79:夜の街
あれから数分、私達は帰路についていた
『今日はありがとな』
『いやいや。私に出来る事をやったまでだから』
『それでもです。それに、途中からは魔物の姿すら見えませんでしたから』
『それは、偶然運がよかったんだよ』
まぁ、半分ぐらいは毒のせいなんだけど…
『何を言うのじゃ。こちらに向かってくる魔物の気配があったが、途中で倒れた。想の仕業じゃろう?』
『あ~~』
『誤魔化しても無駄。ナッジ爺の感知力はマジやばいから~』
『…そうだね。私だね』
『…想って、不思議な力ばっか使ってるね』
『今回に関しては不思議じゃないよ。単純に能力だから…』
『………ごめん』
『へ?』
…ああ
そう言えば、能力というのはそう易々と話さない物だったな
『まぁまぁ、私から話したことだし気にしないでね?それに、割と私べらべら喋ってるし…』
『それはそれでどうなんだ?』
『能力の事は、話さないことをお勧めするぞ。そうじゃなければ、狙われてしまうかもしれぬからのぉ…』
『まぁ問題ないよ』
『それでもです。お気を付けくださいよ?』
『まぁまぁ。私に関しては心配しなさんな』
『…マジ気を付けてね』
そのまましばらく心配され続けた
『うぅ………はぁ』
魔鉱石の面々とは別れ工房の椅子に座りながら伸びをした
『お疲れ様だ。ところで、何をしたんだ?アレ』
『魔物の事?』
『そうだ。君はずっと真ん中に座っていた。何をどうやったら魔物を消せたんだ?』
『それに関しては単純。毒で倒して、回収した』
『いつ毒を注入した?』
『私の能力って好きな場所に構築出来るんだ』
『…なるほどな。それで、回収の方は』
『……聞かない事をおすすめしよう』
『わかった』
『すんなりと引いてくれて助かるよ』
私としては、別に話したっていいのだが…
あの者が情報を流していないという事は、何かしらあるのだろう
だから、私はあまり不用意に話したくないのだ
でも、何企んでるんだろう…
聞いてから出ればよかったかもと、現在後悔しつつ、私はアリアラの声に耳を傾ける
『ところでだが、ここからどうするつもりなんだ?』
『どうする…とは?』
『この後についてだ。君には仲間もいるんだろう?いつごろ次の国へ?』
『そうだねぇ…今はまだ何とも言えないかな。気まぐれに旅しているわけだし…近々奇血には行くつもりだけど…』
『特に詳しくはといったところか。まぁなんだ。ゆっくりして行ってくれよ』
『まぁ、出来るだけそうするつもり』
でも、本当にどうしようかな
特にここでやることも無いし……
というか、それを求めて来たわけだけど、今は少し、いや相当暇だ
『そうだ。属性岩ってどれぐらいの大きさがいいとかあるか?』
私が悩んでいると、彼が大きな箱の方へ向かい、漁り始める
『えっと、属性岩だったら何でもいいんだよね。大きいのとかはアリアラが使いたいだろうし、使えなさそうな物で…』
『えっと、俺が使うとしたら属性石までだから、全部いいぞ?』
『へ?』
『そもそも。今回掘ってきた理由も君に渡す為だったし、他にも無駄に掘ったやつがあるんだ。普段だったら買い取ってもらうんだが、買い取れないと言われる程の小さい岩がそこそこ溜まっていてな。自由に持って行ってくれ。欲を言うなら全部持って行ってくれ』
『逆に聞くけど、全部持って行っちゃっていいの?』
『勿論だ。私が作る物はアクセサリーが殆どで、大型の属性鉱石はいらないんだ。全部持って行ってくれ』
『そこまで言われたら全部持って行かせてもらおう』
『あ~…言っておいてなんだが、全部運べるのか?』
『ああ。それは問題ない』
そう言って、箱の中身の物を私の部屋へワープさせた
『消えた……これも?』
『不思議な力という訳で納得してくれるとありがたい』
『分かった。そう言うことにしておこう』
『後これ』
そう言って彼は手紙をこちらに渡す
『これは…』
『紹介状の様なものだ。後の二名に渡してくれ』
『了解。どっちがどっちとかある?』
『特に無い様に書いてある。特に気にせずに渡してくれ』
『りょーかい』
…ここに来た理由の半分ぐらい終わっちゃった
『それじゃあ』
『おや?もう行くのか。気を付けろよ』
『は~い』
そう返して外に出た
時刻は深夜何時か
私は現在、深夜の街中を歩いている
都市であるため光はあるとは言え、一名で歩くには、少々危険が危ないだろう
実際、何だか危ない雰囲気を感じる道もある
機械人の技術の結晶であるネオンが輝く街
何故かは知らないが、大体怪しい道はネオンの光が輝く道
割としっかりとした万国共通点だと思う
何なら、絶対に都市にはこういう場所がある
どれだけ雰囲気が昔のまんま止まっているような、雰囲気が良い都市ですら大体眩しい光に包まれている
