ソラリオ、原案
短めのファンタジーっぽい作品です!
最初の段落は平仮名だけで読みにくいと思いますので、飛ばしていただいても大丈夫です。
あるもりのおくふかくに、こころやさしいこどものおおかみさんがいました。
あるとき、おおかみさんはぼくじょうへ、ひつじさんにあいにいきます。
「こんにちは、ぼくはわるいおおかみじゃないよ」
そういって、おおかみさんはいっしょうけんめいはなしかけました。
はじめてあったときはこわがっていたひつじさんたちも、しだいにやさしいこどものおおかみにこころ
をひらいていきました。
おおかみさんはひつじをたべようとせず、いつもいっしょにおひるねしていました。
みんなであそんだり、ごはんをたべたりもしました。
しかし、もりのおおかみたちはそれをよくおもっていませんでした。
そんなとき、ひとりのわるいおおかみがいいました。
「いまなら、ひつじをかんたんにたべられるかもしれない」
わるいおおかみは、ひつじさんたちのぼくじょうにいってみました。
するとなんということでしょう、ひつじさんたちはわるいおおかみをこころよくうけいれてしまったの
です。
それをみたもりのおおかみたちは、わるいおおかみとおなじようにひつじたちのぼくじょうにはいって
いきました。
ひつじさんたちは、あのこどものおおかみとおなじように、みんなやさしいおおかみだと、おもいこん
でしまったのです。
もうお部屋の絵本は読み飽きてしまいました。おままごとも、お絵かきも飽きてしまいました。ひとり
部屋で過ごすというのは暇なものです。
お外で遊びたいですが私は病弱で、外に出ることができません。
何か面白いことは起きないものでしょうか……
例えばそうですね、この窓から妖精さんが入ってきて、私の病気を治してくれて、それでお外に連れて
行ってくれるんです。
お外にはお友達がいっぱいいて、みんなと鬼ごっこやかくれんぼをして遊んで……
「……はぁ、私もいつか、みんなとあそびたいなぁ……」
「いいよ、行こう」
「えっ」
突然、誰もいないはずの窓辺からき聞こえ、振り向くとそこには少年が立っていました。
少し長めの灰色の髪と、きれいな色白の肌で、その立ち姿に透明感すら感じる男の子でした。
そんなことよりも、この男の子はどうやって入ったのでしょうか。
「あなたはだれですか?」
私は彼に問いかけます。
「僕は君の友達だよ」
男の子は私に微笑みかけ、ベッドに座っている私の隣に腰掛けました。
「遊びたいの?」
彼が私に問いかけます。
「えぇ、とっても」
そう私が言うと、彼は「やっぱり」という感じで、とてもうれしそうな顔をしました。
「じゃあ僕と遊ばない?トランプを持って来たんだ」
彼がポケットからトランプを持ち出して言いました。
「もちろん!」
私がうなずくと、彼はベッドの上にトランプを並べ始めました。
それから半日ほど、私と男の子はトランプをして過ごしました。
彼の名前はウライ、とっても優しい男の子です。
久しぶりの話し相手に、新しい遊び。私は楽しくて夢中になりました。
「そろそろ帰ろうかな」
彼は窓の外を見てベッドから立ち上がりました。
もう日が傾いて来ています。空はきれいな赤色に染められていました。
「まってウライ、まだ行かないで。もうちょっと、もうちょっとだけ遊びましょ?」
「それは出来ないよ。もうすぐ夜だからね」
わたしは涙目になってしまいました。また一人になってしまうのかと悲しかったのです。もうひとりぼ
っちは散々だったのです。
するとウライは、私の頬に手を添え、目にたまった涙をぬぐってくれました。
「ごめんね。でも大丈夫、明日も来るから」
「……ぜったい?」
「うん、ぜったい」
ウライは窓から帰っていきました。
彼を見送った後、いつもの静けさがやってきました。でも、なんだか今日の静けさには、寂しさの代わ
りに、楽しさがあるような気がしました。
初めてウライが来てから3か月が過ぎました。紅葉していた木々たちはもうすっかり葉を落とし、冷た
い北風は冬の訪れを知らせています。
あの日からウライは一日も欠かすことなく、毎日遊びに来てくれていました。ボードゲームや絵本、い
ろんなおもちゃを持ってきてくれて、たくさん遊びに来てくれるのです。
今日は何を持ってきてくれるのでしょうか、いつものように窓の外を見ながら彼を待ちます。
「あっ、ウライ!いらっしゃい、今日は何して遊ぶの?ボードゲーム?トランプ?それとも絵本?」
「その前に、今日はね、プレゼントを持って来たんだ」
「ほんと⁉やった、うれしい!」
ウライにいわれて掌を出すと、彼は何か小さいものを私ににぎらせました。
