13 魔物との遭遇
人、魔物、動物ではそれぞれ魔力の感じ方は違うのだろうか。
水晶玉や動物の魔物化などを考えてみれば、この世界の生き物は全て魔力を持っていると言っても差し支えないはずだ。
その疑問を解決するために森に来た。
街から近いと見られる可能性もあるので、とりあえず森の奥へとやってきた。
軽く走るだけで随分と遠くへ来れるもんだ。便利だなぁ。
てなわけで、探知魔法を使ってみる。
「うーん…なんかところどころ反応があるな…」
とりあえず半径50m範囲で使ってみるも、どれも危険な感じはしない。
形まではわからないが、モヤモヤっとしたものが立ち込めてる感じがする。
しかし、さっきギルドで使った時とは確かに違う。こっちは少し野性味に溢れてる感じがする。
なんと表現すべきか…
しかし、虫などのあまりにも小さい生き物はさすがの私でも見えないようだ。
実験してみたところ、ウサギ程度で限界だった。
そのまま探知魔法の範囲を拡大していくと、何やら禍々しいオーラが感じ取れた。
どうやら獣のような形をしている。
「これって…」
その方向へと軽く走ってみる。
すると…
「犬…? 狼…?」
そこには犬のような狼のような魔物が、ウサギを威嚇している姿があった。
試しにちょっかいかけてみるか…
石を狼に投げてみる。
すると狼はこっちを向き牙をむき出しにして睨んでくる。
お〜こわ〜。
よし、魔法を試してみよう。
風の刃をイメージする。
「風刃!!」
「グルゥゥっ…」
狼が倒れた。
え、弱くない?
想像してたけど、もうちょっと手応えあってもよくない?
あ、そういえばついでに…
私はその狼を収納する。
風刃を使ってしまったので血が飛び散っている。
よし、もうちょっと時間が経つまで待っとこう。
その間に………
近くにいたウサギを収納しようとする。
しかしできない。やっぱりか。
生き物は収納できないらしい。
探知魔法の範囲を広げる。すると今度は魔物の反応が複数………いや、30個ほどの反応がある。
集団で固まってるようだ。
これはさっきの狼と同じ反応だ。
反応を覚えていれば、魔物の種類がわかるかもしれない。
軽く走ってみる。
するとさっきの狼が30匹ほど群れをなしていた。
「ちょうどいいし、魔法の限界とやらを試してみるか…」
頭の中に拳銃をイメージする。
引き金をひくと球が発射するようなイメージ。
…
………
「んー。できないね」
やっぱりできなかった。
魔法は錬金術ではない。
複雑なものは再現できないようだ。
他にも色々試すが、やっぱりできない。
火、水、風、土、光などはコントロールできるが、やはりそれまでみたいだ。
流石の私でもそこまで万能ではなかったらしい。
色々実験が終わったので少し離れている場所にいる狼の群れを倒すことにする。
めんどくせぇし、雷でバリっとやっちゃうか。
雷魔法で狼を一網打尽にし、まとめて収納する。
「狼って出汁出るのかな………」
そんなことを考えているうちに、1時間ほど経過した。
そろそろかな…
最初倒した狼を出してみる。
まるで今倒したみたいだ。
暖かく、血もまだ出ている。
時間停止の異空間をイメージしてあるけど、やっぱり鮮度もそのままってことね。
ちなみに、さっきの1時間の間に火を入れてみたが、火は消えていた。
でも、温かいものは温かいままで、冷たいものも冷たいままだった。
火は酸素を燃焼しなければ燃え続けることはできない。時間停止しているためか燃焼し続けることができなくて火が消えてしまったのかも。
その点、熱いやら冷たいはあくまで状態だ。熱い状態をキープするのに周りの状態は関係なさそうだ。
まぁ、なんとなくだけどわかってきたね。
狼も売ってみたいし、そろそろ帰るか。
軽く走り、森の中から抜けるのであった。




