リネンの独白
私の前半生は自分で振り返ってみても余り恵まれてないと思う。
両親の蒸発。親戚はおらず、入れられた孤児院では皆優しくしてくれたが、毎日が困窮に耐える日々。
…それでも人は年を重ねる。
学校を進学できず、学がなければ特技もない私が就けたのは最低ランクの冒険者でーーそれすら甘くは無かった。
いよいよ食う物にも困り、身体でも売ろうかと思い詰めていた時。
「どうしたのお姉さん」
ーーそこに現れたのがコウヤ君。
話を聞いてくれた後、彼が振る舞ってくれた、三日ぶりに口にした食事は天国の味だった事を記しておく。
その後も何度もご飯を賄ってくれて、私の純潔、さよならバイバイとならなかったのはひとえにこの少年のお陰と言えた。
…ツキが向いてきて冒険者の仕事だけで食っていけるようになった後もタカリに行ってるのは、まあご愛敬と言うところだと勘弁してもらいたい。
まあ手持ちの給料は私を育ててくれた孤児院への寄付に消えてしまって、殆ど残らないのは事実であるが。
ーーそれにしても不思議な少年である。
たまにその内面が私とほぼ変わらないんじゃないのかと思うくらい、ドキッとさせられる事があるのだ。
…自分に年少趣味は無いと思いたいが。
まあ以前、年を確認した事があるのだが、その時には十五だと返された事を記憶している。
冗談だろうが、事実ならば、と思ってしまう自分も確かにいるのだ。
「…アタシの人生あげますーってね」
今日も彼の元を訪ねにいく。
毎度手を変え品を変え、それでも相変わらず、私は今日も競馬でスッカラカンになったと下手な嘘をつくのだ。
ーーいつもの調子で。




