93:妖精の誕生
『精霊?だったら……これ』
そう言うとモスアはランタンを渡してくる
炎が灯っているが、どうやら普通の炎ではないようだった
『これは?』
『華寒が一番知っていると思うよ。散々戦った挙句、禁忌魔法で砕いたんだから』
『へ?』
そんな奴一体しかいないんだけど…
そんなことを考えながら炎を眺めていると、多少だが、炎の揺らめきが強くなった気がした
『あ。少し怖がってるかも?』
『えっと、もしかしなくても火山内に居た奴だよね。あれ喰らって生きてるの?』
『生きてるから今こうしてランタンの中にいるんだよ?』
『そう言う物なのかぁ…』
いや、納得はしていないけど
それでも、実際ランタンの中の炎は燃え続けている
すると、ギアナが話しかけてくる
『あの、精霊というとはとても生命力が高く、ちょっとやそっとの事程度では消滅など不可能なんです。それに、おそらくですが相当な年数生きた精霊だったのでしょう…』
『な、なるほど…?』
よくよく考えてみると、体も大きかったし長く生きてるのは納得だけど…
そうなるとゴーレム使っていたのがよく分からないな…
まぁいいや
細かいことは後にしよう
『えっと、それでこの精霊を?』
『うん!』
『……わかった。だけど、私の部屋でやるね。一切の立ち入りを禁止するから!』
私はそう言いながら駆け足で部屋に入る
とりあえず、精霊に秩序を与えなければならない
その為にはこの部屋では不十分だと思う
正直、何が起こるかは私だって分かっていないのだから
という訳で、場所を移動した
今回だけ…という訳ではないが、新たな空間を作り出した
この空間、実験用空間には特に何も建設されていない
あるのは木が数本だけ生えている広い草原だけだ
ここでなら、どれだけ危ない実験でも何とかなるだろう
後は、ここを共有スペースにするか、それぞれにプレゼントするか…
まぁ、そう言う事も後で、今は精霊だ
私はランタン秩序を込める
中の炎をは変わらず燃え続けている
その様子は秩序を受け入れるようだった
私はそのランタンを空中に放り投げる
そのランタンを落下させることなく、秩序で固定する
結構無理やり秩序をねじ込んでいる
魔物にとってそこそこ苦痛だろうが、こうでもしないと生き物に変わらない
昔の変化だって数百年規模だったのだろう
それを一瞬でやるんだ
少し心残りなのは向こうの許可を取れなかったことだけど…
まぁ精霊って話せないしいっか
クレームは生き物になってからというわけで
そんなことを考えてつつ、秩序を込める事をやめずにいると、まばゆい光が辺りを覆い隠した
私が目を開けたとき、目の前に少女が居た
背丈は40cmほど
まずいえることは人ではないという事
だがしかし、余りにも人に似ている
違う点といえば綺麗な四枚の羽という所だろう
森人にも似ていると思うが、耳が尖っていない事や身長が小さいところが違うと言える
『貴女がマスターですか?』
『へ?』
『貴女が私を生み出したマスターであり、我々妖精という種族の主でありますから…』
『待った。私が主なの?』
『私が使える方が主であると考えます。ですから、貴女は主…』
『いや、えっと妖精?』
『はい。妖精です』
『まず、種族の主というのは、その種族であるべきなの。だから、たとえ私の事をマスターだと思っても、主は君なの』
『なるほど、そうなのですね』
『後、質問しても?』
『ええ。ご自由にどうぞ』
彼女は礼儀正しく綺麗に立ったまま微動だにしない
『じゃあまず、飛べる?』
『はい』
そういうと、彼女は羽を動かし飛んで見せた
『次、その羽は頑丈?』
『いえ、そこそこ脆く、復活も不可能です』
『……じゃあ、それを解決する方法は?』
『私も生まれたてで知識もありませんが、スライムがあるといいことがあるという事は分かります。ですが、魔物のままでは…』
『了解。それはこっちでも頑張るね』
『恐悦至極に存じます』
『それじゃあ次、妖精がどういう種族か、分かる限り説明してくれる?』
『そうですねぇ、まず一番の違いから説明いたしましょう。妖精という者は基本的に、様々な依り代に移って生きていく生き物であり、寿命という概念がありません。いわば、生きる武器、彩様の様な種族です。次に数の増やし方ですが…』
へ?
