28 大誤算
脳筋作戦は、無事に終わった。
とりあえず、世界中の人たちに魔力を注ぐため、バカみたいな探知魔法を使ったので、お腹すいた。
あと、この世界わりと広くない?
1億はくだらないぐらい人口いたと思うんだけど………。
かれこれ半日以上はあのバケモン魔法陣と一緒だった。
まぁ、私もテアも慣れてきたおかげか、息を吸うように人の魔力をコピーできるようになっていた。
ちなみに、想定通り魔法陣に溜め込んでいた魔力が不足したため、自動的に魔法陣が壊れた。
ちょっと勿体無い気もしたが、あんなバケモン魔法陣はこの世にあってはならない。
気になったとは言え、作りたいとも思わない。
さて、色々あったが邪魔されることなく、私とテアは無事家族になった。
よっしゃぁあ!
そんなわけで、いまはテアが私の肩に乗って、テアと初めて会った場所まで歩いている。
かわいいね。
某モンスタートレーナーのお兄さんも、黄色いもの乗せてる時こんな気持ちだったのかな。
「にしてもどんな面か見てみたいわね。バケモン魔法陣作ったやつ」
「妾とて1000年以上生きてきたが、あんなもんは初めて見たぞえ」
「え」
「うむ?」
1000年?
「テアって、子供じゃないの?」
「妾は1000年は生きておるぞ? 1000年を超えた後はもうよく覚えておらん。数えるのも面倒になっての」
「えぇっと?うん? 1000年間ずっとそのサイズ?」
「そんなわけはあるまい。この姿の方が動きやすくての。本来の姿になれば、この世界じゃと1歩進む度に周りに迷惑がかかるんでの」
「えぇっと? どれくらいのサイズなの?」
「まぁ、リンになら見せてもええかの」
すると、テアが私の手を離れる。
あぁ、離れないで。ずっとそばに居てよ。
「こんな感じじゃ」
─────ドゴォッッッッ!!!!!
「ほれ」
「ん? どこ? テアどこ??」
私のテアはどこ??
「目の前におるじゃろ」
どこ???
って、爪?
私の目の前にあるのは爪?
この爪、私の頭よりデカくない?
えーっと…てことは…………
私はゆっくりと上を見上げる。
「まったく。初めて会った時もそうじゃったが、リンは妾のことを見失いすぎじゃ。常にリンの前におるじゃろ」
そこには高さ100mは下らないサイズのドラゴンがいた。
「テア?」
「どうしたんじゃ?」
「確認するけど、テアだよね?」
「少し大きくなったぐらいで疑いすぎじゃ」
「えっと、私の知ってる少しの尺度とは違うようだね?」
「ふふふ。冗談じゃ。まぁ妾が転生した時もこのサイズのまま転生しての。そりゃもう大騒ぎだったんじゃ。おかげで英雄は逃がしてしまい、魔人騒ぎは全て妾の仕業ということにされての」
「それはあのジジィを恨むのもわかるわ」
「じゃろ?1000年以上も戦い続けてもうくたびれていたのじゃ。それを平和な世界に転生させてやるというもんで、それを受け入れたらあのザマじゃ」
かわいそうな子。
撫でてあげよう。
「テア。ちっさくなって?」
「そのほうがよかろう」
するとテアはちっさくなった。
私の胸に飛び込んでくる。
撫でてあげると、尻尾を揺らしながら私の体に、より強く寄りかかる。
うん。かわいい。推せる。
「じゃがまぁ、当時妾と遊びたがっていた連中がいての。そやつらが封印だのなんだの言うとったから、この部屋一帯を隠すのにはちょうど良いと思ってな」
それってノインさんのご先祖様ってことだよね。
「咄嗟に、山を吹き飛ばして妾がそこに封印されれば良いと考えたのじゃよ。あの部屋の近くに封印されれば妾が監視できるからの」
「いや山吹き飛ばす必要なくない??」
「こんなでかいもんが封印されるのじゃ。地上で呑気に封印されてどうする。見せもんにされてしまうじゃろ。
いやあなたちっさくなれるんだよね?
ちっさくなればいいよね? ねぇ?
もしかして、地下に封印されるという言葉に憧れていただけなんじゃ……。
「な、なにを想像しておる! 封印といえば地下じゃ! 妾のいた世界にも大暴れした奴らがよう地下に封印されとったんじゃ!」
図星ね。
「ま、まぁテアの言いたい事もわかるけどさ………」
「それに、転生してしばらくしてジジィに連絡を取ってみれば、色んなことを聞かされての。ジジィが言うにはあの部屋の扉がある空間には入り口が無くての。あのバカが何やら変な魔法を使って地下深くにあのようなスペースを作ったのじゃ。本人は転移魔法で行き来していたみたいじゃが」
「え、でも扉あったよね?」
「あれは妾が壁を壊した時に自動的に生成されてでてきたのじゃよ」
この世界が強いのか弱いのかわからなくなってきた。
「そんな事もあっての判断じゃ。妾も親切じゃからの、上にあるものをある程度片付けておいて、妾の部屋とその空間をつなげた。それで妾のいる部屋までは誰でも入れるようにしたのじゃよ」
いやもうわからないよ。テアが脳筋すぎてやだよ。
山を片付けるって何。
「とは言っても入れるのは妾の部屋の前までじゃ。そこから先は妾が見定めておった。まぁ20年ほど経ってからは、妾もあの魔法陣に魔力を吸われたせいかジジィに連絡が取れなくてな。なかなか不便したんじゃ。そんな中でリンの膨大な魔力を感じての。なかなか会いにきてくれんから、定期的に妾の様子を見にくるガキンチョに少々魔力をチラつかせてやってな。ようやくリンがきてくれたんじゃよ」
カイルさん。ガキンチョ呼ばわりされてるよ。
っていうかよく考えると、テアは180年近くもひとりぼっちだったのか。
1000年以上生きてきたとは言え、20年間もあのジジィとしか会話できないのは、さぞつらかっただろう。
だからこそあのジジィと夫婦みたいになってるのかな。
とりあえず。
「テア。よしよし。よくがんばったね」
私はテアの頭を撫で回す。気持ちいい。
「や、やめないかっ…」
「えぇっ。ごめん」
うう…。もっと撫でさせてよ。
しぶしぶ撫でるのをやめる。
「別にやめなくても…よい」
はぁ〜〜〜〜〜っ!!! かわいい〜〜!
私はテアを抱きしめる。頬を擦り寄せ、テアを精一杯味わう。
「ぬぁ…くすぐったいではないかぁっ!」
何か言ってるけど関係ない。
しばらくテアを満喫した私。
言うまでもなく、ノインさん達のことなどバケモン魔法陣と共に頭の中から消え去っていた。
後先考えずに書いちゃうクセをやめたいですね、、
一つ、これだ!という案が浮かべば、その後の展開を無理やりそれに合わせちゃうのはダメなんでしょうかね…。
素人ながら試行錯誤の日々、、




