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もぞもぞ

(友人の話)



 青いタオルケットの話?

 お前、ずいぶん変な話を集めてるんだな。


 ああ、俺も一つ話せるネタがあるよ。

 あれも青いタオルケットだったな。


 この話、お前にしたことなかったかな。

 中学のとき、転校してったKのこと覚えてるか?暗くて少し変なやつだった。


 Kの家に行ったことあるやつは少なかったと思うけど、おれは一度遊びに行ったことがある。

 遊びに行く途中で、ダンボール箱に捨てられた小猫がいてさ。Kが子猫を拾うって言い出した。ふうん、意外と動物好きなんだなって思ったんだ。

 Kは自分の部屋持ってて、そこであいつ子猫をタオルケットに包んでてた。


 テレビゲームして、途中ちらちら子猫のことが気になって見てたんだけど、子猫の姿は見えずにタオルケットのふくらみがもぞもぞって動いているわけ。

 たまに鳴き声が聞こえてた。


 で、ゲームが一段落して、膨らんだタオルケットが俺の足下にすっと寄ってきたんだ。猫のことかわいがろうと思ってタオルケットを開けたら、いないんだよ、猫が。


 開ける瞬間までもぞもぞしてたんだぜ。なのに中身が空っぽで。


 え、なんでって思って、子猫を探した。

 扉も窓もしまってて、部屋も片付いてて、探すところなんて限られてた。ベッドの下か布団の中、棚の中と上。

 でもいない。

 Kは全然平気な様子で、一緒に探すこともしなかった。おれは、子猫どうしたんだって聞いたんだ。


 あいつ、うすら笑い浮かべて「もういない」ってしか言わないんだ。丸めたタオルケットを胸に抱いてさすってた。


 ふざけたこというやつだと思って、おれは怒って帰ったんだ。いや、実際少し怖くなってもいたんだけどさ。


 趣味の悪い手品だと思うことにしてるんだけど、やっぱり釈然としないんだよね。Kが隠すことも、猫が自分で隠れるのも無理だったと思うんだ。


 あのタオルケットは確かに青かったな。

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