メイドの話
ベルデに帰ってきて、翌日。
「…むー」
「機嫌なおして下さいよリリスさん〜お菓子あげるから、ね?」
「…特製クッキー二枚」
「へへーっ」
そう言ってリリスに作り置きのチョコチップクッキーを二枚渡すコウヤ。
リリスは旅行にコウヤ達が誘ってくれなかった事でむくれていたのだ。
「……貴方を守らなきゃいけないのに」
小声でそうぽつりと呟き、
「何か言ったか?」
「…んん」
そして連休明け、猫の足跡亭に彼女がやってきた。
「コウヤーっ!!!」
その姿を見るなりノエルはコウヤに抱きついたのだった。
「どわっとと、の、ノエル何でここに」
「やっぱりあの時ちゃんと話を聞いてなかったんだね…ノエルちゃんはうちの小学校に通うことになったんだよ」
「そ、それはまたどうして」
「それはねぇ…」
アリシアが見ると、ノエルはコウヤに抱きつきながら、満面の笑顔になって非常に満足そうにしている。
「やっぱいーわない」
「? ?」
それだけ言って、アリシアは拗ねた様な表情になった。
…そしてノエルに付いてきたのが一人。
「ターシャです。ノエル様の身辺の世話を預かっています」
そういってコウヤ達に挨拶するメイド服姿の小柄な少女。
「新人さんなんだけどね、戦闘力はメイド達の中でも随一だから警護に選ばれたの」
そうノエルは説明して見せたのだが、
…戦闘力、戦闘力ってなんだ。
「ほお、あなたが噂に聞くコウヤさんですか」
そういってコウヤをじぃっと見たターシャ。
「ーーノエル様の歓心を一身に集められていて、私、あなたへの対抗心で燃え上がっています!」
「そ、そうか」
どうやら対抗心を燃やしているらしい。
とりあえずお茶菓子をどうぞとお出ししたチョコチップクッキーを一かじり、
「な、何という絶品…感動しています!」
「ま、まあ褒めてくれるのはうれしいっつーか?」
「なんと! あなたが作られたのですか!!」
ううーむと唸り、ターシャは、
「お、お菓子や料理の腕では負けてるかも知れませんが、私には他に長所があるのでへっちゃらです」
「ふーん、じゃあ一番の特技は?」
「暗殺術です!」
「…ほ、他には何か?」
「毒の精製です!」
「あんたの前職なんなんだよ!?」
こりゃダメだ、とコウヤは思った。
その日から、惨劇の予防のためコウヤはノエルの家にご飯を作りに行くことにしたという。
* * *
メシマズofデッドなのでメシマズ描写すらないという




