89:彩とのお話
うちは紅茶を飲む
今は、セラシウお姉様と華寒と一緒にお茶会をしている
にしても、まさか華寒がそこまでこのクッキーを気に入っているとは…
確かに思い返してみれば、あの時もクッキーだけはそこそこ食べていたかも?
まさか少しい遊んだだけで、泣かれるとは…
流石にそこまで気に入っているとは思ってもみなかった
今の華寒は笑顔でもしゃもしゃとクッキーをほおばっている
まるでリスの様に頬張っていた
そんな姿も可愛い……
っといけないいけない
ついつい彼女の無邪気さに気を取られてしまった
そんな風に彼女を堪能しているとお姉様が、耳元でこそこそ話しかけてくる
『にしても、華寒ちゃんだいぶのびのび出来てるよね?』
『あぁ……記憶を無くしているからっていう事もありますが…』
『そうなの?』
『今までギアナさんとか、事情を知っている者にも会っているとは思うけど、事情が事情だからね……』
流石に前の彼女の話をする度胸は無い
仮に、それで思い出してしまった事があるならば………
…考えるだけでおそろしい
今のびのびと過ごしていて、クッキーを食べ過ぎちゃって焦っている
そんな彼女の方が愛らしく、過ごしやすい
だからこそ、もう二度とあんな思いはしてほしくない
ただ、正直言えば再会して少し違和感があった
以前の彼女の面影は確かにあった
目立ちたくないはずなのに、ついつい助けちゃって、結局うちと会うことになった
その優しさは昔からだった
でも、話してみて大人っぽすぎるとも感じた
だってこの子146歳だよ?
酒、煙草解禁まであと54年は必要なんだよ?
それなのにもかかわらず、話し方といい内容といい余りにも大人っぽすぎた
でも、今回の件で分かったことがあった
それは、本質は変わっていないという事
何かミスをしたら以上に気にし続け、気を許している者には当たりが強くなるが、同時に幼くなる
今の彼女も前の彼女も、記憶こそ無くなったが、性格は全然変わっていない
だからこそ、やっぱりあの子の記憶を完全に復活させるわけにはならない
『ちょっと、何こそこそ話してるのさ!私とも話して!』
……やっぱり大人っぽいていう言葉撤回してもいいと思う?
そんなことを考えつつ、うちはお姉様と華寒と三名で楽しくお茶会を続けた
時は流れ数日、あれからアンとは話をした
旅について行くこと、華寒の話等々
という訳で、今回は彩さんと話すことになった
こんな感じで、華寒と一緒に旅をしている皆さんと話すことにした
そして今、彩さんが目の前にいる
場所はうちの部屋
ベットには華寒が、
『お昼寝する』
とか言ってゴロゴロを始めた
彼女は話を始める前に眠ってしまった
『まったく、ごめんね?』
『いえいえ。こういう所も可愛い……』
『前から思っていたんだけど、モスアさんってとても想…いや華寒に甘いよね………』
『そうかなぁ……』
改めて思い返してみる
ここ数日、華寒とお風呂と寝る時も含めて一緒に過ごしていて、稀にクッキーを餌付けしている
眠いって言った時は私からのお願いで膝の上で寝てもらったり膝枕をしたり…
『……確かに言われてみれば、甘やかしているかも?』
『言われてみればなの?』
『まぁ』
『そうなんんだ……意図せずそこまでなんだもんね?』
『そうじゃなかったら言われてみればなんて言わないよ!』
『そうか。まぁ、久しぶりに再会出来た仲のいい子だったらそうなっちゃうか…』
彩さんは納得した様子で話の内容を変える
『ところで、昔の想……華寒ちゃんについて教えてくれる?』
『……内容によって話せるものと話せないものがあるけど、それでもよければ』
『それでもいいよ。想に思い出してほしくないだろうけど、君も大変だっただろうからね…』
『ふふっ。何か華寒みたいな口調だね』
『そうかも。まぁマスターに似るって事だよ』
『そういうことか……』
うちが渋々納得すると、彼女は表情を変えて質問してくる
『それじゃあ、単刀直入に聞くよ。華寒は聖剣と契約していた?』
『…!』
彼女の質問の内容に驚愕する
確かに華寒は聖剣と契約していた
でも、華寒が忘れている限りその力は行使できない
そのせいで、華寒からはその力を感じられない
実際、華寒自身も感じていないっぽいしうちも感じられなかった
だがしかし、彩さんは言い当てた
『その顔、どうやら私の予想は当たっていたみたいだね』
『一体どうやって…』
『確かにあの子から聖剣の力を感じることは無い。ただ、一回だけを除いてだけど』
『一回?』
『そう。それは私と想が初めてあったあの時。あの瞬間だけ、彼女から別の聖剣の力を薄っすらと感じた』
『なるほど。これに関しては華寒にも話したから言うけど、華寒は聖剣と契約していたし、今も帰りを待っている』
『待っているって、どこで?』
『華寒とうちの他にもう一名いるんだよ。仲がいい友達が』
『それじゃあ、いずれ合う事になるだろから、名前だけ聞いておこうかな』
『本名は確か…ベニーティア・ラぺレントって言ったかな?』
『そんな思い出さないといけない事なの?』
『そうだね。うち以外は両方あだ名だしね』
『そうなんだ……ていうか、ラぺレントって人魚の王族じゃない?』
『そうだよ。ところでなんで今の王族に詳しいの?』
『へ?』
『いや、彩さんって華寒が来てようやく起きたんでしょ?じゃあ、なんで知っているのかな~って』
『えっと、想の記憶を見たからだね。記憶って言っても、彼女に関係すること以外だったけど…』
『なるほど。そんなことまで出来ちゃうのか…』
もしかしてあの子も出来たのかな?
『ところで、誰だったの?見つかってない命中は除くとして』
『えっと、命中だよ』
『は?でも、見つかってないって…』
『それは……持ち主が華寒だって知れ渡ったら……』
そのまま口を閉ざす
これ以上はうちの口からは言えない
『…そっか。じゃあ別の話題にするか。えっと…華寒ってあだ名なんだよね?』
『そうだよ』
『じゃあさ。フルネーム聞いても?』
彩さんに聞かれて少しだけ悩む
まぁでも、フルネームぐらい言ってもいいか!
『華寒のフルネームは…』
話の最後、彩から呼び捨ての許可をもらった
どうもどうも
急に裏話話すんですけど、実はベティよりモスアの方が後から考えられたんですよね
元々、昔の想である華寒を知る者ということで、ベティを用意していたのですが…
作品を作っていくにあたって、岩人国と吸血鬼国との間の話として用意していたのがこの国だったのですが…
余りにも岩人国の再放送になってしまうと考えた結果、新たな仲間を追加しました
それが、モスアです
まさかのまさか、急遽用意したキャラクターでした
ちなみに、ベティの名前に関してはベティという名前が出て来た時に考えました
名前だけはモスアの方が先ですね!
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は八月十六日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




