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生き物達ノ中央世界  作者: 葉都
炎龍国編
92/105

88:クッキー

『という訳で、おそらく解決した』

『ありがとうね。私(わたくし)の方から、お父様や民の皆さんに説明するね』

『わかった。ありがと~』

現在、モスアの姉である第二王女のセラシウに報告していた

『にしても、まさか本当に解決してきちゃうなんてね…』

『まぁ、解決したと言っても、モスアが居なければ解決していないんだけどね……』

『そうだったの?具体的に何があったか教えてくれる?』

『勿論!』

私は、紅茶を一口飲んでから話し始める

『えっと、簡単に言えば一切攻撃が効かなかったんだけど、モスアの能力で何とかなった』

『…魔物だったの?』

『ああ。そう言えばそこから話してないね。正体は、マグマで出来た竜が入ったコアの無いゴーレム?』

改めて言葉に表してみると、余りにも複雑だと実感する

『何というか、情報多いね。えっと、結局本体はその竜の方で合ってる?』

『……多分?』

『華寒も分かってないの?』

『そうだね。結局コアがない理由も、なんであそこに空間があったかも、マグマで出来た竜が居たのかも、全てが理解できていない。理解できている事と言えば、あいつは生物だったという事…』

『研究できそうな素材は?』

『ゴーレムの方は、竜が抜けたときに塵になっちゃったし、竜の方は原形をとどめない程還付なきに砕いちゃったから……』

『…砕いたって何?冷やして石にしてから砕いたの?』

『もしかしたら石になってかもしれないけど、凍らせたね』

『なるほどねぇ…』

彼女はとても深く考え込んでいる

私は、クッキーに手を伸ばす

軽くて、サクサクして、程よい甘さ

私好みのクッキーだった

思わずクッキーに手を伸ばし、口に運ぶ

そんな行動を三、四回程繰り返した時、セラシウが口を開いた

『これは私(わたくし)の仮説なんだけれども……もしかしたら、その竜がコアを飲み込んでいたんじゃないの?』

『コアを飲み込む?』

『これは仮説でしかないから信用しなくてもいいんだけど、物理的な体内じゃなくて、精神的な体内に入れていたんじゃないかな?』

彼女は説明を続ける

『まず、竜がゴーレムのコアを体内に飲み込む。それと同時にゴーレムが体内に入っておけば、コアを失ったことにはならずに、コアの無いゴーレムが生まれる。どう?』

『…ありえなくはないね』

えっと、一様現実の体内と精神の体内について振り返っておこう

まず、現実の体内

これは単純で内臓や神経などなど、様々な物がある

ただ、ここで魔力が発生しているわけでは無い

それが、もう片方の体内

精神の体内は魔力機関や属性機関、私で言えば均衡の力も裁断の力も…

まぁそういう物が作られるのが精神の体内

そして、名前に精神と付くだけあり、精神が大きく関係している

具体的に言えば、装飾だ

心優しい者は森、怒りっぽかったら火山や地獄、クールな者は海や雪山などなど…

その種類は生き物の数だけあると言われている

ちなみに、鎖につながれたアンがいた空間が精神の体内

あの時は理性という物を失い、魔物に近い状況になっていたから真っ黒だったわけだ

そんな感じで、体内と言っても現実と精神が存在しているのだ

ちなみに、精神の空間に入る為には、不意を衝くか、信用されるかだ

だからこそ、そこまで悪用されていない

まぁ、あくまで’’そこまで’’なんだけどね…

実際、昔は改造が行われていたという記録があるらしい

現在では一部例外を除き、処刑以外の罰し方がない程禁忌とされている

同じ程の罪だと、国家転覆や秩序、混沌の無断使用による殺しの二つだけとされている

まぁ、国によって違ったりするんだけど、だいたいそんな感じ

『まぁ、結果がどうであれ問題は解決された。今はただ詳しくは考えずにのんびりと過ごしてね…』

『お言葉に甘えさせてもらおう。それじゃあ』

『あれ、もう行っちゃう?用事?』

『特に無いけど、君の時間をそこまで奪うような事は……』

『いいのいいの!私(わたくし)は確かに第二王女だけど、そこまで忙しいわけでもないですし…強いて言うなら、モスアも呼ぶ?』

『そうだね。それじゃあ、私が』

そう言って立ち上がろうとした瞬間、セラシウに止められる

『まぁまぁ。お客さんはゆっくりしなされ』

そう言うと、彼女は立ち上がる

止める間もなく、ベランダから出て行ってしまった

私はクッキーに手を伸ばし、口に運ぶ

………やっぱり美味しい

このクッキーってどこで買えるんだろう……

もしくは作るとか?

生地が関係するとは思うんだけど………

レシピ教えてくれないかなぁ

そんな事を考え続けつつ、次へ次へとクッキーを口に入れては咀嚼し飲み込む

気付くと、クッキーは無くなっていた

………無くなっていた!!

やばい、食べ過ぎた…

セラシウって何枚食べてたっけ…

モスアに関しては食べてないし……

こ、これはやらかした…

謝るしかないかぁ……

はぁ………やっちゃったぁ…

『そんなにおいしかったの?』

私が後悔していると、後ろから声がした

上を向くと、モスアがこちらを見ている

『あ、うん。オイシカッタヨ……』

『そこまで焦らなくてもいいんですよ?』

そんなセラシウの声が聞こえる

彼女はクッキーが山盛りに入っている器を持っていた

私は心からホッとする

多分作っているのだろう

後でレシピを教えてもらうことを決意した

『ほら、華寒。あ~~~ん』

彼女はそう言いながらクッキーを差し出す

私は勢いよくかじりついた……つもりだった

だが、私の口は空を切った

『へ?』

思わずそんな声が漏れてしまう

私は目を開く

するとそこに居たのはクッキーを手に持つモスアの姿だった

『残念!このクッキーはうちの~』

そう言って彼女はクッキーを口に放り込み、自慢げな顔でこちらを見てくる

『あぁ……』

私がそんな声を上げると、彼女は焦ったようにクッキーを取ってくる

そして、私に差し出した

そのクッキーを、大人しくかじる

すると、今回はサクッという音が響いた

口にはほんのり甘い味と香ばしい匂いが響いた

私はクッキーをしっかりと味わう

にしても、なんでそこまで焦って私にクッキーを出したんだろう?

まぁいっか

私は餌付けされながらお茶会を続けた

どうもどうも

という訳で、作品の話をします

今回の想改め華寒は少し幼げでしたね

モスアがなぜ焦ったのか、それは次回わかるでしょう!

ちなみに、華寒は本名ではございません

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました

今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!

お相手は八月十四日の私、葉都でした

ということで、ではでは~

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