48 成長と試練
今回は短いので、48話,49話の計2話を投稿します。
水を使った特訓を始めてから3日が経過した。
私が水の恐ろしさを教えたおかげか、だいぶんと暴力的な水魔法が使えるようになってきた。
試しに母親たちには内緒で魔物討伐に出かけたのだが、なんでもセリは水を使って相手の首から上を締め上げ、シーナは水の刃を作り出し、首を切っていた。
そしてお互いがお互いの魔法を教えあい、今度はお互いが逆の方法で倒してみせた。
うん。若いって、いいね。
それを見ていたテアが「そんな刃じゃ妾の首に傷一つ付けることはできんぞえ? 試しにやってみるといい」と言っていた。
が、さすがに2人とも友達に刃を打ち出す勇気はなく、「そんな甘さがあっては将来痛い目を見るぞ?」と煽っていた。
いや、さすがの私でもテアにそんなことできないよ。
これが将来痛い目見るって、テアは何を経験してきたの?
朝起きたら友が敵になっていたなんて日常茶飯事だったってこと?
ドラゴンの世界恐ろしいよ。
魔物を使った練習の成果もあってか、2人は実践的に魔法を使うことにも慣れてきた。
こうなればあとはレパートリーだ。
よーしっ! 気合い入れるぞー!
てなわけで、地底湖(練習場)へ戻ってきた。
次に私は風魔法を鍛える。水と同じでイメージしやすいからだ。水魔法を扱えたこともあってか、最初に台風レベルの風を2人にお見舞いしてやると、1日かからずにすんなりと風魔法を習得できた。
実践も順調だ。
さて、ここからが問題だね。
次の日
「じゃあ、炎魔法を使ってみるね」
そう言って私は青い炎を出した。
「最初の目標は、この青い炎を作ること」
「「青い炎なんて初めて」」
2人が口を揃える。
そう。問題はこれだ。
この世界には酸素やガスといった概念がない。仕方ないと言われれば仕方ない。私のいた世界でも例外ではなく、文明の初めはそんなこと知られているわけもない。
かと言って、私が知っている知識を話せば、当然怪しまれる。
2人には本当のことを……話すべきなのかな。
なんてことを考えていると、セリの声が聞こえる。
「ねぇリン。私そもそも普通の炎が出せないんだけど」
「わたしもよ」
うーむ。やっぱり炎はただ熱く燃えている様子をイメージするだけじゃ難しいのかな。
「一回やってみてくれない?」
セリとシーナが炎魔法を使おうとする。
2人はそこそこ魔力の扱いには慣れてきた。だから何も起こらない、ことはない。
100℃くらいの熱気が2人の手から伝わってくる。
弱い。
熱いことは再現できても、燃えることまでは再現ができていない。
これは………。
「これが限界よ」
「わたしも」
「うーん………」
とりあえず夕方前まではひたすら炎魔法のイメージを練習させた。
しかし結果はダメだ。
5時間ほど練習したが、一向に変わらない。
しかし2人ともなかなか努力家だ。私ならできないことを5時間もひたすら行う胆力はない。
よし。
ここまで努力している2人だ。
2人を一人前に育てるために、私は決意を決める。




