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魔封石使いと破壊騎士  作者: ハナショウブ
買い物と新たな縁談
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新しい護衛

妙な気配を感じたことをログに相談すると、次の日からクロードがずっと護衛に就くことになった。

ログもティアナの縁談と怪しい気配が関係しているのか、結びつけるには早いと考えているようで、様子を見ることにしたようだ。

レインからの連絡が来たのは縁談話を教えられた3日後だった。

その日の営業を終えたティアナはクロードと一緒に屋敷に戻ると、出迎えてくれたシャイヤに客人が来ていることを教えられた。

そのまま客間に顔を出すと、ログと話をしている知った顔があった。

「キース」

「お久しぶりです。お嬢様」

てっきり兄が来ていると思ったティアナは驚きの声を上げる。

長い金髪をうなじで束ね、緑の瞳が優しさをたたえている。細身に見えるがしっかりと鍛えられた体は、敵が来てもすぐに対応できるほどの瞬発力を持っていることを知っている。

フロース家に仕えている魔法騎士キース=ランダー。

男爵家の三男で、兄専属の魔法騎士だ。

「レイン様が、お嬢様の手紙を読んで、私を護衛にと仰せつかってまいりました」

「お兄様が」

ティアナは怪しい気配があったことを、ログに相談したときに念のため兄にも手紙で知らせておいた方がいいだろうということになった。

その手紙を受け取った兄が心配して、自分の騎士を寄こしてくれたようだ。

「縁談の日取りはまだ未定ですが、何か起きてからでは遅いと判断されたようです」

「そこまで心配しなくても大丈夫だと思うけど」

クロードも近くにいてくれることだし、怪しい気配がして以来変わったことが起こってもいなかったので、新しい護衛は大げさな気がした。

「とりあえず数日様子を見たいそうだよ」

ティアナが困っているとソファに座っていたログが声をかけてきた。

「何事もなければ一度王都に戻るそうだ。その間だけ、クロードと交代で護衛をしてもらうといい」

大事になっているような気がして、なんだか申し訳なく思ってしまう。

隣を見れば、クロードが静かに立っているだけ。視線に気が付いてこちらを見た彼は何も言わずに頷いただけだった。

「それじゃ、しばらくの間お願いするわ」

ティアナが了承するとキースは満面の笑みを見せた。それから隣に立っているクロードに視線を移す。

「キース=ランダーだ」

「クロード=アイリッシュです」

キースが手を伸ばすと、クロードはその手を握った。だが、なぜか二人の間にある空気が緊張しているように感じたのはティアナだけだろうか。

手を離したクロードは荷物を片付けるため、すぐに部屋を出ていったが、その姿をキースは睨むような視線で追いかけていた。

「キース?」

ティアナが声をかけると、キースは首を左右に振ってクロードから視線をそらした。

「あれが噂の破壊騎士なのかと思いまして」

「キースは初めて会ったのよね」

「はい」

クロードの破壊騎士の噂は、城内だけでなく各貴族に所属している騎士にも広がっているらしい。もしかすると、兄がキースを向かわせる前に彼の説明をしたのかもしれない。

「普通の魔法騎士のように見えました。あれのどこに破壊騎士の名がついたのでしょう」

「実際を見てないとそういう感想にもなると思うわ」

破壊騎士だと言われていても、化け物のような容姿をしているわけではない。クロードは普通の青年だ。

キースの感想にログと一緒に笑うしかない。

「お嬢様は彼の力を見たことがあるのですか?」

「あるわ。それに、暴走を制御するための訓練も一緒にやっているもの」

7賢者の依頼でクロードの魔力暴走を制御するための魔封石を作っているので、彼の力を間近で見ている。それに暴走したときもティアナが押さえ込んでもいた。

「怖くないのですか?」

その質問にティアナは首を傾げた。

「どうして?」

「いつ力が暴走するかわからないのですよ」

ティアナの疑問にキースは驚いたように言ってきた。

「大丈夫よ。魔力暴走は魔法を使ったときに魔力を制御できなくて起こすものだから。普段は暴走することはないし、いきなり暴れたりしないから」

破壊騎士という名前だけか一人歩きしているのか、クロードはいつでも魔力暴走して周りを傷つけると思われているようだ。それを訂正するように、ティアナは敢えて明るく説明した。

「今の彼は魔力の抑制もできるようになってきたから、少しずつ魔法の使い方を学んでいるところよ」

魔法といっても、体から離れると消えてしまうので、他の魔術師や魔法騎士のような魔法は使えない。それでも、彼なりの魔力制御はできてきている。

だが、ティアナの説明を聞いてもキースは納得がいったという顔をしなかった。実際に彼の能力を見てみないと納得はしてもらえないのかもしれない。

「とりあえず、彼の部屋はティアナ嬢の隣にしておいたよ。何かあればすぐに駆け付けられるだろう」

納得しないキースに困っていると、ログが話を変えてくれた。

「そうですね。何もないと思うけど、数日よろしく」

ログの言葉に同意し、キースに数日間の協力を頼んだ。


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