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魔封石使いと破壊騎士  作者: ハナショウブ
新たな命令
64/122

城の結界

「3日前に、リーン=ラナスターが城の結界に関して違和感を訴えてきた」

何が話されるのか待っていると、ロイドは静かに今回集められた経緯を話し始めた。

「この城には魔封石による結界が張られていることは知っているね?」

確認するように尋ねられティアナは頷いた。城全体を覆うように魔封石による結界が張られていることは、国内外の誰もが知っていることだ。

200年前の戦争後、当時の7賢者となった魔封石士が手掛けた結界石が、今もなお効力を発揮して城を護ってくれている。実物を見たことはなかったが、それがどれだけすごい魔封石かはわかる。

「すぐに詳しい調査をリーンにしてもらったところ、魔封石にひびが入っていた」

結界石は城を囲うように6個配置されており、すべての魔封石が発動することでお互いのバランスを取りながら結界が織りなされていた。聞いただけでもとても繊細な魔封石であると思えたが、その中の1つにひびが見つかった。

「完全に壊れたわけではないから、今のところ結界自体が消えるということはないようだが、それもいつまで持つのかわからない」

200年前に作られた魔封石だ。当時を知る者は誰もいない。魔封石に寿命があるのかどうかも定かではないのだ。

「いろいろと文献や日誌を探して調べてみたが、結界石に関するものや、作り手の魔封石士に関する記述がほとんど見つかっていない」

ロイドは王立図書館の館長をしている。一般人が閲覧できない文献や古文書なども管理しているので、そこを探して当時の魔封石に関する資料を探したらしい。しかし、今のところ結界石に関する資料は見つかっていなかった。

「手がかりが何もない状態だが、このまま放置しておくこともできない。そこで魔封石士に協力を仰ぐことにした」

ここでティアナが呼ばれた理由がわかった。

「魔封石士なら、今の魔封石の状態を的確に判断し、今後の対応を見極めてくれるだろうということで、7賢者候補生のティアナ=フロースと、リーンが推薦したもう一人の魔封石士に来てもらった」

もう一人というのが、リーンの隣に座っている長身の男のことだろう。

「今のところ結界はリーンが違和感を訴える程度の歪みですんでいるが、この先どうなるかわからない。できるだけ早く現状を把握し、対策を講じてもらいたい。陛下からは許可を得ているから、今後結界石に関するすべてのことを任されることになった」

このまま結界が消えるようなことになれば、いろいろな問題が出てくるだろう。王都周辺には数が少ないとはいえ魔物も生息している。今まで結界という存在が近づけさせない抑止効果を持っていたが、それがなくなれば、王都に魔物が姿を現す可能性も出てくる。それに、今は他国との関係も良好ではあるが、今後悪化するようなことになれば、結界のない城は狙われやすくなる。

「話はわかった。とりあえず、魔封石の現状を見てみないと、どう対応したらいいのか判断できないな」

ロイドの説明を聞き、最初に口を開いたのは長身の男だった。

「ひびの程度によっては、魔封石となっている魔石だけが壊れたのか、中にある魔方陣にもどれだけ影響しているのか判断しないと駄目だ」

「治せる可能性はある?」

隣のリーンが尋ねると男は肩をすくめた。

「見てみないとわからん。最悪新しいのに作り直す必要だってある」

その言葉に部屋の空気がざわついた。200年前に作られた魔封石と同じものを作れる人間が果たして現在のこの国に存在するのか。

ふとリーンがティアナに視線を送ってきた。それを受け止めて首を横に振った。結界石は初代の7賢者である魔封石士が作ったものだ。200年以上経っても効果を発揮できる魔封石など他に聞いたことがない。あれと同じものを作るなどティアナには無理だ。そして、目の前の長身の男も作れないようだった。

「俺に新しいのを作ることを期待するなよ。200年も力が維持できる魔封石なんて作れるわけがない」

断言されてしまい、誰もが戸惑いの気配を見せる。

「とにかく、壊れかかっている魔封石を見せてくれ。話はそれからだ」

男の提案にティアナも頷いた。

「現状を見たうえで対策を考えたいと思います」

「わかりました。魔封石に関しては、2人にお任せするしかありません」

ロイドが頷いて、この部屋での話し合いは終わった。

ティアナはすぐに魔封石を確認するため立ち上がると向かいにいる男と視線が合った。そう言えば自己紹介をしていなかったことに気が付いて口を開こうとすると、男は鼻を鳴らして視線をそらした。それがあまり友好的でないことを感じ取ってしまい、この先大丈夫だろうかと首を傾げてしまった。


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