第6話 異世界の価値
いつも読んでいただきありがとうございます。
6話は視点が変わります、少し不快に思うかもです。
月が3人を静かに照らしていた数十日前、
森である出来事が起きていた、、、
目を開けた時、最初に見えたのは空だった。
青い。
雲がゆっくり流れている。
「……は?」
男はは瞬きをした。
体が草の上に横たわっている。
周囲は森だった。
見覚えのない景色。
日本じゃない。
少なくとも、男の知っている場所じゃなかった。
「……どこだ、、ここ」
ゆっくり体を起こす。
服はそのまま。
ポケットもそのまま。
スマホを取り出す。
圏外。
電源は入る。
だが、それだけだ。
男は立ち上がった。
森の向こうに道が見える。
その先に――
町があった。
「……町?」
石造りの壁。
小さな門。
煙が上がっている。
男の顔が少し明るくなる。
「助かった……」
人がいる。
話が出来る。
状況も聞ける。
そう思って町に向かい、
町に入った、
だが――
町に入った瞬間。
違和感を覚えた。
視線、、、
冷たい、軽蔑、
なんとも言えない、
住人たちが、男を見ている。
こちらを見ては、
小さな声、
何か話している、
よく聞こえない、
「……なんだ?」
男が首を傾げる。
その時。
腕を掴まれた。
「こっち」
低い声。
振り向くと、女性だった。
40代くらい。
少しやつれた顔。
「え?」
男は戸惑う。
だが女性は構わず、男を路地へ引き込んだ。
人目の少ない場所。
「ここで待ちな」
女性は周囲を確認する。
「見つかると面倒だ」
「え?何が?」
男は意味が分からない。
女性は男を一度見た。
「……あんた、異世界人だろ」
男の目が丸くなる。
「……は?」
女性はため息をついた。
「やっぱりか」
そして言う。
「動くな」
そう言って女性は去った。
異世界人は一人残される。
(なんだよ……)
意味が分からない。
数分後。
足音が近づいてきた。
2人の男。
1人は太った男。
もう1人は筋肉質。
女性もいる。
太った男が異世界人を見る。
そして顔をしかめた。
「……男かよ」
露骨に嫌そうな顔。
「女なら楽しんでから売れたのによ」
異世界人の眉が動く。
太った男は肩をすくめた。
「まぁいい」
女性に袋を渡す。
チャリ、と音がする。
多分金が入ってると思われる、
女性はそれを受け取る。
そして異世界人を見た。
一瞬だけ目が合う。
だがすぐ逸らす。
「連れていきな」
それだけ言った。
異世界人は状況を理解出来ず。
「……は?」
太った男が笑いながら、
「今日からお前は奴隷だ」
異世界人の顔が固まる。
「は?」
筋肉質の男は気にしない。
「俺はバド」
顎で隣の太った男を指す。
「こいつはガルド」
ガルドは異世界人をじっと見る。
値踏みする目。
「まぁ……働けそうだな」
バドは異世界人の肩を掴む。
「来い」
乱暴に引っ張る。
「待てよ」
異世界人は抵抗する。
だがガルドがすぐ腕を掴む。
力が強い。
逃げられない。
町の外へ連れていかれる。
森の近く。
岩場。
そこには作業場があった。
奴隷らしい人間が何人もいる。
ツルハシ。
荷車。
岩。
「ここで働け」
バドが言う。
「鉱石掘りだ」
異世界人は歯を食いしばる。
「ふざけんな!」
ガルドが笑う。
「嫌なら死ぬしかねぇーな」
バドが続ける。
「どうせ異世界人だ」
吐き捨てるように言う。
「使い捨てのゴミだからな」
「生きようが、死のうがどうでもいい」
「払った金の分は働いてから死んでくれよ」
異世界人の拳が震える。
だが――
逃げられない。
ガルドがツルハシを投げた。
地面に落ちる。
「掘れ」
冷たい声。
異世界人はツルハシを見た。
そして空を見る。
青い空。
さっきまで見ていた空。
(……なんなんだよ)
小さく息を吐く。
そしてツルハシを拾った。
こうして――
異世界人の奴隷生活が始まった。
6話読んでいただきありがとうございます。
6話で不快にさせてしまったらすみません。
この先も、不快に感じる部分は出てくるとは思います。
先に謝罪致します。
これからも、よろしくお願い致します。




