27 脳筋作戦
バケモンには脳筋プレイが1番だ。
まずは……
「どう? 見える? こっちは見えてるよ」
「妾も見えておる」
お互いの魔力の器を、お互いが見ている。
「準備できた?」
「あぁ、魔法陣も無事に妾の魔力を取り込んだようじゃ」
テアが魔法陣にテア自身の魔力を注いだ。
そして、私がバケモン魔法陣を行使する。
私が行使するということは、テアに対して魔法陣から魔力を注ぐということになる。
どうやらこの魔法陣は私達でも行使できるらしい。
あのバカは、日本語表記として暗号化したため自分にしか使えないとでも思っていたのか、使用者の制限などは特にされていなかった。
発動方法は単純で、念じれば発動してくれる。
「じゃ、使うね」
「よいぞ」
魔法陣を発動させる。
……!
「これは………っ! ヤバいぞリン!!!!」
「な!? 今すぐやめる!?」
「いや、構わん! むしろやってくれ!! 妾の力が戻ってくる……っ!!」
7割ちょっとでやめておく。
「どう?」
「これはたまらんな。クセになりそうじゃ」
やべぇ私も早く体験したい。
「じゃあ交代だよ!!」
「うむ。待っておれ」
私も魔法陣に魔力を注ぐ。
私がしたように、テアは私の体へと魔力を注ぎ込んだ。
っっっぁぁ〜!!!
やっばぁ! これ………きもちい………
からだが……ぽかぽかして………
くせに…………なりそう…っ………
「おわりじゃ」
「え〜〜〜! もうおわり?」
「これ以上はダメじゃ」
くそう。あとでもう少しだけ味わおう。
「よし、第一段階は成功だね」
「うむ。じゃあ次の段階じゃな」
次こそが、大事なポイントだ。
「じゃあやってくれ」
「本当にいいの?私と交代してもいいんだよ?」
「構わん。リンになら何をされても、どうなろうと構わん」
「惚れちゃうよ?」
「ふふふ。妾もリンには敵いそうにないの」
ということで、私はテアの魔力をイメージし、魔法陣に流す。
次に魔法陣を起動させ、私が想像して注ぎ込んだテアの魔力と同じものを、テアに付与させる。
「っ……! ぁぁ………っ!!」
テアがなんとも萌え萌えな声を出してるよ?
ヤバい集中力切れちゃう。
危ないところだった。とりあえず器の9割ほどまで魔力を流したところでとめる。
「どう?」
「成功じゃ。全く違和感はないのう。むしろ力がみなぎっておる」
私がやったこと、それはこの間シーナに行った魔力治癒の応用だ。
あの時私はシーナの魔力を感じ取り、同じものになるようにイメージして自分の魔力をシーナの魔力に変換して、体に流した。
もしそれがこの魔法陣でも出来るのなら、私が他人の魔力をコピーし、魔法陣に注ぎ込むことで、この魔法陣が使えないかどうかを試したのだ。
結果は成功だ。
そして今からやること
私がこの世界の人々の魔力をコピーし、
そのコピーした魔力を、私が代わって魔法陣に流し、発動条件をクリアする。
そこから世界中の人々へと魔力を流し、魔法陣の魔力不足を起こさせ、術式を解体する。
我ながら脳筋だ。
そして、私の魔力を感じ取ってもらいコピーすることに成功したテアには、同様に作戦に参加してもらう。
こんな馬鹿げた脳筋作戦だ。こちらの魔力も半端ない量使うことになるだろうから、お互いの器をしっかりと監視し、魔力切れが起こらないように注意しておく。
魔力が切れたら、この魔法陣を使って回復する。
そしてこの作戦で私たちが注意しなければいけないこと、それは魔人化を防ぐことだ。
それから、他人の魔力を間違えて流さないこと。
よし。
がんばる。
いや、待てよ。
「ねぇテア。私のお願い聞いてくれない?」
「今度はなんじゃ?」
「もし私たちがこの作戦成功したら、ずっと私と一緒にいてくれない?」
「ふふふ。そんなことか。構わん」
「いいの?」
「あぁ。もちろんじゃ。それなら、妾のお願いも聞いてもらおうかの」
「えっ! なになに?」
「もしこの作戦成功したなら、妾と家族になってくれるか? その、妾は前世から1人だったのじゃ」
推しと家族になれるっ………!!!!
「もちろんだよ! テア! よろしくね! 私たちは家族だよっ!!」
「そう慌てるな。まだ成功しとらんじゃろ」
「ふん! 見てなさい! すぐに終わらせてパパッと家族になってやるから!」
「ふふふ」
よーしっ!パパッと終わらせるぞーっ!!
私たちはバケモン魔法陣を使い、脳筋作戦を実践する。
推しと家族になれる世界線って、いいですよね。




