71 王都の冒険者ギルド
今日は2話投稿です!夕方ごろにもう1話投稿します!
そういうわけで冒険者ギルドに来た。
私は一度冒険者登録をしてあるので、大体の流れはわかっている。
まずは受付だ。
「これ受付に並んでいるだけで日が暮れるわよ」
「ま、まぁいいじゃない。今日は休みなんですもの」
セリは始まる前から嫌なことを考えるタイプだ。
だけど確かに人の多さが尋常ではない。
とにかく受付に並ぶ。
すると……
「オイオイ! もしかして学院の新入生じゃねぇのかぁ?」
よしっ! 絡まれた。
平和的にいこう。
『2人とも、きたよ』
『これがリンの言ってたやつね』
『本当に起こったわ』
……と思ったが、どうやら絡んできた男が見当たらない。
………?
『あれ?』
『わたしたちじゃない?』
『あそこに学院の制服着てる子がいる』
どうやら絡まれたのは、別の学院の生徒だったようだ。
「ったく、ちょっと学院に合格したからって調子に乗って冒険者になろうとしてんじゃねぇぞぉ!? ガキがァ!」
───ドン!
「きゃっ………ごめんなさい……」
「お前みてぇなガキにはまだ早いんだよ! さっさと帰れ!」
「で、ですけど……冒険者登録するかどうかは、わたしが決めることです! あなたに冒険者登録させない権利もないはずです!」
「んだとオイ!? ふざけんなァ!」
───ドォンッ!!
「そ、そうやってすぐ人を威圧して、人を困らせる人のほうが、冒険者には向いてないと思います!」
「なっ!?」
「わたしが間違っているなら教えてください!」
沈黙が流れる。
これはちょっとヤバいかな?
2人に一応合図しておく。
「…………舐めてんじゃねぇぞ」
「……」
「舐めてんじゃねぇぞこのガキィィッ!」
男が持っていた剣を振りかざす。
あの角度は、間違いなく生徒に当たる。
ヤバい。
すかさず行動に移す。
─────ゴッッ!!!
「っがァ!?」 男の顔が苦痛に歪む。
「っ!?」 生徒がいきなりのことに動揺する。
私が転移し、男の腹に思っ切り蹴りを入れたと同時に、セリとシーナは生徒の元へ転移し、前後から守るように囲った。
走っていては間に合わないし、私のスピードでは周りに被害が出てしまう。
それに、これだけ人がいるんだ。転移してもバレない─────
ことはさすがにないか。
まぁ仕方ない。この生徒の安全を考えれば、噂程度に済めば問題ない。
状況が飲み込めない生徒に、シーナが優しく接する。
「いきなりごめんなさいね。あなたの言っていることは全て正しいわ。見ているこっちも笑いを堪えるのに必死だったわよ」
「だ、だれ……?」
「あなたと同じ学院の生徒よ」
生徒は目に涙を浮かべている。それに足が震えている。
相当勇気を振り絞ったんだろう。
「だけど、あまり無茶なことはしちゃダメよ? あぁいうタイプに正論はいけないの。今みたいになるから。せっかく冒険者になるのでしょ? もし止めなかったら、間違いなく重傷だったわよ」
「ご、ごめんなさい………ううっ………」
「ちょっと! シーナがそんなこと言うから泣いちゃったじゃない!」
「ご、ごめんね!? わたしあなたを泣かそうとしたわけじゃなくて……その……」
シーナが慌てているが………
うん。
セリは冗談で言った顔だ。ニヤけてやがる。
とは言え、2人なりに生徒を安心させている様子だ。
襲われた生徒も、表情に安堵と笑顔が戻っている。
よーしじゃあ私は、っと……
「いつまでうずくまってるいるの?」
「ガッ………な、なにをした……っ!」
「蹴ったんだけど、わからなかった? もう一回しようか?」
「こ、この防具は、お前みたいなガキの力じゃ……」
「じゃあ、もう一回してみよっか?」
────ゴフッッッッ!!
「っ……ぁ……………」
「まだわからない?」
怒りが収まらない。
こういうタイプの人間は、正論を言っても何も理解できない。あまりしたくはないが、力でわからせるしかない。
「あなたさっきの剣を振り下ろしたらどうなるかわかってたの?」
「が、ガキ……が………どいつもこいつ……も───」
─────ゴフッッッッッ!!!!
「ゴ…ガァッ…!?」
うん、こいつもうダメだ。
転移させて誰もいない場所で一生立てなくしてやろうかな。
「ちょっとリン! その辺にしとかないと死んじゃうよ」
「それじゃダメなの?」
「バカ! どれだけその男がクズで最低で汚らしくて人間の出来損ないだとしても、さすがにまずいでしょ!」
いやセリ。なかなかの暴言ね。
「この程度じゃ人間は死なないよ。もちろんタダじゃ済まないけど」
「周りを見てよ。もうここまですれば死んだも同然よ」
周りを見渡す。
冒険者ギルドにいた全員がこの騒動を見ている。
怯える者もいれば、なぜか喜んでいる者もいる。
そういった周りの反応を見る限り、この男はどうやら問題児らしい。
「うーん。こいつどうしよっか」
「とりあえず冒険者としての権利は剥奪でいいんじゃない。こんな男と同じ冒険者なんて絶対嫌だわ」
「同感よ」
「私もとりあえずそれでいいや」
男がかろうじて声を出す。
「そ、そんな…権利………お前…ら……みたいなガキ……に………」
「残念ね。あるから言ってるの」
その場にいた全員が、私たちに疑問の目を向ける。
男を蹴りで黙らせたとはいえ、冒険者としての資格を剥奪するなど、さすがにできるわけがない。
それに周りの反応を見る限り、この男はどうやら他にも問題を起こしているようで、それでもなおこうして冒険者としてあり続けたのだ。
おそらく、多少は強かったのだろう。
だから辞めさせたくても辞めさせられなかった。
自分より弱いものをいじめても、誰も反論できないし、お咎めもなしだ。
そういった環境がこの男をここまでにしたのかもしれない。まぁ真相はわからないけど、実際にこの男はここまでのことをしたのだ。
私は絶対に許せない。
私に冒険者としての資格を剥奪できるかどうかは知らない。
けど仮にできなかったとしても、私の地位が本物ならそれ相応の制裁を与えることはできるはずだ。
「な、なんの騒ぎ!?」
「ギ、ギルマス!」
どうやら受付の奥からギルマスらしき女の人が出てきたようだ。
前書きにも書いた通り、夕方ごろに72話も投稿します!
これからは、毎日投稿+日曜日は計2話投稿という形をとっていこうと思いますのでよろしくお願いします!
ストックが尽きたら隔日投稿になります。。




