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99 その後2


 少し泣いてしまったが、気を取り直す。


「あの、もう大丈夫です」

「あら、意外と早かったわね」

「まだ、やらなきゃいけないことがあるので」

「リンさんはわたしたちよりよっぽど大人ね」

「えっと、リンで大丈夫ですよ」

「なら、リンちゃんね。わたしはテリスよ」

「テリスさん、お願いがあるんですけど、大丈夫ですか?」

「もちろん。リンちゃんのお願いならなんでも言ってちょうだい」

「私、今すぐあいつらのアジトと屋敷に証拠を押さえに行かないといけなくて」

「わかったわ。ここは大丈夫だから、行ってちょうだい」

「ありがとうございます。ちょっと待ってくださいね」

「うん?」


 どうせ暇だろうし、2人に連絡してみよう。


『シーナ、セリ、聞こえる?』

『聞こえるわよ』

『聞こえる』

『兵士きた?』

『きたわ。わたしたちもこれからどうしようか悩んでたところよ』

『ちょうどよかった。今行くね』

『りょーかい』


 よし、そうと決まれば。


「ちょっと待っててください! すぐ戻ります」

「うん?」


 私は探知魔法でシーナとセリの魔力を感じ取り、その場所に転移する。


「びっくりしたぁ! いきなり来ないでよ!」

「行くって言ったじゃん!」

「ま、まぁ言ったけどさ…」

「じゃあ、行くよ」

「え、どこにいく─────」


 私は2人を連れて、転移で帰ってくる。


 2人は行ったことのない場所に転移はできないが、私は何か目印があれば行けるようになった。

 今回は2人の魔力だ。


「「「「 えぇっ!? 」」」」


 いきなり現れた私たちに、女性達が混乱している。


「あ、ごめんなさい。転移魔法なんですけど、なるべく内緒にしといてください」

「わ、わかったわ……」

「ねぇリン。いきなり転移させるのはナシよ」

「あはは…ごめんごめん。お願いなんだけど、この人たちを見ていてくれない?」

「わかった」

「わかったわ」

「えっと、リンちゃん? この子達は?」

「この子がシーナ、そっちがセリです。この国では私とテアに次いで強いので安心してください!」

「シーナと言います」

「セリです」

「よ、よろしくお願いします」


 シーナとセリがいれば、安全すぎるほど安全だ。

 

「じゃあリン、わたしたちは兵士が来るまでここで待ってればいい?」

「あぁ、いや、今からみんなで王城に飛ぶから、そこで待っててほしい」

「「 了解! マイマスター! 」」


 だからそれやめてって言ってるじゃん…。


「リンちゃん!?」

「どうしました?」

「飛ぶってなに?」

「あ、転移のことです」


「「「「「 えぇっ!? 」」」」」


「大丈夫ですから、信じてください。どうしても無理な人はここに残ってもらって、兵士を来させるようにしますけど、どうしますか?」


 皆がざわつき始める。

 

 そしてしばらく経って、意見が一致したようだ。


「みんな連れて行ってもらっても、いいかしら」

「もちろんですよ。それと、そこには今回私が救助した人たちもいるんだけど、その…」

「それなら大丈夫よ。ここにいる者はみんな、覚悟はできているの」

「だけど…」

「わたしたちのような目に遭う人や、殺されていたであろう人が助かったのよ。それを見て恨んだりする人はここにはいないわ」

「…。わかりました。本当はこうなることを考えて配慮しておくべきでした。ごめんなさい」

「いつまでも自分の責任にしない! シャキッとしなさい!」

「は、はい! じゃあ、いきますね」

「ちょ、いきなり!? 心の準備が」

「みんなも、いつまでもこんな薄汚いところにいたくないでしょ!いきますよっ!」

「まっ─────」



 ─────全員の魔力を感知し、王城の一室へと転移させる。




 さて、次に私は上に転がっている悪党5人を王城の牢獄に転移させる。


 この時のために、50人ほど入れる牢獄を開けてもらっていた。


 牢獄はカイルさんが見張ってくれている。

 カイルさんはテアが封印されていた場所を見張るためにデューセルにいたのだが、その務めがなくなったことに加え、もうしばらくで王国騎士団の団長を任されることになるので、ちょうど王都にいた。


「カイルさん。こいつら、例の主犯です」

「こいつらか」

「まだ後ろ立てていた貴族の情報は吐かせていないので、その辺は任せてもいいですか?」

「いいだろう」

「ありがと。ちなみに、私が最初に送り込んだやつは吐きましたか?」

「あぁ。綺麗さっぱり吐いていた。誰かさんがよほど怖かったのだろうな」

「わ、私そんな恐ろしいことしてませんけど!!」

「ハッハッ。どうだろうな」

「もー。からかわないでください!」

「リンのことを馬鹿にすれば命がなくなる」


 ねぇいまからかったよね? ねぇ?


「予定では50人くらい連れてくることになると思うので! おねがしますね!」

「わかった」

「それと」

「なんだ?」

「ねぇテア。あいつらここに転移させてくれない?」

「よかろう」


 そう言うと、テアが1人ずつ男を転移させてくる。

 こいつらは、見張り役をしていた冒険者達だ。

 突然の出来事に理解ができてないようだ。


 無理もない。

 寝てたいたら突然牢獄に送り込まれたのだ。



「こいつらも見張り役で悪事働いてたので、ビシバシやってください」

「わかった」


 テアに連れてこられた5人の見張り役が何か騒いでいたが、後は任せることにする。


 私は牢獄を後にし、国王を探す。

 途中経過の報告だ。


 魔力を覚えていればすぐ見つかるんだけど、おじさんの魔力は覚える気が起きない。


 まぁそれは冗談で、さすがに覚えられる人数に限界がある。

 テアとシーナとセリで精一杯だ。

 

 さて、時刻は朝方だけど、まぁさすがに今日は起きてるでしょ。

 そう思い近くにいたメイドさんに声をかけてみると、国王は執務室にいるとのことだ。


 えらいね。


 執務室に転移すると、国王が眠たそうな目を擦りながら仕事していた。


「ちゃんと仕事してる」


 ─────ガンッ!!

 

 国王が勢いよく立ち上がる。

 どうしたの?


「!? リンか…驚かせないでくれ」

「もしかして、寝てました?」

「ね、寝とらん! そんなことより、どうなってる!」

「今、女性達を応接室に転移させた。後は、バルナとその部下達を牢獄にぶち込んでる」

「そうか。状況はわかった。魔術師と騎士は集めてあるから、自由に飛ばしてくれ。バルナの屋敷にはリエルが行った方が良いだろう」

「そうだね。そうするよ」

「じゃあ頼んだぞ」


 リエルさんは、カイルさんのお父さんで現王国騎士団の団長だ。


 何気に会うのは初めてだな…。


 そう思いながら王城の中庭へと向かう。

 

いよいよ100話目前ですね!

おかげさまでPVも4万を突破しております!

最近忙しかったのですが、落ち着いてきたので少しずつですがまた執筆できそうです!

できる限り毎日投稿は続けたいと思いますのでよろしくお願いします!

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