6話 魔物討伐
ジェイン様との面会後。
能力や武器の確認を終えて、私達は外に出た。
庭も驚くほど広く、近くにある森も広大だった。 ただその分、魔物が住みつきやすいらしく、討伐してくれる人が必要らしい。
「〜〜♪」
「リリス、機嫌いいね?」
小さく鼻歌を歌うリリスに言うと、彼女は大きな声で返事をして、
「ええ、勿論!あなた方だけでなく、姉様も一緒に魔物退治に行けるので!」
そうか…今まで狩ったことなかったんだな…。
勝手だが、哀れに思えてきて、肩にポンと手を置く。
「リリスは、魔物の弱点を教えて。私達で行けるところにはいくから」
「勿論です!得手で貢献できるなら、それが一番嬉しいですから」
しばらくの間談笑していると、ふと玄関口の扉が開いた。
そこには、リリスよりも少し深めな紫色の髪をして、茶色い目をした女の人がいた。
「姉様!お久しゅうございます!」
優しげな笑みを浮かべる彼女に、私達も礼をする。
「初めまして。私がリリスの姉、カリア・リストロムよ。能力は〈保存〉。よろしくね」
ほう、〈保存〉…。使い方によっては、状態異常にならないし、催眠にかかることもない。かなり使い勝手のいい能力だな。
私は彼女の目を見て、
「はい!これから、宜しくお願いします!」
私を一度見た後、カリアさんは遠くの森を指差し、
「じゃあ早速、魔物が出るゾーンへ案内するわ。武器とかはあるの?」
ソラと私は首を横に振り、カイトは腰につけてある剣を取り出し、リリスも短剣を見せる。
カリアさんは私の方を見て、
「武器が無くても大丈夫?うちには他のもあるけど…」
「大丈夫ですよ。能力が、そういうもの、なので」
含めた感じで言うと、カリアさんはわかったのか、「そう」とだけ言って、歩き出した。
「迷子にならないようにねー!」
「はーい!」
リリスが、子供のような返しをした。
私達も返事をして、森の方へと足を進めた。
☆
「…」
やがて、魔物の気配があちこちにある、暗めの森についた。
木々の背はかなり高く、動きやすそうだ。
これなら私もある程度はいける。
「ここら辺が、ここ最近で目撃情報が多い場所よ。気をつけて」
カリアさんが私達の方を振り向いて言う。
その瞬間、音すらなく、どす黒い肉体をした狼のような動物が襲いかかってきた。
「なっ…!」
カリアさんのかなり反応が遅れた。その隙を塞ぐように、ソラが地面に手をつき、叫ぶ。
「【ダイヤモンド!】」
途端に、私達を囲むように、ダイヤモンドの壁が作られる。
流石ソラ。発動時間が短くて羨ましい。
リリスが壁をなぞるように触れ、
「これは…」
「ダイヤの壁よ。硬度もあるし、コイツら程度にはこれで十分」
ガリガリと爪を立てる音が響く中、カイトは冷静な顔をして、
「リリス。コイツらの弱点は?」
「は、はい!えっと…額です!額の中心」
ソラは頷き、
「了解。【スピネル・槍】」
ザクッ、と音がする。
ダイヤの壁には、血なのかよくわからない物質がべっとりとついていて、魔物の肉体は息をしていない。
カリアさんは目を見開き、
「凄いわね…地面だけでなく、空に生成して落とすこともできるなんて」
「…まあ、そうですね。ひとまず、ダイヤの壁は解除しますね」
パリンッ っと鳴ったあと、ダイヤの破片は地面に吸い込まれていく。
ソラの能力で生み出された宝石は、使用後全て土に消える、楽な作りをしている。
「は〜…こんなのもいるんだ」
歩みを進めて、狼型の魔物の体に触れる。
毒や瘴気がある感じも無し、か。つまらない。
「っ!後ろッ!ミムさんっ!」
「…ん?ああ…」
リリスからの、切迫した声。
けれど、ソラとカイトの反応も虚しく、その魔物の体は綺麗に引き裂かれ、私の左右に散らばった。
「え…それはっ…?」
カリアさんが少し震えた声で言う。
私は、その近づいてきた精霊の首を手を回す。
「可愛いでしょう?私が支配している、唯一の邪精霊なんですよ」
「邪精霊…? そんな、希少種を…?」