手を開いてみると、手鏡が入っていました。
細かな装飾のついた、くすんだ金色の、とってもきれいな手鏡です。
「どうぞ好きに使ってね」
ウライがにっ、と笑って言いました。
「ありがとう!」
大人のおねえさんが使っているような手鏡。見ているだけで嬉しくなってきます。
「今日はお化粧しよう」
彼は私は椅子に座らせ、お化粧をやってくれると言いました。
「それじゃあ始めるよ」
私はお化粧をしたことがないので、きれいな大人のおねえさんと同じようにできると思うと、わくわく
が止まりません。
「……そういえば、なんで外に出られないの?」
作業をしながらウライが聞いてきました。
「病気なの、外に出られない病気」
「何て病気?」
心なしか、彼の声が震えて聞こえました。目も少し赤くて、まるで泣くのをこらえているみたいです。
「どうしたの?だいじょうぶ?」
「……大丈夫だよ。それよりも、さあ、質問に答えて」
やっぱり何かおかしいです。いつもニコニコしていて、楽しげなウライが、今日はなんだか悲しげに見
えます。
「……分からないわ、だけど人に言われたの」
「それは誰?」
「誰……誰だったかしら」
「いつ言われたの?」
「…………」
分かりません、いつ病気になったのかも、それを告げられたかも。
それどころか、一生をここで過ごしているのかも、そうでないのかも。
「……君の、名前は?」
私の名前……思い出せません。自分が何と呼ばれていたか。
私は誰で、
ここはどこで
どうしてここにいて、
誰が私を産んで、
いつからここにいて、
誰が私をこの部屋に閉じ込めたのか。
「化粧、できたよ……うん、とっても素敵になったね」
手鏡で見た私の目は、まるで血のような赤黒で、怒りに満ちていました。
「スラー地方?これまた遠いですね」
「すまないな、人手が足りないんだ」
依頼内容の書いてある封筒を渡され、馬にまたがる。
「まぁ、ソラリオの仕事やらせてもらってるだけ、いいですよ」
そう言って僕は発った。
最初に彼女を見た時、透明感さえ感じた。
消え入りそうなその姿は、孤独にさいなまれ続けた結果だとすぐに理解した。
だからこそ、遊びに誘って、帰り際に「まだ行かないで」なんて言われて、嬉しかったのだ。
あぁ、この子に楽しんでもらえたんだな、よかったな。そう思えた。
でも、ずっと一緒にいることは叶わなかった。
幽霊というのは日に日に崩れていくものだから。
幽霊とは、生き物の強い思いが命を現世にとどめる現象、その思いは次第に薄れ、やがて消える。彼女
のような悪魔でも、それは同じなのだ。
時がたつにつれ、この子が起こしたという事件に対して疑問が生じた。
正直、僕の主観と、あの子への情から来たものだったが、念のため、本部に調査を申請した。
彼女が、集落を襲った悪魔たちの先導者だというのが受け入れられなかった。
3か月近く続いた調査の結果により、真の先導者は他の悪魔だということが判明。
知人によれば、あの子はただただ村にやってきては、村人と話したり、子供たちと遊んだりして帰って
いく、そんな優しい悪魔だった、と。
それを事件後に、何も知らない村長が、悪魔たちのスパイだったのだと、勘違いして厳重な結界の張っ
てある小屋に閉じ込めた。
餓死して、それからもう5年もたっている。
その間、ずっと、ずっと待ち続けていたのだ。
村の人たちが誤解を解いて、いつか、みんなと遊びたいがために。
鬼ごっこや、かくれんぼをして、昼寝をして、ご飯を食べて、そのために、自分がだれだったのか、忘
れてしまうまで。
しかし、彼女の思いは少しずつ殺意へと変わっていった。いつまでも誤解されつ続け、閉じ込められ、
孤独という名の苦痛を与え続けられたのだ。ごくごく自然なことだろう。
そこに強い思いさえあれば幽霊自体は消えないのだから、成仏もしない。
彼女を成仏させる方法は2つだけ。
一つ、もう一度殺すこと。
二つ、幽霊が未練を果たすこと。
我々、ソラリオの信念は”全ての平等”
悪魔だから、という言葉も、極端な話、生きているかでさえも関係ない。
自らの道徳に基づいて、この二択、
僕は後者を選ぶ。
「ウライ、せっかくおめかししたんだもの、お外へ連れて行って。鬼ごっこをしましょう、私が鬼で、み
んなが逃げ。捕まったら罰ゲームよ」
読んでいただきありがとうございました!
2年前の文章が出てきたので乗っけてみました!
まだ文章の書き方も分かっていなかった頃なので、めちゃくちゃ読みにくいです(汗)
ソラリオは気が向いたら続きも出すかもしれませんので、その時は是非読んでみてください!




