70:会話
『…久しぶりに来ましたね』
『ああ。本当に』
考え深そうな声で呟く声を無視しながら、飛行船を進める
今回の目的地はの街中ではない
前回は自国の姫を連れて国に連れ帰ってきただけな為、別に問題は無かったのだが…
今回は全く反対だ
現在、仲が悪い国の国王と姫を連れてきているわけだ
首都のど真ん中に、許可を得ずに着陸とか、最悪、侵略だと思われてもおかしくないだろう
さらに言えば、そんな愚行を帳消しできるような恩も持ち合わせていない以上、交渉が進まなければ、こっちの責任だ
私は、責任だけは被りたくない
だからこそ、こうやってのんびりと旅をしているのだ
……今よくよく考えてみたら、全然のんびりじゃないし、何なら責任被ってね?
真に被りたくなければ、仲間なんて必要ない
何ならいらない
…はぁ、じゃあなんで私は仲間を作ったんだろぉ~
……よくよく考えてみたら私って最初っから仲間と一緒だったわ
理解理解
そんな適当な事を考えつつ、私は門の前に着陸する
そして、飛行船を消した
乗っていた者達は無事着地する
さて、問題はここからだ
以前私は彼女達にこういった
『ノーラスでの話し合いが終わり次第こっちに来る。とりあえず魔王軍本部に行くから』と
そう、魔王軍本部で待ち合わせなのだ
天王国の王と姫を連れて、ホンディメの中心部に位置する本部まで行かなければならない
…どうしようねぇ
『それじゃあ、行くとするか』
『ええ、お父様』
…は?
『想。行かないのですか?』
『へ?い、行くけど。なんでそんなに、堂々と…』
『そりゃ、許可を取っているからだが……まさか取ってないとでも?』
私は開いた口が塞がらなかった
そうじゃん
普通に考えて、他国に王が行くとき、許可取らない訳が無いわ
…え?
私って馬鹿なの?
『えっと、まさか許可取ってないとお思いで?』
『ハ、ハイ。ちょっと頭になかったというか…』
『…眠いんじゃ』
『いや、特に大丈夫なはずなんだけど』
『とりあえず寝ましょうね?』
『それは君の話だよ。交渉には出ないんでしょ?』
『はい。なのでアシャと合流した後、寝ようと思ております』
『それなら安心だねぇ』
『…なんだか、普段よりふわふわしてません?』
『気のせい気のせい』
そんな会話をしつつ、私達は門をくぐった
『えっと、寝た?』
『寝てないけど?そう言うアシャは?』
『仮眠はした。レファとアンはぐっすりだと眠っているよ』
『そうかい。それはよかった』
『それじゃあ、ギアナも送ってあげて』
『言われなくても』
そう言うと立ち上がり、ギアナに話しかける
『それじゃあ、行こうか』
『うん』
そう言って、彼女達は部屋を出た
扉が閉まるのを確認した私は、伸びをしてから立ち上がった
さて、とりあえずこの国での最後の大仕事の為に、扉を開く
すると、壁に寄りかかる国王の姿があった
『どうだった?』
『大成功だ。国境封鎖を解除して、以前と同じ関係性に戻った』
『それならよかった。じゃあ、私はこれで』
『ああ。そっちも頑張ってくれよ』
『了解』
そう返して、私は廊下を歩く
すると、大きな広場と、大きな扉が現れた
私は迷わず、大きな扉の前に立つ
すると、ゆっくりと扉が開き始める
やがて扉が開ききると、奥にいる者が話しかけてくる
『君が想か。アシャとヴァラから聞いているよ。私の名前はルカガ・レフーメ。この国の女王だ!よろしくな!』
『は、はぁ。よろしく、お願いします?』
『ははは!敬語は不要だ』
『え、えっと…』
『ランの事か?』
『そう、だね』
ランというのは、この国の王の名前だ
『ランは久しぶりに会った親友と呑むために、部屋から酒を引っ張り出して来ている所でね、アシャを連れ出すことは許可するからと、伝言を頼まれた』
…えぇ
『わかる。わかるよぉ~そんなに軽くって思っているでしょ。私もそう言ったんだけど…』
『うちは兵一名一名の自由にして欲しい!』
『って言われてねぇ』
『こっちとしては、ありがたいのですが…そちらは?』
『安心して。こっちにも強い者は沢山いるから!』
『ま、まぁ、それなら』
という訳で、あまりにも楽に終わってしまった
『そうだ!これからお茶会しない?一杯だけでいいから!ね?』
『…わかった。いいよ』
『よっしゃ!じゃあ、こっち!』
彼女がそう言うと、私の元まで駆け寄り、私の腕を引いて庭まで連れていかれた
