65 新たな門出(不穏)
2話投稿の2話目です!
「「「ええ゛えぇぇ゛ぇぇ〜〜〜〜〜っっ!?」」」
私たちの大絶叫が会場に轟く。
「ちょ、ちょっ! リン!? 自分の名前言ってみて!?」
「何言ってんのセリ! 頭おかしいの!?」
「わたしは正常だわ! あんな役職に任命されるあんたのほうが頭おかしいわ!」
「いや知らない間に任命されてたんですけど!?」
「知らない間に決まってるなんてことあるわけないじゃん!!」
「ちょ、ちょっとあなたたち! めっちゃ目立ってるわよ!」
シーナに止められ、気付く。
全員の視線がこちらを向いている。
サリナさんを見ると笑っている。
くそー! なんだあの人!!
「と、とりあえず、リ、じゃないや、特任なんとか大魔法師様(?)いってらっしゃいませ?」
「シーナあんた覚えてなさいよ!」
くぅ〜〜〜ッ!!! もう何が起こってるのよ! 自分が知らない間にそんな厄介な役職に任命しないでよ! しかも私まだ14歳なんだけど!!
私が壇上に上がると、そこには笑顔のサリナさんがいた。
「ちょ、ちょっとサリナさん! これどういうことなんですか!」
「あら? リンちゃんには伝えたはずよ?」
「聞いてないんですけど!」
「ちゃんと同意したわよね?」
「同意?」
「入学手続きの時、リンちゃんに見せたでしょ?」
「え?」
「あそこに書いてあったわよ? それに同意もしてるじゃない」
…………!!!!
だ、騙された!
国の学院だし大丈夫だよね。とか思って適当に流したあの書類か!!
そんな大事なこと入学手続きの時についでに読ますなよ!!!!
「書類は絶対よ? うふふ」
「サリナさん…絶対に企んでましたね………」
「あらぁ? なんのことかしら?」
「貸し1つですよ! もう! 絶対にすぐ優秀な後輩育ててこんな役職やめますから!!」
「うふふ。これはリンちゃんだけに与えられた役職よ。あなたが辞めれば、この役職は撤廃されるわ」
「な、なんという……」
「我ながらいいアイデアでしょ? あの筋肉バカにも口添えさせて、ちょっとリンちゃんの実績を見せたら偉い連中も黙りこけてね。いい気味だったわよ」
「サリナさん頭大丈夫ですか……」
「うふふ。今日も絶好調よ」
絶好調なのは間違いないけどよ……。
「そろそろ筋肉バカが出てくる頃よ。癪に触るかもしれないけど、人前では一応膝をついておいてね。後で裏に行って殴り飛ばして構わないから」
「わ、わかりました………」
すると、国王様が出てくる。
壇上にいた偉い人たちも椅子から降り、膝をついている。
サリナさんは………膝をついているが、イラつきが顔に出ている。こわい。
学生がどうすれば良いかわからず戸惑っていると
「学生諸君、そのままにしてくれたまえ。今日は諸君らの晴れ舞台だ。わたしが堂々と来ること自体が間違っておる」
じゃあ来ないでよ。
「しかしながら、このわたしも、ここにいるリン・フォーセルという者を説明にあった役職に任命し、同時にここにいる者全ての入学を祝うために、1人の民としてここに来た」
かっこいいこと言っているようで、なんかあんまりかっこよくないよ……
この国の人たち……もう手遅れだ。
「リン・フォーセルよ。貴殿を国家魔法師総代として任命し、特任星級魔術師の称号を与えよう」
小声で国王に聞いてみる。
(断れますか…?)
「称号を与えよう」
ふんっ。そっちもその気ってわけね。
後で絶対一発殴ってやるからな!!
「ありがとうございます。国王様にはもちろん、この国の民のためにお役に立てるよう、精進して参ります」
国王は私にバッジのようなものを渡してきた。
その際、小声で「リンの回答用紙を見たが、国の名前すら書けんでどうする。俺よりアホじゃないのか?」と言われた。
殴り飛ばしてやろうかと思ったが、これだけの人前で殴れば絶対問題になるし、何か心に突き刺さった。
国王が帰っていく。
国王がどこかに行ったことで、サリナさんがスッキリし顔で私に近づいてくる。
「あいつに何か言われたの?」
「私筆記試験でこの国の名前ど忘れしちゃって。俺よりアホなんじゃないか、って言われました……」
「そ、それは………リンちゃんもちょっとは悪いわね………」
「ですよね……」
あのサリナさんがドン引きするぐらいだ。私も自分でわかってるよ。相当やばいよ。
そんなわけで私は入学早々、教師たちよりも上に立つレベルの、友達は愚か、人間関係すら壊れてしまいそうな役職に任命された。
とりあえず、リンに最強の地位を与えたかったので与えてみましたw
自分が異世界転生したらこういう地位の中で、周りにバレないように誤魔化しつつ友情築いて生きていきたいですねぇ…




