告白
初めて会った場所にリンはいた。
静かにベンチに腰掛け、まっすぐに正面を向いている。
桜の花びらが舞い、雨でも降ったのか、湿った土の匂いと空には美しい月が輝いている。
時折、雲で隠れて辺りが少しかげる。
その度に金髪が美しく煌めく。
コウは静かに力強く一歩一歩確かめるように歩いていった。
距離が近付くにつれ、甘い匂いがする。優しく落ち着く香り。
リンの視線は正面のままだ。
その前に立ち、しっかりとリンを視界におさめた。
「リン、ごめんなさい」
「許しません」
はっきりと拒否するその瞳は輝いていて、ものすごく怒っていると分かった。
コウは申し訳なさと嬉しさが入り混じって、じわりと涙がわいてきた。
「リンに会いたかった! リンの全てが好きだ。リンが必要なんだ!!」
青い瞳の輝きがどんどん増して、目の端からきらきらと溢れていった。
「私はお姉さんだ」
「いや……だったかい?」
「嬉しい」
コウはリンをお姫様抱っこした。
月を見る目が近い。心臓の音が大きく聞こえる。
全身が熱い。
「俺の心に添い遂げてくれるんだろ?」
「そうだった」
月が輝きを強めた。
リンが美しく輝いている。
微笑む瞳は吸い寄せられそうな深みを見せ、たまらずコウはキスをした。
「記憶が戻り、ここにいた経緯も分かった。聞いてくれるかい?」
「もちろん。新居行こ」
そのままゆるゆる歩いていく。
ほほをなでる度に嬉しそうに微笑むリン。
時折、つっつき返してくる。
そういえばかなり可愛いのだった。
ほほつつかれたことを思い出した。
「リン、この先も心配をかけ、時には泣かせることもあると思う。だが約束する。決して1人にはしない」
「分かった」
柔らかに微笑む。
コウは心がほぐれて解けて、はにゅはにゅしてしまう。
このゆるやかさが愛おしく大切なのだ。
新居が見えてきた。
小高い丘の上にあり、庭に桜が一本植えてあった。
木製の西洋家屋。でかい犬でもいそうな感じだ。
空からシンが降ってきた。
地面を貫き土煙を上げる。
「おかえり」
「ただいま。シン、待たせたな。やろうか」
にこやかに見上げるシンに笑顔でコウは告げた。
「記憶が戻ったんだなーっ! よかったよかった!!」
シンはむじゃきに笑う。
さて、こいつとも決着をつけなくっちゃな。




