72:可愛いく幼く、時に残虐
さぁ、時は流れ三月も後半
具体的に言えば五十一日である
残り五日で三月も終わり……
とても濃い一か月だったように思える
まぁ、実際濃かったのだろう
二か国の問題を解決して、長年の封印を解いて…
……まぁいろんな事をやった
そして今、三月が終わるのを待つことなく新たな国、ディモンイに飛び立とうとしている
現在、船にはアンと彩、私が座っており、他の三名は外でそれぞれ別れを告げている
長々と話す気持ちも分かるが、どうせ私の旅が終われば元の場所に帰ることになるだろう
だから、そこまで惜しむ別れでは無いのだが……
そういう事じゃないのだろう
私は物分かりがいいので何も言わずに調整していたのだが…
もうかれこれ二時間は話している
何ならアンと彩もさっきまで話していた
流石に調整するようなことは無い
…正直言葉を選ばずに言うと長くない?って言いたい
だが……あの雰囲気に水を差すというのも何か……
ね?
『はぁ………』
『何か言いたげだね?』
『…何も』
『その感じ、絶対に言いたいじゃん!』
『言いたくないって!』
『はいはい』
彩とアンが突っかかってくる
『いやさ、流石に水を差すのは悪いでしょ?だから言いはしないけど…』
『でも、そこまで急いでるわけではないでしょう?』
『そうなんだけどさぁ……』
ちょっと暇だ
『…空間に行って庭の調整してくるから。彩、終わったら教えて』
『わかった』
返事を聞いた瞬間、私は立ち上がり後部にあるガラス玉に手を翳す
すると辺りに光が…
この説明何回するんだ?
まぁ、ってなわけで空間に帰ってきた
そこは、華やかな庭が広がっていた
とりあえず、基礎は私の方で作り出した
後は、まぁ誰かやりたい者がって感じかなぁ
まぁ、位置とか変えるのは大変だから、やりたい者に庭改変の権限を与えよう
うん!そっちの方がいいはずだ!
我ながら完璧な考えだ
さて、それじゃあ庭を…アレ?
もしかして、権限を渡すんだったら今やっても無駄になるんじゃね?
…って事は、本当に私がやることないなぁ
ここでも暇になってしまった
どうするかなぁ…
まぁ、空中船内よりかはまだ暇つぶしできそうな気がする
呼ばれるまで呑気にのんびりとそしてごろごろとぉ…
『想来て』
『え?』
『もう出発するよ』
『はぁ…りょーかい』
…思った十倍早く呼ばれた
なんで私が考えて考えた末に移動したのにも関わらず、移動した瞬間にこうも事が動くのか
脳内で悪態を付きつつ、私は元の場所に戻る
辺りが…以下略
『はぁ…』
『その……すまん』
『ごめん』
『ごめんなさい』
『いいよいいよ。一時としても別れだからね。もう済んだ?』
『ああ』『うん』『はい』
三名は同時にそう答える
『それじゃあ、出発しようか。行き先は…』
『ディモンイ…ですよね?』
『あれ?言ってたっけ』
『いえ。彩様から聞きました』
『そうかそうか。なら共有することもなさそうだね。それじゃあ』
そう言いながら、私は操縦席に座る
『そろそろ、出発しようか』
そう言って、飛行船を起動させる
『出発だ!』
そう言って機体を飛行させる
やがて、そこそこの高度を取ったのを確認したのち、少しずつ前進し始める
一応、行こうと思えば今日中にディモンイの首都、ブディナに辿り着けるだろう
だが、私はゆっくりと一日半程かけて到着したい
っていうかのびのびと休憩してから国に辿り着きたい
という訳で、速度をそこそこの速度でとどめておいて、私は立ち上がる
『よし…それじゃあ』
振り返りみんなに話す
『空間に戻ろうか!』
そう言って、私はガラス球に……
だから、これさっきもやったな
という訳で空間に帰ってくる
すると、最初に目に入るのは庭よりも家だろう
こんな空間に家があるの、三名は驚くだろう
だが、前にこの空間に来ていた二名も驚くだろう
まず、この花畑
前回見たときからガラリと変わった為、アンは驚くだろう
そしてもう一つ
家を大きくした
これにより、各自そこそこの広さを持つ部屋がを持てるようになった
これに関しては、彩すらも知らない
なので驚いてくれると嬉しいのだ
その瞬間、向こうに残っていた五名がこっちの世界に来た
初めに口を開いたのはアシャだった
『ここって……この前の場所?』
『そう…』
『それにしては、何というか…』
『ギアナの言いたいことは分かる。だいぶ華やかになったな、想』
『そうだよ想ちゃん!前回より綺麗になっているし、それに…』
『家も大きくなっている。私への驚かし要素を作ったんだね』
よし、触れてほしいところは全部触れてもらった
ふっふっふっ…我満足なり!
