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80 王族との食事会

2話投稿の後半です〜!

前話をご覧になってない方は先に前話をお読みください!


 でっけぇ〜〜。

 毎日ここで飯食うの、しんどくない?


 私の前には、100人は余裕で入れるであろう広さの宴会場らしき場所が広がっている。

 真ん中にはやたらと大きい長方形の机があり、周りに椅子が並べられている。


「リンよ、マナーなどを気遣う必要はない。貴族のややこしい食事会などではないのだからな」

「助かります……」


 国王の威厳はとっくの昔に消え去っていたが、周りは皆王族やその従者達だ。

 マナーなど気を遣っていては食事の味なんてわからなかったところだよ。


「リンさんは私の隣にきてくれませんか?」

「もちろん。私のことはリンって呼んで?」

「い、命の恩人にそんな不義理はできません!」


 不義理って。いつの時代よ。


「ま、まぁ……そのうち慣れてほしいかな」

「がんばる!」


 多少砕けられる程度がいいってことだね。

 なんとなくわかったよ。


「テアはどこに座るの?」

「テアちゃんは座れるの?」

「妾はなんでもできるぞ? すごいじゃろ」

「あんたもちょっとは謙遜しなさい」


 そう言うとテアは私の隣に座ろうとする。


「あっ、あの……テアちゃんも私の隣に来て欲しいんだけど……ダメかな?」

「構わん」


 またフレアの顔が笑顔になる。

 たしかにテアは可愛いからね。そういう気持ちもわかるよ。


 テアはフレアの隣に座る。

 座るというより、椅子に乗っている。


 どうやって食べるの。めっちゃ気になる。

 何気に、テアが食事をするのは初めてみる。


 間も無くすると、綺麗な女の人がやってきた。


「あら、あなたが噂のリンちゃんね?」

「えぇっと初めまして。リン・フォーセルといいます」

「初めまして。わたしはマイシアというの。恥ずかしながら、この筋肉馬鹿の妻よ」

「ブフッ」


 思わず吹き出してしまう。


「マイシア! リンの前でそんなことを言うな!」

「大丈夫よ、もうあなたの筋肉馬鹿加減は十分伝わっているでしょう。ね? リンちゃん?」

「ま、まぁ…先ほども私の魔法を食らいたいと言い出しまして……」

「あれは特訓だと言っただろ!」

「ほら。もう遅いわよ」

「お父様、それ以上はやめてください……恥ずかしいです……」

「フ、フレア……」

「フレア、もうダメなの。わたしが婚約する前も、した後も、これだけは治らなかったの」

「べ、別にお前たちに迷惑はかけていないだろ!」

「そういう問題じゃないわよ」


 なんて王族だ。


 私が思っていた貴族とかけ離れすぎて、もうついて行ける気がしない。

 その光景を見ているテアは、相変わらず平和な顔をしている。


 もう少しすると、お兄さんと妹さん?らしき人がやってきた。


「リンさん、こちら兄のケイアと妹のニナよ」

「初めまして。ケイアと言います。ニナ、挨拶しなさい」

「はじめまして! ニナといいます! よろしくおねがいします!」

「初めまして、リンといいます。今日はせっかくの家族団欒のはずでしたのに、申し訳ありません」

「フレアの大切なお友達なんだって? そんな人を迷惑だなんて、兄としても人としてもそんなこと思えませんよ」

「ちょ、ちょっと! 兄様! わ、わたしはその……リンさんとは友達なんかじゃ……」

「ご覧の通りですよケイアさん。私は友達だと思っているんですけどフレアがどうしても友達になりたくないって言うんです」

「そ、そんな! わたしそんなこと!」

「じゃあフレアは私と友達になってくれるの?」

「は、はいっ! なります! 友達!!」


 フレアが今日イチで笑顔になる。

 マイシアさんが「あらぁ」と嬉しそうな顔をしている。

 ケイアさんもどうやらフレアが苦労していたのを知っているのか、笑顔になっている。


 ニナはというと、テアに夢中になっている。

 後でテアに頼んで、ちょっとだけ相手してあげてもらおうかな。



 そうこうしていると、料理が運ばれてくる。

 すごい。どれも美味しそうだ。


「あの、本当にいただいてもいいんでしょうか……」

「もちろんよ。リンちゃんもしかして、材料費のこととか心配していない?」

「えっ。マイシアさんどうしてそれを…」

「顔に出ていたわよ」


 この国の女は怖い……。なんでもバレる。


「それなら、心配しなくていいわよ。ここにあるのは普通に街で買える一般的な食材よ」

「えっ、何か高級食材とかじゃないんですか?」

「もちろん、お祝いの時とかはそういう食材も使ったりするし、高級な物を買うのは、私たち貴族の仕事でもあるからね。だけど、普段から高価なものは買わないわ」

「でもすごく、高そうです」

「ふふ。料理人たちが丹精込めて作っているからよ」


 ここの料理人は本当にすごいのだろう。

 国王に料理を作るということは、当たり前だが、それだけ認められているということだ。

 努力が認められた瞬間だ。私もそんな体験してみたいな……。


「こちらは、テラリア様の分になります。どのように調理すれば良いか分かりませんでしたので、クーリツァルの肉に下味を付けさせていただき、軽く焼いたものになります」

「これは美味しそうじゃ」

「恐縮でございます」

 

 ドラゴンが好きそうな名前の肉が出てきたよ。

 全員分の料理が揃った。


「それでは、今日もこの国が平和であったことに感謝して、いただきます」


「「「「「 いただきます 」」」」」


 こうして王族との食事会が始まった。


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