周りに指を指す。
「えっ...」
「霊感ゼロの私がミエルってことは...」
「実体化...だな」
「え?唱えなくていいの?」
「適当に唱えてるだけだ。これの対価、生力なんだよ。寿命縮む感じだな」
「え?ルイト死ぬ?」
「死んでたまるか馬鹿」
「え?じゃあ...」
「これはな、取り憑かれてる方の生力を吸うんだよ」
「レイカちゃんの?」
「あぁ、多分50くらいまで消えてるぞ」
「ヤバくない?」
「ハッカイはな、間引いた8人の子供の1部を入れてるだろ?多分だけどな、その子供が生きていた歳を全員分足した歳の分、祓う時に吸い取られるっぽいな。」
「へ〜」
「なるほど...」
「多分だけど、6歳くらいの子が閉じ込められてる可能性がある」
「可哀想」
「実体化すれば捕獲可能。その霊をさっきのぬいぐるみ2体とくっ付ける。それで封印できるだろ」
「何その雑さ!」
◇◇◇
しばらくして、残り1体になった。
「コイツもやるか」
「終わらせちゃお!」
レイカの腹のアザも小さくなってきたしな。
やっと終わ……
「収まらない?!ぬいぐるみが足らないのか?!」
「フザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナ」
「1体となったならイッポウになる。ならまだハッカイよりマシだ。憑くなら俺にしろ」
「フザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナ」
勢い良く、そいつの頭を掴んで俺にぶつけると消えた。
「ルイト...何やって...首にまとわりついてるよ?」
それも承知の上。
異世界から来た意味不明なヒトより未来あるこの世界の子の方がいいだろ。
死ぬかもだけどな...ウザイくらいしつこい兄さんくらいが悲しむくらいで済むしな。
「何も王位継承にも関係ない第3王子だし、まぁいいだろ」
明らかに少し震えている俺の声。
「良くないって……なんなら私が...」
「シャルナが居なくなったら世界滅ぶぞ」
「そっか……」
読者のみなさん、今回も読んでくれてありがとう!
第28話は、ルイトの命の軽さとシャルナの反応の重さが逆転してる回でした。
まず今回のルイト、
7分間ずっと祝詞(?)を唱え続けてる時点でだいぶヤバいのに、
シャルナとレナの第一声がこれ。
「ルイト…やっぱ病院に」
いや、霊より先に病院を勧められる主人公どうなの。
そしてレナの
「霊感ゼロの私がミエルってことは…」
この時点で読者は察した。
“あ、これガチでヤバいやつだ”
でもルイトは平然と
「適当に唱えてるだけだ」
適当で寿命削るな。
さらに
「レイカの生力50くらいまで消えてるぞ」
軽いノリで言う内容じゃない。
50ってもう半分以上持ってかれてる。
そして今回の名言。
「憑くなら俺にしろ」
いや、かっこいいけど雑。
ぬいぐるみ足りなかったからって自分にぶつけるな。
シャルナの
「良くないって……なんなら私が…」
からの
「シャルナが居なくなったら世界滅ぶぞ」
この会話、温度差がひどい。
世界滅亡と自己犠牲の話をこんなテンションでやるな。
そして読者は気づいた。
ルイトの命の価値:本人が一番低く見積もってる。
今回の第28話は、
• 寿命を削る適当祝詞
• 実体化する霊
• ぬいぐるみ不足問題
• 自分に霊をぶつける暴挙
• シャルナの焦り
• ルイトの自己評価の低さ
• 世界滅亡の軽い扱い
という、“ホラーなのに笑える”というジャンル不明の回でした。
次回、カラス編に突入。
ルイトの精神はどうなのか、
シャルナはルイトに何と言うのか、
お楽しみに。




