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悪魔の樹(あくまのき)  作者: 一喜一楽
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(1-22)黄門様久しぶり

◇黄門様久しぶり


 花梨に先ほど作った物をインストールして、ブレイクさせながら確認作業を進めて行く。失敗すると転んじゃうので、不都合が有ればその都度、ローラーブレードのデータ更新と花梨の調整を繰り返し、花梨に付きっきりでノートPCを脇に置いてコツコツと進めていった。途中で、花梨が眠くなったと言って来たので、もう一体の方にローラーブレードを装着して続ける。


 今日ここで作成した所までの確認が終わるのに、大分かかってしまった。だが、この場所を使えたのは大きい。板の床なので、コンクリートよりローラーが削れなくて良いからだ。予備のローラーも有るが今は無駄に出来ない。自宅では、ここまで進められないだろう。スピンに着手したい所だが……時間的に出来るか?


 演技の最後はレイバック・スピンからパール・スピンへ移行し、キャンドル・スピンになる演技で終わらせたい。花梨の柔軟な身体なら可能だから。PO社のSキューブではこのキャンドルスピンは出来ない。ビールマン・スピンまでだ。だからと言ってどちらが上と言う訳じゃないけど。


 完全なつま先立ちのスピンは、他の競技者もやってるので、そんなに難易度は高く無いと思うが、見た目で膝がかなり曲がるのが判る。僕が狙ってるのはつま先のローラーを使うのは同じだが、踵を僅かに上げた状態でアイスのスピンと見た目が余り変わらないスピンにしたい。出来る出来ないで言えば出来るだろう、僕がその制御を実現出来るかだ。


 途中に入れる、フライングキャメルスピンも出来ていないし。コレオグラフィック・シークェンスも見直したい。考え込んでいて、ふっとPCの時計を見ると一六時半。随分長い間真剣に作業していたみたいだ。今日は諦めようか……休憩していると、山車さん、立柳さん、犬槇さん、桜さんが様子を見にきた。わっちゃー黄門様来ちゃったよ、助さん格さんつれて……お銀だっけ? お娟? は桜さんだろう。


「樹くん、どうじゃ調子は?」


「調子は良いですよ。新しい発見が出来ましたし、レベルアップしたかなって思います」


「ほう、レベルアップか。どうじゃそれを観せて貰えるか?」


「はい、良いですよ」


 マットで眠っている花梨を起こして、ブーツを履かせてプログラムをインストールし体操の演技を、再度披露する。


「ほう、これは驚いたのう、今年二回も驚かせてくれるとはな……邪魔して悪かったの。有難うな樹くん」


 お褒めの言葉を頂いてお礼を言うと、山車さん達は、部屋から退出して行った。ふぅ、黄門様は緊張するな。


 暫くすると、犬槇さんと桜さんが戻って来た。


「樹くん、先程桜ちゃんが言って来た〝悪魔の木〟の事なんだけどな〝悪魔の樹〟を登録する時に事前に想定していたから既に当社で押さえて有るから心配しなくても平気だ。無いと思うが〝悪魔の花〟〝悪魔の夢〟も登録してあるから。それにしても樹くんは鋭いな。樹くんが使いたいなら〝悪魔の木〟デーモン・ウッドも使って構わないよ」


 なんで、花と夢が有るんだか判んないけど悪魔のリボンや悪魔のマーガレットとかとか登録してたら、ちょっとセンス疑いたくなっちゃうな、悪魔の友とか無くて良かったよ。悪魔の雑草とかも嫌だな、バジルみたいだ。


「いや、使い分けが難しいので、必要無いです」


「まあそうだろうな。そっちの件はもう良いので、今度はフィギュアを見せて貰えるか?」


「ええ、良いですよ。インストールしますので少し待ってください」


「ああ、お願いする」


 まだ途中だが修正後の、フィギュアの演技をインストールしている最中にローラーブレードを履かせて準備する。


「まだ、完成には程遠いんですが……演技させますね」


 少し不安があるので、起動後、花梨が転ばない様に側に寄って見守るようにして演技を見て貰った。


「樹くん、完成じゃ無いのは、途中の要素レベルが低いので判ったんだが、凄まじい演技だな、既に昨年の優勝者の演技を超えてるだろう」


「ええ、昨年の演技をターゲットにするならこの位でも良いんですけどね、その演技者がどうも三味線弾いてるので、桜さんの妹さんですけど。まだまだ足りないんですよ」


「樹くん、なんでこんなに変わってるの、さっき私が観たのと違うじゃない。私が作った下手な動作見てレベルが低い方を見せたの?」


「いや、今日此処で修正したんです。桜さんに見せた時は未だ出来て無かったんですよ」


「はぁ、自信無くすわホント……」


「樹くんと較べるのは無謀だろ、凹む気持ちは判らんではないがな」


「そうなんですけどね、でも……」


「樹くん今日は、どうする? お終いか?」


「ええ、今日は終わりにします。来週も此処を貸して頂けるので、その時に最後の調整します。それまでに要素のレベルを上げておきます。まあ大丈夫です間に合うと思いますよ」


「桜ちゃん、樹くんを送ってくれるか? そのままタクシーでホテルに戻って来て良いから」


「判りました」


 桜さんに送られて本日TD社での作業は終了。家で、組み込めなかったのを暫定的に作成して入れておいた。なんだかんだで日付を超えてしまった。明日からは、TD社の大会が始まる。ちゃんと起きれるかなあ。



よろしくお願いします。

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