91:雑な華寒
という訳で、今回で最後の者とのお話だ
『よろしくね。レファさん』
『初めに言っておこう。名前は呼び捨てで構わん。後……あいつは何をしているんだモスアさん?』
困惑した様子でベットの方向を見る
『私に触れたのは君が初めてだよレファ君』
『なわけねぇだろ』
『華寒が寝ている間に触れられてはいたよ?』
『え………』
そんなに絶句しなくても
そう感じつつ、うちはレファの方を見る
『えっと、とりあえずうちも呼び捨てで頼むよ』
『そちらの方がありがたい。それで、要件というのは…』
『特に無いよ。ただ、みんなとは違って後々入るわけだから、仲良くなっておこうと…』
『あぁ。まぁよくよく考えてみれば、今のところ一番遅かったのですらアンだからな。間違ってないよな?』
『うん。ギアナとアシャはダンジョンであったし、お前には片目に吹き飛ばされたし…』
『へ………』
しばらく脳が停止する
レファが、華寒の片目をフキトバス?
その瞬間、彼女の右目をよく見る
メガネにレンズもとい、ガラスが黒く染色されている為、とても見にくいが、確かに彼女は片目をつぶっていた
『いや、勘違いしないでよ?肉体を改造するにしても、無くなってからかな~って思ってて、丁度目ぐらいは改造したいな~って思ったから、目ぐらい吹き飛ばしても問題ないって私が言ったからね?』
『は、はぁ…』
流石のうちでも困惑が止まらない
『で、いつになったら開眼するんだ?』
『一応軽い物は作ったけど』
そう言って、彼女は眼鏡をはずし開眼する
そこには、本物と見まがう事は無いが、それらしく作られている義眼があった
『よさそうに見えるが、何が駄目なんだ?』
『素材。外見はそこそこ気に入っているし、機能も満足しているけど、素材が居なあ…』
『何を使いたかったの?』
『えっと、いろいろかな。カートリッジも入れたいし、ビームも出したい。それに、私の体が砕けてもそれだけは壊れないような頑丈性を…』
『待って待って!何?華寒の体が砕けてもって!!』
普通、体が砕けたら
『…想へのクレームは後にしよう。モスア、想が主なことは知っているか?』
『昨日知ったけど…』
そう言うと、レファの顔がどんどん引きつっていく
『……はぁ………その力で、想は死ななくなったんだ。どれだけダメージを受けても再生するそうだ』
『…痛みは?』
素直な質問を投げかける
『俺も知らん。どうなんだ?』
『え?あ、あぁ………』
『ああ。何となく察した』
うちも察する
あの感じ、痛みはあるのだろう
なんであの子は、自分の事だけは適当なのだろうか
友達の事になったら凄く動き始めるのに、自分になったら適当
『華寒。前の事は覚えてないだろうから、また、何度も言うよ』
うちは、寝ている彼女を起き上がらせ、膝の上にのせてから耳元でささやく
『君にとっては何ともない物でも、うちらからしたら大切な体だし、大切な君なの。だから、貴女の自身を大切にして。うちらの為にね』
そう話した瞬間、彼女の体から力が抜ける
よく見ると、彼女は眠っていた
『珍しい、こいつが寝るなんてな』
『へ?』
うちの前では良く寝てたんだけどなぁ…
『こいつ、主になってから一週間は寝なくても良くなったとかほざいてたからな。なること自体、珍しく感じるんだよ』
……何度でも言ってやろうか
そう感じさせるエピソードがまた一つ増えてしまった
『えっとぉ、一応他の無茶エピソードは無い?』
『しいて言えば俺に突撃してきたことぐらいだな。まぁ、結局俺は負けたわけだが…』
そう聞いて、頭の中にまた一つ疑問が浮かぶ
っていうか、疑問浮かびすぎでは?
『…この子って今どれほど強いの?』
『さあな、俺も知らん』
『へ?』
『確かに、俺は想と戦った。だが、それは能力だけの状態。それに、作ってきた物も金属で出来たバトルアックス一本だ。属性を付与してきたが、氷だったもんで簡単に砕けちまう。つまり、想として生きている中で最も弱い状態の想と戦った訳だ。今の想の実力なんぞ、一般的な者には理解できない程の実力になっているだろう。事実、死ななくなり、人の性格まで分かるようになったわけだ。そんなこと、俺らには想像つかないだろ?』
『そうだけど…性格?』
性格が分かるって何?
『ああ。これは想から聞いた話なんだが、秩序が多ければ理性的で思考力が高い。簡単に言えば知性がある。混沌が多ければ野性的で考える力がない。簡単に言えば獣だ。想は生物の秩序混沌の量が理解できる。だから、性格が理解できるんだと』
『……確かにうちら程度じゃ理解できない領域だね』
『そんなことも無いでしょ。私だってれっきとした生き物なんだし』
そんな声が、すぐそこから聞こえてくる
どうやら、華寒が起きたみたいだった
『お前、寝るの短すぎないか?』
『おいおい、何回言わせるんだよ。私の睡眠時間は減った。でもそれは、起きて入れる時間が増えたわけじゃなくて、寝れる時間が減ったんだよ。だから、一回寝たとしても、直ぐに起きちゃうんだよね~』
『なるほどねぇ…』
やっぱり、主になったんだなとひしひしと感じる
『ついでに言うんだけどさ、私、生き物を作れるっぽいんだよね』
『は?』
『へ?』
衝撃的な声が聞こえてくる
『そんなに驚く?レファには均衡の話をしていたよね?』
『していたが、どういうことだ?』
『えっと、詳しく言えば、魔物って混沌なのよねって事ぐらい?』
その話しで、ようやく理解できた
どうやら、レファも同じようだった
『あ、そうそう。細かい解説とかは、また後でね?』
『なんで?』
何故かは分からないが、華寒は説明を長引かせた……
どうもどうも
あのぉ、短過ぎじゃないですか?
まぁ私の勝手なんで短いのも私のせいなんですけど
終わりもちょうどよかったので、この辺で終わりましょう
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は八月二十日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