そんな事を考えながら、みんなの質問に答える
『庭に関しては、天王の王宮と魔王の王宮を参考にしてとりあえず適当に配置した。庭の整備がしたいよ~って者に自由にいじれる権限をあげるから、言ってね』
『なるほど…』
『丁度いいんじゃない?ギアナ』
『そうだね』
『…?』
『今いいですか?』
『別にいいけど、どうしたのギアナ?』
『その、お庭の管理をしたくてですね…』
『それなら…ホイ』
そういって、彼女にこの庭の管理権限を与える
『これでどう?イメージしたら使えると思うけど…』
『では………』
そう言い、彼女は目を瞑る
そしてしばらくすると、彼女は目を見開いた
彼女の瞳は、今までより一掃光輝いていた
それはまあ、異常なほどに…
『うん。しっかりと渡せたみたいだね』
『なるほど……これは、とても楽しめそうです』
『よかったよかった』
彼女は笑みを浮かべていた
ところでだが、彼女は聖女なのに庭整備が好きなのか?
まぁ、聖女だからっていう固定観念も良く無いか……
『ところで、なんでこんな家が大きくなってるの?』
『まぁ、ここに来る奴増えたし…各部屋欲しくない?』
『いや、確かに欲しいとは思っていたけど…』
『私は気付かずにやったって事は、深夜?』
『そうだね』
『じゃあ、寝てないじゃん』
あ………やっべぇ、墓穴掘った
『ほほう。じゃあお前の最初にやることは寝るだな?』
『ええ、そうね』
アシャとレファは水を得た魚の様に、餌を撒かれた飢えた獣の様に食いついてくる
『はぁ……一日』
『は?』『へ?』
二名の声は全く同じ時に発された
『私の効率が落ちないで起きていられるのは七日間。今日は六日目だから残り一日は問題ない』
『一つ聞かせてくれ。お前、七日以上起きたことあるのか?』
『あるよ?』
『どうなったんだ?』
『……扉の開閉に苦労させられた』
『えぇ…』
『具体的に言えば、扉を引いて開かなかったという事実を理解するまでに数十秒かかって、その後押した』
『おお、重症』
『もしかして、あの時?』
『あの時とは』
あの日、彼女に会っっっっったわ
そうだったわ、ていうか彼女の目の前で寝落ちしたんだわ
『ほら、私の話を聞いている途中に可愛らしい寝息を立てて寝てた時だけど』
『おいまて、途中余計な言葉が挟まっている!』
『へ?私はただ事実を』
『こっちは寝てて記憶無いの!可愛らしいとかいう言葉、使わないでくれる?その言葉はもっと正しい相手が…』
『…はぁ?』
『おいまて、なんだその目は』
レファは何言ってんだこいつって目をしている
私はたまらず周りを見渡すが、何というか、みんな同じような視線を向けてくるのだ
『…あの、皆さん?その目をやめません?』
『少なくとも、貴女ほど可愛らしいという言葉が似合う者もなかなか…』
『待て待て待て待て待て。私は可愛いとは真逆の存在なんだぞ!腕がちぎれても簡単にくっつくし、主だしね?』
『想ちゃん、そういう事じゃなくってね。想ちゃんが可愛いって言われる由来は言動の方なの?』
『余計に分かんねぇよ!私口悪いし、行動も品性のひの字も無いし…』
『想。君さ、庭の計画を始めたときに、始める理由の中にみんなを驚かせるってあったよね』
『あったけど。それが?』
『幼いの』
『実際、年も幼いですしね』
…ん?
ナチュラルに私の年齢知ってね?
『ええ!ギアナちゃん、想の年知っているの?』
『お父様から聞きましたが、想はご存じで?』
『えっと、142歳か146歳のどっちか』
『…そこまで変わらなく無い?』
『言ってやるなアシャ。小っちゃい子の一年は大きいんだ』
…煽りは無視とする
『えっと、知りたいです?』
『まぁ、二択まで知れちゃったし?』
『146歳です』
『へぇ~~~』
『……やっぱり自分の事に興味なさすぎじゃない?種族の事も興味なかったし…』
『そういう物なんだよ。彩』
私は彼女にそう言い、家へと向かった
『…想ちゃんってだからあんなに弱かったんだ…』
『へ?どういう』
『えっとねぇ』
『聞こえてる!』
『あぁ…後でね?』
『それも聞こえているから!』
全く、私の醜態を嬉々として語らないでほしい…
どうもどうも
書き直した~いむ
ということで、現在私は、二国先の国の始めの話を書きました
という訳で、次の国は信じられない程短いのでよろしくお願いいたします!
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は七月十三日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




