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タオルケット愛

(叔母が友人から聞いたという話)



 うちの夫、顔も性格も収入もよいのですが、ただ一点だけ気に入らないことがあります。

 それは、子供のころから使っている青いタオルケットを手放してくれないことです。

 夫は、そのタオルケットの滑らかでさらっとした気持ちよい肌触りが好きで、それでないとよく眠れないのだと言います。

 肌寒いと、夫はすぐにそのタオルケットを膝にかけたり羽織るように両肩にかけるのですが、小学生の頃から使っているので何度もほつれを直しており、さすがにぼろぼろでみっともないです。

 ずっと捨てるよう言っているのですが、夫は決してうんとは言いません。小学生のころには、気に入っていたタオルケットを親に捨てられたことがショックだったそうで、今使っているものは一生使い続けたいのだとか。

 確かに気持ちいい肌触りなのですが、私が使おうとすると夫は嫌がるのでそれも何だか気に入りません。私がいつも洗濯しているっていうのに。


 前の晩にちょっとした喧嘩をしたときのことです。

 夫の出勤後、タオルケットを袋に詰めて燃えるゴミに出したことがありました。

 せいせいした気分と少しだけ夫に申し訳ない気分が同居して、今度は色の違う新しいタオルケットでも買ってやろうと思っていました。

 私は昼間はパートで接客の仕事をしているのですが、その日、妙なことがありました。

 店内にはお客さんがいなかったと思ったのに、いつの間にか目の前に、見知らぬ若いきれいな女性がいて、突然話しかけてきました。


「ひどいことをするものですね。二度としないでくださいね」


 なんのことだかわからず私が戸惑っていると、私をじっと見つめて、女性はもう一度同じ言葉を繰り返し、立ち去っていきました。うちで使っている柔軟剤と同じ香りがしました。不審者かと思いましたが、店内で私以外は誰もその女性に気づかなかったそうです。


 仕事を終えて返ってきた私は、ベランダの洗濯物を取り込もうとして、気づきました。

 あの青いタオルケットが、きれいにきれいに畳まれて、置いてあります。

 確かに捨てたはずのそれを見て、一瞬とまどい、その後ぞぞっと背筋が寒くなりました。

 私の記憶違いなのか、昼間に夫が戻って拾ってきたのではないか、いろいろ考えましたが、なぜそれがここにあるのかどうしてもわかりませんでした。


 今でも、夫はその青いタオルケットを使っています。

 夫がタオルケットに気持ちよさそうに頬ずりしているのを見ると、気味が悪くてしかたがないです。

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