ま、まぁそうか
種族を語るうえでそう言う事は話すもんね…
『これも、他の種族とは違い性別が存在していません。現在不明です。属性は持っていません。食に関しては何でも食べます。他の生き物と変わりありません。強いて言うなら食べる量は体に見合った量というところぐらいでしょうか…』
『なるほど……それじゃあ、数を増やすことを考えるとしても、スライムの話が片付いた後の方がいいかな?』
『そちらの方がよろしいかと』
『後、飛行速度と力について教えて』
『はい。ですが、話すより見てもらった方が分かりやすいですね』
彼女はそう言うと辺りを飛び回り始めた
その速度は私がギリギリ目で追える程
やがて、彼女は一本の木を軽々と引っこ抜いた
『いかがでしょう。力は全力では無いですが、お分かりになられたでしょうか』
『うん。じゃあ最後に、君の知識はどこから来ているの?』
『そうですねぇ…種族の話にしては何とも言えませんが、基本的な知識は貴女をマスターと認識したころにはもう記憶されていたので、貴女から来た情報だと思われます』
『なるほど、一旦これぐらいかな』
『もうよろしいので?』
『うん。とりあえず、スライムだね』
『その、急がなくとも別に…』
『安心して。私が気になってる』
『…それなら、安心でございますね』
そうして彼女との会話を終えた
とりあえず、みんなに報告かな~
『今から戻るのですか?』
『そうだよ。どうしたの?』
『いえ、私も勝手に戻れるようで…』
『へ?もしかして秩序と混沌の力でも持ってる?』
『その用ですね。何しろ貴女の配下ですから』
なるほど、配下というのは便利な物だ
そんなことを考えながら、私たちは生活空間に戻った
『という訳で、精霊改め妖精です!』
私は彼女を紹介する
『初めまして皆さま』
『それじゃあ、私は外に出ておくから、自由にしてね~』
そう言って私は空間を出る
私はスライムを探しに飛び立った
さてと、スライムを出来るだけ多く見つけ出したい
スライムの秩序化は大変難しい
スライムの肉体の七、八割は混沌で構成されている
それを全て置き換えなければならない
それでいて、スライムが生き物になったらという話は先ほどあったが、それは空想の話であり、現実ではまずありえない
スライムというのは魔物では珍しく脳がない
あいつが動く理由はただ一つ
混沌による敵対行動のみ
それを秩序に返還すれば何もしない水分の塊の完成だ
そんな奴を生き物と呼べるかと聞かれたら答えはNOだろう
だからこそ、何故妖精が秩序のスライムを欲しているか
とても楽しみにしつつ、私はスライムをかき集めた
ちなみに秩序化に成功したのは六回に一回ぐらいだった
三十匹もいらなかったと後悔したのは内緒だ
どうもどうも
この回が上がるまでに、〇.5系が四本上がりました
アレ途中に挟んだんですけど、マジで数字が分からなさ過ぎて大変でした
逆に本編の方は簡単に分かるようになっているので、楽で助かります
後、やはり続けるたびに長くなっていくのは当たり前なのですが、一気読みすると100話近くて、それを一気に読んでいる方とかいらっしゃったりするんですよ
ですから、ありがたいと共に、こんなつたない素人の小説…
いや、このサイトでは誰でも書けるんですけどね
まぁ、読んでくれてありがとうございます!ということです
後最後に一つ、妖精という小さい人型にスライム…
もしかしてス〇イ〇ナ〇ト!!!
…伏字多すぎましたかね
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は八月二十四日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




