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97 初仕事(シーナ視点)

本日3話目の投稿です!


「あ、シーナ! 1人そっちに逃げたよ!」

「任せて〜っ!」


 1人の男がこちらに走ってくる。

 本当はわたしもセリの立ち回りしたかったんだけど、じゃんけんで負けちゃって仕方なくこっちをやる羽目になった。


 仕方ないわね。これも大事な役目。


 そろそろ来るわね。


「お兄さん」

「ひ、ヒィッ!? 誰だ!?」

「お兄さんは盗賊のお仲間さんってことでいいかしら?」

「な、なんだお前は!?」

「質問に答えてほしいのだけど…」

「さ、さっさとどけ!」


 男がわたしを押し退けようとする。


「ちょっと! 女の子に気軽に触るもんじゃないわよ!!」

「─────ガァァッ!?」


 風魔法を放ち、後方に吹き飛ばした。


 ちょうどお仲間さん達が倒れ込んでいるところに飛んでいった。

 我ながらいいコントロールね。


 取り逃しはもういなさそうなので、セリの元へ転移する。


「セリ〜! 1人だけかしら?」

「そうだよ! もう終わりね」

「あっけなかったわね」

「まぁ盗賊が弱すぎなのもあるよ。それより、まさか本当に盗賊が来るとは」

「ほんとね。リンはどこからこんな情報仕入れてくるのかしら」

「先生は物知りってことだよ」

「うふふ。そうしておこうかしら」


 あたりを見渡すと、15人の男が無惨に転がっている。

 いくら事前に説明したからと言って、荷馬車を引いていたお爺さんは状況を理解できずに失神してしまいそうな勢いだ。


 この現状を見渡したあと、セリと目があった。


 おそらく、一緒のことを考えているわね。


「「 これ、どうする? 」」



「とりあえず、リンに連絡してみる?」

「そうね。私が声をかけてみるわ」

「一応わたしも参加しとく」

「もちろんよ」


『リン、聞こえる?』

『わぁ!? ちょ─────』

『リン?』

『やっちゃった…』

『リン? どうしたの?』

『いきなり話しかけてくるから、びっくりしちゃって手加減が…』

『昨日リンもやってきたじゃない』

『あ、あはは…』

『終わったんだけど、どうすればいいかしら?』

『あぁ、それなら国の兵士達がそっちに向かってると思うから待っててくれない?』

『そうなの? そんなこと、お母様から聞いてないわよ』

『サリナさん……あの人は……』

『ま、まぁ、そういうことなら、待っておくわ…』

『お願い。私もじきに終わるから』

『わかったわ』


 リンへの連絡も終え、わたしたちが再び目を合わせる。


 セリの表情を見ると、ふふっ。


 どうやら、またわたしと同じことを考えている様子ね。


「「 手加減に失敗したって、相手はお気の毒 」」


 …。



「「 アッハッハッハッ!!! 」」



 ボロ雑巾のように散らばっている盗賊達を背に


 高らかな2人の笑い声が、空に響いた。


最後、なんかいい感じで終わらせてみましたw

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