252 肉の輝き
大変長らくお待たせしました……orz
リアルの方がかなり落ち着いてきたので、ぼちぼち投稿再開していきます!
今回は短いですが、キリがいいので区切らせてもらいました。明日も投稿されますのでお楽しみに!
「ローストビーフっっっっ!!!」
なんということだ。
私の目の前にはローストビーフが置かれている。
この世界に来て初めての、低温調理された肉だ。
というかそもそも、低温調理なんて概念がこの世界にあったなんて知らなかった。
メルの両親であるリズさんやエランさん、それに王都の料理人クシミルさんからですらも聞いたことがなかった。
そんなわけで、私の記憶から低温調理なんて概念がすっかりなくなってたよ。
というか、低温調理ができたら、私のラーメンがどれほど幅広くなることか。
チャーシューの低温調理ができるようになれば、とてつもなく心強い。
「ふふ、やっぱり。リンさんは食への興味が相当お有りなのですね」
「はっ、はいっ!!」
私がローストビーフに熱い視線を送っていると、カレナさんが訪ねてきた。
「生肉だと言って食べない人も多いの。だからお客様には普通出さないのよ」
「そっ、そんな…もったいないっ…」
「だけれど、リンさんには出しているでしょ? リンさんならわかってくれると思ったの」
「はいっっっっ!!!」
「リ、リンちゃん…鼻の穴が広がってるって…」
「んぐぁっ!?」
恥ずかし。
鼻の穴が広がるほど大興奮していたらしい。
私の前でカレナさんが「ふふっ、わたくしの目は正しかったようね」と呟いている。
そしてその横では…
「リンっ! 吾輩はおかわりが欲しいのだー!」
ラーメンを食べたルナ様が、おかわりをくれと駄々をこねている。
どれほど美味しいとはいえ、あれは短期間に2杯も食べるものではない。
確実に乙女失格になってしまう。……特にお腹のあたりが。
「こら、ルナ。それはダメだと言われたでしょう?」
「けどけどっ! 吾輩はあれほど楽しみにしていたのに…せめてもう少しだけ……」
「それなら、うーん…」
私の手元にあるヘルシーな……
ヘルシーなもの……
うん、ないわ。
「私おすすめのケーキとかどうですか?」
もはや、ラーメンと同等ぐらいのカロリーかもしれないけど、どうせデザートを食べるならそれの代わりということで。
「まぁ、リンちゃんのおすすめ? それは期待しかないわね」
「ケーキっ! 吾輩だいすきだぞっ!」
ハードルが上がっていくが、もちろんあのケーキなら、そのハードルを簡単に飛び越えてくれるだろう。
「リンさんとフィリアさんが食事を終えましたら、いただくとしましょう」
「お気遣いすみません。どれも美味しくて、食べるのが勿体無くて、味わいすぎて…」
お世辞抜きで出てきた料理は全部美味しい。
スープもサラダも、魚も、そして今出てきたローストビーフも。
まだ食べてないけど、間違いなく美味しい。
まず、肉が光ってる。あまりに眩しすぎるよ。
『うまそうじゃな…』
あれっ、テアが珍しく反応してきた。
とりあえずテアは私の中でバレないようにひっそりとしているんだけど、仮にテアの存在を明らかにしたとき、ルナ様やカレナさんがどう考えるか…
ま、とりあえず。
『テアには少しお土産として分けてもらえるか聞いてみるよ』
『ふふ。楽しみじゃの』
テアが食に反応を示すのはなかなかに珍しい。
これは是が非でもわけてもらいたいところだ。
…もちろん、私のつまみ食いのためにも。




