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月影の双狼と黒翼―誇り高き2匹の狼と、黒翼の守護者―  作者: アル治
侵す者、守る黒牙

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第45話  牙の咆哮

いつも読んでいただきありがとうございます。

均衡が、続く。

刃が交わる。

牙が走る。

影が裂く。

アルビスの1撃。

 

ノワールの牙。

 

ノクスの追撃。

噛み合っている。

確かに。

 

さっきまでとは違う。

魔族が受ける。

流す。避ける。

だが――

 

“完全ではない”

血が、落ちる。

白が赤く染まる。

「……なるほど」

魔族が呟く。

息は乱れていない。

だが。

確実に“見ている”

3つの動き。

その連なり。

その意志。


アルビスが踏み込む。

刃が走る。

急所。

迷いなし。

魔族が受ける。

だが、その瞬間。

 

ノワールが横から入る。

牙が届く。

深く。

肉を裂く。

「……っ!」

初めて、明確な反応。

ノクスが続く。

影から現れ。

首元へ。


避ける。

だが、遅れる。

血が飛ぶ。

1歩。魔族が下がる。

静寂。

その1歩は、

完全な“押し”

ノワールが吠える。

低く。強く。

その瞬間。

 

魔族の口元が、わずかに歪む。

「……なるほど」

小さく。

だが、はっきりと。

「人と獣の寄せ集めにしては、、よく出来ている……」

空気が、変わる。

ノワールの動きが止まる。

 

ほんの一瞬。

「だが…足りぬ」

魔族の視線が、ゆっくりと動く。

 

ケンジへ。

「核が消えれば、その程度か…」

静かに。淡々と。

残酷に。

「弱い人間1人にすがっていただけだろう?」

――その瞬間。

空気が裂ける。

ノワールの瞳が、変わる!

揺れが消える。

代わりに――“怒り”

「――ッ!!」

吠える。

今までとは違う。

本能むき出しの咆哮。

地面を蹴る。

一直線。速い。

さっきまでより、明らかに。


アルビスが目を見開く。

「ダメだ――!」

届かない。

ノワールが突っ込む。

読みも。間も。無視して。


牙。

首へ。一直線。

魔族が動く。

最小限。

完璧に逸らす。

 

空を切る。

そのまま。

反撃。

「……甘い!」

振り下ろし。

直撃コース。

その瞬間。

 

影が割り込む。

ノクス。

だが。

これも――速すぎる。

理性ではない。

怒り。連撃。荒い。

鋭いが、雑。


魔族が避ける。

簡単に。

まるで――見えているように。

「……壊れるか」

小さく呟く。


ノクスの爪が空を裂く。

 

ノワールも同じ。

完全に――崩れている。


アルビスが踏み込む。

間に入る。

2頭の前に。

「……止まれ!!」

叫ぶ。初めて。強く。

それでも。止まらない。

怒りが勝っている。

ノワールが再び飛び出す。

ノクスも続く。


(……このままじゃ)

(やられる……)

アルビスが歯を食いしばる。

踏み込む。無理やり。

 

2頭の動線に割り込む。

刃を振るう。

ノワールの前に。

 

ノクスの軌道を塞ぐ。

「……落ち着け!!」

ぶつかる。衝撃。

無理やり止める。

一瞬……ほんの一瞬。

間が生まれる。


ノワールの目が揺れる。

 

ノクスの動きが止まる。

「……ケンジは……」

アルビスが、低く言う。

息が荒い。それでも。

真っ直ぐ。

「そんなことで、崩れる奴じゃない!」

静寂。

その言葉が、刺さる。

ノワールの呼吸が乱れる。

だが。

少しずつ、戻る。

ノクスも同じ。

ゆっくりと。

理性が戻る。

魔族がそれを見る。

 

わずかに、目を細める。

「……ほう」

興味が、深まる。

アルビスが構え直す。

今度は。3つとも。

崩れていない。

怒りはある。

 

だが――制御されている。

「……もう一度だ」

小さく。

だが、確かに。

3つの影が、揃う。

さっきよりも。

 

強く!

風が吹く。

 

血の匂いを運ぶ。

戦いは、終わらない。

だが――

 

次で決まる!

45話も読んでいただきありがとうございます。

あと、2話、、寂しいですが、読んでいただきありがとうございます。読んでもらえたこと本当に感謝してます。後少しお付き合いください。

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