マギダイト採掘の話
ある程度まで復旧した所で、ベルデ鉱山はマギダイトの採掘を再開した。
…というよりも、掘れば掘るほどにマギダイトがゴロゴロと出てきて、採掘しながらでないと先に進めなかったのである。
ギルド員になったコウヤも、鉱夫として採掘作業に従事していた。
「あとそろそろで休憩だ。ちゃっちゃとやっていくぞ!」
『うーっす!!』
気合いを入れ、ヴァリアントと鉱夫たちは露出したマギダイトを採取していく。
コウヤも、ヴァリアントの手で半透明の結晶状である大きなマギダイトの塊を持ち、捻るようにして引くとあっさりと採る事が出来た。
成長した頭の塊に比べ根本は脆いため、こうしてすぐ採取することが出来るのだ。
あの日以降、至る所でマギダイトは採ることが出来、しかもそのどれもが異常といえるまで大きく成長していた。
遺跡が関係しているのでは…とコウヤは考えている。
そうして採り終えた後、さらにコウヤ達が採掘現場を掘っていくと、黒いダイヤとも言われるそれが姿を現した。
…黒マギダイト。ヴァリアントの主原料である。
「ボウズ、ここだあ!」
コウヤは振動する削岩ドリルの先端を、指し示された黒マギダイトの露出した岩場へと押し当てた。
黒マギダイトの採取法は他のマギダイトとは違い、最初、ドリルで表面をなでるようにして表面の付着物を取ってやり、次にドリルの先端をマギダイトとそれ以外の境目へ溝を彫る様に差し込んで、黒マギダイトの周りの石や岩を砕いていく。
地面の中で塊状に成長する黒マギダイト自体はドリルでは削れないため、そうすると黒マギダイトではない岩や石などが自然に砕かれ綺麗に取れるのだ。
そしてある程度まで砕き終え、取り出せる状態になった所でヴァリアントの手で掴みあげて、台代わりの並べた丸太のころの上に載せてやって作業は終了。
後は、数が貯まった所でトロッコかヴァリアント、それか、いわば空飛ぶトラックであるポーターキャリアで坑道の外まで運んでやり、そこで運搬船に運び込まれて、市場か、すでに購入の予約がしてある場合はその購入者の元へと運ばれる。
小さい物は国の定めた公定価格で取り引きされるが、希少な大きい物になるとギルドが運営する競売にかけられる。
この日の成果は普通のマギダイトが運搬船で五艘ほど。黒マギダイトが小さい塊が六十個、中が三十六、大が十だった。