朝かと見間違うとは言えない程、色がギラギラとついている
何故故そんなに目に悪いような色をしているのだろうか…
ていうか何故故って言葉キモ過ぎるだろ
なんだよ、何故で使っている言葉を故でも使うなよ…
……何にキレてるんだよ私は
そんな感じで悪態をついていると声を掛けられる
『そこのお嬢さん!』
まぁ、こういうのはガン無視以外の拒否方法ないよね~
『ちょっと…話しぐらいぃ』
そう言って男は私の腕を掴んだ
『うあ。わぁ…うわぁぁぁぁぁ!』
そして、発狂して走って行った
はぁ、私の事を無理やり止めなければこんな思いをしなくて済んだのになぁ…
今の私の体には相当量の混沌を薄い秩序が包んでいる
秩序で打ち消している為周りに害はないのだが、私に悪意を持って触れると話は別だ
本来、秩序は混沌を通さない
だが、一ミリ以下になると話は別だ
悪意を持ちながら触れると秩序の壁はすり抜け、中の大量で濃厚の混沌に触れる事になる
混沌は生き物に有害だが、その種類は様々
単純に病に侵されたり、腕を切ったような痛みを感じさせる事もあれば、精神的に恐ろしい光景を作り出すことも、思い出させる事も出来る
いいならば、とっても恐ろしい生物兵器だ
ちなみに今回は、触れた瞬間に発狂するようにした
無理やり声が出て、足が走り出す
特に物理精神共に苦痛は無いはずだが、正気に戻った後は疲れ果てているだろう
………両方の意味でね
実は部屋を抜け出してこうやって遊んでいることがそこそこあるという事は内緒だ
一回その……そういう場所付近に遊びに行ったら面倒くさかったので、あれ以降は行っていない
マジで面倒くさかった
あの日は何名の物が苦痛に顔をゆがませたのだろうか…
あの時は腹が立ちすぎてつい火力を上げてしまった
今となっては申し訳ないことを下と後悔している
ああいう場所は、需要と供給さえあれば他の者はいらないという事
逆に言えば、その場にいるということは需要側か供給側という訳だ
野次馬はやめておいた方がいいだろう
という訳で、山のようにいて、用事が無いが通らなければいけない道という者も居そうな、道を選んで散歩に行っている
さて、次はどんな奴が犠牲になるのかな…
そんな事を考えていると、少し先の方に見覚えのある美しい羽が見えた
頭の上には綺麗な金色の輪が存在している
天使…改め聖女様だ
何故このような場所に居るかという問題は置いておいて、とりあえず助けに行かなくては行けないかもしれない
何やら話しかけられている様だった
私は駆け足で現場に向かった
『やっほ~』
『そ、想!?』
『へ~。キミ想って言うんだぁ。可愛いね』
金髪で、耳に金属、ゴツゴツとしたピアスが付いている
サングラスをかけているが、だいぶ下がっており、半分目が見えている
はっきり言おう、とってもチャラい男だ
種族は、肌の装甲の感じ岩人か
ちなみに、初対面だが私はこいつの事が嫌いだ
私の事を初対面で可愛いと言ってくる男は信用ならん、嫌い
それにキミも嫌だ
なんか遊んでいるって雰囲気を感じられて、私は好みでは無い
勿論、ただの偏見だが……
結局、秩序と混沌の割合が見れるから、そこで判断すべきだね
ちなみにこいつは混沌72%
100は理性の無い犯罪者程なので、そこそこやばい奴だ
まぁ、生き物の100は、魔物と比べると山と塵ほどの差がある
つまり、混沌が100でも、体に影響は無いということだ
『すみませんが、私の女なんで…』
『いやいや。俺も混ぜてよ』
そう言って私の腕を掴んだ
彼女の腕も掴んでいたため、常套手段なのだろう
力でとどめておく
彼女だって払えたはずだが…
いかんせん優しすぎる
もっと、こうでなくっちゃ
『うあ。わぁ…うわぁぁぁぁぁ!』
『わぉ。全く同じ反応』
珍しいんだよ
叫びってそれぞれだから
『そ、その…何を』
『ああ。特に精神的にやったわけでは無いよ。ただ、少しばかり身体操作の主導権を握っただけ』
『君も君だよ?優しすぎる』
『そうですかね…』
『そうだよ。はぁ、ところで、何故此処に?』
『そうだ!行かなきゃ』
『行かなきゃってどこに?』
『えっと…とりあえず行きますね!』
『はぁ、ついて行くから』
『…助かります!』
そんな会話を交わして、私たちは走り始めた
どうもどうも
今、書く内容を思い出しました
危険が危ないって言葉好きなんですよ
二重表現って面白くないですか?
という訳で、私は二重表現を使っていきますから、時に気にせず読んでくださいね!
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は七月二十七日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