『う~ん。いいねぇ』
『そうだねぇ』
今、私達は先ほどとは比べ物にならない程、中身のない会話をしていた
『…そういえば、想って旅しているの?』
『まぁ、そうだね。自由に旅しているよ。そこまで多くの国には行ってないけどもね』
『そう。それじゃあ、鬼桜に行ったら、会ってみてほしい者が居てね』
『ほう。それは誰?』
『ギルドのトップ。昔の私の相棒だよ』
『相棒…』
『そう。いい奴だから、仲良くしてね?』
『勿論するつもりだけど…』
『会ってほしい理由?』
『まぁ、そうだね』
そう聞くと、彼女はゆっくり語り始めた
『元々、私達は全世界のギルドで名をはせるほど有名なコンビだったんだよ。でも、ある日彼に既に声が掛かった。ギルドの役員にならないかっていうお誘い。彼の昔からの夢だったのは知っていた。だから彼の夢を応援しつつ、私も夢を別の方法で追いかける事にした。私は軍隊に入隊し、そこで強さを追い求めた……気が付いたら、このような立場まで来ていたって訳だ』
『なんだか、随分物語の様な話だね?』
『私もそう思う。信じる?』
『まぁ。急に自分の体験談ですよ~みたいな話聞かされて、実は私が書いた小説の内容でしたぁ~ベロベロバァ~なんて言うとは思っていないけど…』
『…私のイメージどんなことになってるの?』
『さぁ?会って間もないし、すごい強い者ってぐらいのイメージしかないけど…』
『じゃあ、その面倒くさい性格は何処から来たの?』
『…何となく?』
『えぇ…』
えっと、一応私が思う性格の悪い…
言葉を選ばないのならウザイ奴の言い方をしただけなのだが…
まぁ、説明も面倒くさいからいいか
『それで、会ってくれる?』
『安心してくれ。元々、鬼桜には行くつもりだったんだ。その目的もギルド関係だから、会いに行けるさ』
『そっか。良かった良かった』
『…なんでそんなに会ってほしそうなの?』
『いや、あいつって口下手で他の者と関わるのが苦手だったから、どうしているのかなぁ~っていうのと、単純に元気してるかなぁ~っていう感じ』
『ほう』
…何とも軽い感覚なのだろう
とても、一国の女王から発された言葉とは思えない
まぁ、おそらくだが彼女も女王という立場では話していないのだろう
彼女は客に旧友の話をしている気分なのだろう
『そうだ。想って寝てないんだろ?そろそろ寝た方がいいと思う』
『そうかい?』
『ええ。という事でお茶会はお開きにしましょう。ゆっくりと眠っておいで』
『それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらおう』
そう返して、私は席を立ち、来た道を戻る
『送迎は不要?』
『ああ。それじゃあ』
彼女に一時的な別れを告げるために手を振りながら歩く
さて、少しばかり能力で遊んだ後に休むとしようか
そんな考えの元、私は扉を引く
…へ?
扉はビクともしない
………ああ
理解するのに、多少時間が掛かってしまった
そうして、私は扉を押す
すると、先ほどの四分の一程の力で空いてしまった
…私は、寝る事で回復できるのは、体力だけだと思っていた
なるほどぉ、思考をまとめられるのか
これは、寝た方が効率が上がることもあるだろう
……今後、一週間寝ないことがあれば寝るようにしよう
そちらの方が効率がいい
うむ、やはり失敗はするものだな!
そんな適当な事を考えながら、私は応接室で待つであろうアシャの元へ行くのだった
どうもどうも
タイトルが怖い!
いやですね、この前タイトル被りかけたんですよ
そりゃあ70話も書いたら、同じ奴が考えるタイトルなんて、語彙が同じなんだよ!
……会話って単純すぎて被って無いか心配ですね
調べるのは面倒くさいです
そう言えば私、Googleドキュメントで一度打ってからコピペしているんですよ
ということで、ドキュメントの枚数制限に近づいてきました
皆さんご存じですか?
最大枚数は100枚なんですよ
……この話まだまだ前半なんで、よろしくお願いいたしますね?
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は七月九日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




