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241 いろんな手紙


 私の慎ましい胸から無事にフィリアを引き離すことに成功し、子供たちのこれからについても無事に話し合いができた。

 ひとまず精神的な面を養うため、以前にバルナの件で被害にあっていたテリスさん達が、子供達の面倒を見ることを提案してくれたらしい。

 

 そんでもって、それとは別、とは言えないけど、フィリアからとんでもないことを聞いた。


「ほんとにっ!?」

「しっ、しーっ! 一応秘密やねんから、そんな大声出したらバレるやんかっ…」

「つ、つい…」

「にしても、さすがにウチも驚いたわ…」

「私だって初めて聞いたよ。ドワーフの国なんでしょ?」


 そう、フィリアが口にしたのは、ドワーフの国というとんでもない単語だった。


「国の名前はワルフ王国。表向きには種族名を公開してるわけやないみたいなんやけど、先祖がドワーフの人みたいやねん」

「どこの情報なのそれ」

「実はな、テリスさん達の中に、そこの国から引っ越してきてた人がいたみたいで」

「それで向こうから連絡が?」

「連絡というか、感謝の手紙みたいなのが送られてきたんや。これ自体は建前ではよくある話なんやけど、それとは別にリンちゃんのことが書かれてたんや」

「私っ!?」

「リンちゃんの名前はなかったんやけど、ほら剣魔交流祭の時にお店出したやろ?」

「あっ、ラーメン?」

「せや。そのことが書かれてあって、どうやら頑張って再現しようとしたらしいんやけど、自分たちの力では無理やったと」

「それを国王がなぜ知ってるの」

「剣魔交流祭は、他の国からも色んな人が観にくるからね。主にはウチらの演舞から戦力を予測したりとね。他には文化を偵察することもあるし」

「学生の出店程度が国王に知れ渡る…」

「まぁ、あれは誰がどう見ても異様な行列やったからな」


 そういえば、メモを持って必死に覗き見していた人たちもいっぱいいた。

 もしかしたらその中にドワーフの国から派遣されてきた人がいたのかもしれないね。


「にしても感謝状の手紙にそんなことまで書いてくるって、よっぽど気になってんじゃん」

「まぁそれ自体はよくある、本文にはあまり関係ない世間話程度のことだったらしいけど、変に取り繕って思ってもないこと書かれるよりは、気持ちいいもんやと思うで?」


 まぁたしかに。

 けど、偵察で知り得た情報で雑談って。


「それはお互い様やからね。それにウチらとしての関係は可もなく不可もなく。むしろ良い方向ではあるから、本当に雑談程度だったんやと思うで」

「まぁ、あの国王だもんね」

「噂によればやけど、お相手も相当だとか」

「ひぃっ…」


 相手が、某、京の都の出身の方だったら、間違いなく戦争になってるレベルの駆け引きだったよ。


 知らんけど。


「だけど聞く限り、相手がドワーフと暴露する意味はあんまり感じ取れないんだけど」

「ドワーフという単語は使ってるわけじゃないねん。ウチが手紙を見て調べた限りやと、恐らくドワーフだろうというだけで」

「あっ、そうなの」

「けど間違いないな。ウチらほどではないけど、そこそこの寿命を持ってるっぽい」


 ドワーフは長寿だと言われてるから、それも納得だ。


「もしかして交易品とかって」

「細かな装飾がされたものとか、部品とか工具とか、そういったのが多いんよね」

「じゃあもうそういうことか」


 なるほどね。


 仮にドワーフじゃなかったとしても、それ相応に付き合う価値はありそうなものだ。

 もちろん、国としても。


「けど、どうしてこのタイミングで?」

「それなんやけど、前にリンちゃんが麺を大量生産できる機械が欲しいと言ってたやろ?」

「もっ…もしかして…!」

「国王から、預かってきたで」


 そう言ってフィリアがひとつの手紙を渡してきた。


「それでな、テリスさん達の職にならんかなって」

「むしろいいの?」

「みんな、すでにいろんな仕事を手伝ったりしてもらって助かってるんやけど、やっぱり本人達はリンちゃんに恩返ししたいっていう気持ちが強いと思うねん。国王もそない言うてたわ」

「なんか、色々大丈夫なの?」

「サリナやマイシアも目を通してあるって言ってたから、その辺は心配せんでもええんと違うかな」


 サリナさんも、あぁ見えてやることはやってるタイプだ。

 その上にマイシアさんの了承もあるなら、国同士の仲が悪くなったり、こちらが不利益を被ったり、そういったことはないんだろう。


 向こうとしては、新たな料理への探求、こちらとしては新たな技術の取得と言ったところだろうか。


「んーっと、出来上がる機械によるけど、結構大変な仕事になるよ?」


 この際、めんどくさいことは考えないとしても、少し問題があるかもだ。


 製麺機がどれほどの完成度になるかはわからないけど、もし完全自動にならなければ、なかなかの重労働だ。


 まぁ、仮にもしラーメンや製麺の製法を教えるとなった時、見ず知らずの者たちに教えるよりも、私に縁のある人を選んだ方が、漏洩などのリスクも減る。と考えての、この人選なんだろうけど。

 私としては別に秘密にするつもりはなかったけど、これでテリスさんや子供達の未来の職に繋がって生活が豊かになるなら、それはそれでオッケーだ。


「まぁそれは、やってみんことにはな」

「私も用途や見た目の知識はあるけど、内部構造がどうなってんのかは知らないからね」


 ローラーはもちろん厚さを変えられ、切り刄が付け替えれたりも出来て、いろんな麺を作れるのがいいな。


「そういえば、最近テリスさん達と会えてないけど、今どんな感じになってるの?」

「故郷に帰った人も結構いる、って感じかな」

「えっ!?」

「ごめんな。リンちゃんに言うたら、また迷惑がかかるって言うて、内緒にさせられててん」

「何の迷惑がかかるのっ!?」

「リンちゃんのことやから、まず初めに送って行くやろ? ほんでその後にお店でご飯ご馳走するやろ? それから領主かなんかに圧かけるやろ? そんで─────」

「ストーーップ!」


 最後のやつはしたことないからな??


「けど、ちょっと待ってな」

「うん?」


 またまたフィリアが手紙を渡してきた。


 今日は手紙祭りだよ。


「これは?」

「故郷に帰った人たちから預かったんや。もしバレてしまったら渡してくださいって」

「ぐすっ…」

「はやっ!? まだ読んでへんのに…」


 手紙。


 本当にいい文化だよ。

 

いよいよ製麺機とドワーフ…!

この組み合わせは最初の方から決めていたんですが、ついに登場させる時がやってきましたね。


ここからは更新頻度のお話になります。

4月からお仕事の方が忙しくなってきますので、週2投稿を目処に頑張っていきたいと思います。

多い時は週3〜4、少ない時は週1、結構バラバラになると思います。1週間投稿なしというのは極力ないように頑張っていきますので、まったりとお付き合いください…(T_T)

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