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死亡フラグ回避に飽きたので、悪役令嬢らしく悪の組織をプロデュースすることにしました  作者: 高橋 淳


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✦ ルミナス・ラブロマンス ✦(本編)

本編であんまりゲーム要素がなかったので、ちょっと書いてみました。短編に同じものがあります。長いので3話に分けました。3部にわけての投稿になります。

✦ ルミナス・ラブロマンス ✦


― 聖女は光の中で恋をする ―


▶ New Game


▶ Continue


▶ Option


> New Game を選択しました





◆ プロローグ


王都ルミナス中央学園。

貴族、王族、そして特別な力を持つ者たちが集う場所。


(……また、視線を感じる)


背中に刺さる冷たい視線。

振り向かなくても誰のものか分かる。


悪役令嬢 、セレスティーヌ・ド・ロシュフォール。


銀髪に完璧な微笑み。

だがその裏で彼女は一貫して私を排除しようとしている。


「聖女ですって。平民上がりがずいぶんと都合のいい称号を得ましたわね?」


(……またか)


私はエルシャ。

光属性を持つ“聖女”として認定されこの学園に通っている。


けれど、ここは恋と政治が交錯する場所。

力があるだけでは生き残れない。



◆ イベント:講堂前・朝


講堂の前が、少し騒がしい。

人だかりの中心にいるのは――


王太子エドワード・アルベール。


金色の髪に理知的な眼差し。

その隣には眼鏡をかけた青年。


王太子の側近、財務・運用担当――ロレンツ。


(あ……)

王太子がふとこちらを見たその瞬間、セレスティーヌがわざと私の前に一歩踏み出した。


「王太子殿下。本日はご機嫌麗しゅうございますわ」


完全に、私を遮る位置。


(どうする?)



▶ 選択肢


A:一歩下がり、礼儀正しく様子を見る



B:自分から前に出て、正式に挨拶する



C:セレスティーヌに微笑みかけ、あえて譲る


▶ 選択結果:A


《評価変動:民衆支持+/王太子好感度+(小)》



◆ 講堂前・朝(続き)


私は一歩静かに後ろへ下がった。

視線を伏せ、口を挟まない。

(今はまだ出る場面じゃないよね)


セレスティーヌの声だけが、場に響く。


「殿下、こちらへ。本日は――」


だが。


「ちょっと待って」


低く、落ち着いた声。

空気が止まった。


王太子エドワードはセレスティーヌを見ていなかった。


彼の視線は人混みを超えてセレスティーヌを見ることもなく、真っ直ぐに私を正確に捉えている。


「……聖女エルシャ」


周囲がざわめく。

セレスティーヌの笑みが、一瞬だけ歪んだ。


「おはよう。今日もいい天気ですね」


(……え)


私は一瞬戸惑った。何も言っていない。ただ黙って下がっただけ。


それでもエドワードはわたしを見ていた。



◆ エドワード(心中・非表示)


(ああいう場で前に出ない者は珍しい。私の元に来るわけでもなく、このように身分を気にせずにいていい場所で、静かに一歩引いて上位のものに道を譲る平民なんて今まで見たことないぞ)



「おはようございます、殿下」


私は一礼する。


「今日もいい天気ですね!暖かくて毎日こんな日ならいいのにって思っちゃいます」


ちょっと焦ってしまったけどなんとか微笑んで答える。エドワードはわずかに目を細めた。


一拍。


「こちらから急に話しかけて戸惑っただろう、楽にしてくれ」


その言葉に、

周囲の貴族生徒たちが息をのむ。


(王太子が、自分から歩み寄った……?)



◆ セレスティーヌ


「殿下?」


甘く取り繕った声。

だがエドワードはようやく彼女を一瞥しただけだった。


「ロシュフォール嬢。後ほど正式な場でお話を」


それだけ。


再び、私に向き直る。


「聖女エルシャ。もし差し支えなければ、講堂までご一緒願えますか」


(これ、断れないやつ……)



▶ 選択肢(次)


A:静かに頷き、同行する



B:一度辞退し、距離を保つ



C:ロレンツにも声をかける




セレスティーヌの視線が、背中に突き刺さる。

でも。


▶ 選択結果:C


《評価変動:ロレンツ成長フラグ++/王太子好感度+/場の空気緩和》



◆ 講堂前・朝


「……あっ」


気づいたら、口が先に動いていた。


「ロレンツさんもご一緒しませんか?」


自分でも少し驚くくらい明るい声。思ったことをそのまま言ってしまった。


「え?」


ロレンツが完全に虚を突かれた顔をする。


「ほら、殿下と二人だとなんだか私、すごく緊張しちゃいそうで……!」


えへへ、と笑うと周囲の空気が一気に緩んだ。


(……あ、やばい、これって不敬?)


でももう、言ってしまったものは仕方ない。



◆ ロレンツ


「わ、私が……?」


眼鏡の奥で目を泳がせる。


「い、いえ、その、私はただの側近で――」


「ただの、じゃないですよ!」


私は即座に返す。


「殿下が信頼してる方なんでしょう?それってすごいことです!」


(あ……言いすぎたかな)


ロレンツの耳が、分かりやすく赤くなった。



◆ エドワード


「……ふっ」


小さいけど確かな笑み。


「確かに。ロレンツ、君抜きで進むのは不安だ」


「で、ですが殿下……!」


「婚約者もまだいない可憐なご令嬢と私が2人で過ごすのはあまり良くない。君も来るんだ。」


エドワードはそう言って、歩き出す。


「では私も聖女殿の“緊張対策”ということでご一緒しますよ」

ロレンツは少しぶっきらぼうに、耳まで赤くなった顔を隠すようにエドワードの側に控える。




◆ セレスティーヌ


取り残されたその場で、

セレスティーヌは爪をきゅっと握りしめた。


(……笑顔で場を取るタイプ。私とは相性が悪いのよね。厄介だわ。)



◆ 講堂へ向かう回廊


歩きながら、私はふと思い出したように言う。


「あ、ロレンツさん!」


「は、はいっ」


「この前の寄付金の使い道、すごく分かりやすかったです!孤児院の子たち、すっごく喜んでました!」


「……!」


ロレンツは嬉しさと驚きで言葉を失う。


「そ、そんな……私は数字を処理しただけで……」


「でも、誰かの役に立つ数字って、一番かっこいいと思います!」


にこっと笑う。


それを見てエドワードは何も言わず、ただ静かに頷いた。



◆ ロレンツ


(……この人は、王太子の側近というロレンツではなく、僕を見てくれている)




明日も投稿します

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