68:二度目の王宮
…えっと、一応聞き直して見よう
『……い、一応もう一回聞いてもいい?』
きっと私の聞き間違いだ
そう、きっと間違い…
『何度でも言いますよ。わたくし達を旅に連れて行ってくださいませんか?』
聞き間違えじゃなかった!
『あぁ~~~~~』
思わず何も考えずに言葉でもない声が漏れた
『おお。想が壊れた』
『ただでさえレファので面倒くさがっていたからねぇ。あたしの時もしっかり頑張ってくれたみたいだし…』
…そうだ!
『あぁ~~~~アシャの方って魔人軍みたいに三秒で抜けれるって無い?』
『無いね』
『は˝ぁ˝ぁ˝ぁ˝ぁ˝ぁ˝ぁ˝ぁ˝ぁ˝』
『わぉ』
めんどくせぇ…
はぁ…
いやね、連れて行くのは別に楽しいし、大賛成なんだよ
でもね?そこまでこぎつけるのが面倒くさいんだ
だって、これまで仲間にした者って、大将と王族直属部隊隊長なんだよ
そんな者を引き抜く訳だから、それはまあ凄い者と関わらなければならないわけで…
アンは女王、レファは陸軍のトップと話した訳だ
そして、今回引き抜く相手は姫様と魔王の右腕だ
おそらくだが、姫と四天王のトップは、大将よりも大変だと思う
レファの時は本来同じぐらい大変だったと思うが、軍の習わしの様な物のお陰で何とか楽になったのだ
じゃあ今回はどうかって?
片方は特に無いらしく、もう片方はそもそも軍じゃない
更に言えば、両国に彼女らを引き抜ける様な恩も持ち合わせていない
さぁ、どうしようか…
『えっと、どちらから説得に行かれます?』
『どっちもどっちじゃない?』
そういうと、アシャが口を開いた
『えっと、まだギアナの方が可能性はあると思う』
『ほう、そらまたなんで?』
そう聞くと、彼女は冷静に答える
「ギアナの方は上司じゃなく親だから、引き留められはするが、優しい彼女の両親はギアナの意思優先になると思う。それに…』
そう言うと、彩の方を見る
『なるほどね。つまり私は、強奪を説得させてこっちを信頼させるって事ね』
『そう言う事だ』
なるほどねぇ…
言っている事だけ聞けば何とかなりそうだ
『それに、あたしと彩は美徳三名、第二王女には信頼されていると思う!』
『なるほどねぇ。それじゃあ 行くかぁ。天王国ノーラス。三名とも、異論は?』
『無いよ!』
『無い』
『逆にあると思う?』
『りょーかい』
そう言って私は能力を使用する
作る物は一択
そう、飛行船だ
私は扉を開き、縁に手を掛ける
その体勢のまま、私は振り返り腕を伸ばし、言葉を話す
『さぁ、ギアナ乗りな』
私の手を取り、彼女は船内に入ってくる
船内を見渡すと、既に彩が自分の席に座っている
『さぁ、好きな場所座って』
『あ、ありがとうございます』
そう言うと、彼女は黄色の椅子へと座る
そこは私が彼女の事を考えて作った椅子だった
『さて、準備は出来た?出来てなかったら教えて』
『私は問題無し』
『同じくです』
そんな言葉を確認した私は、船の外へ顔を出し、他の三名に伝える
『ノーラスでの話し合いが終わり次第こっちに来る。とりあえず魔王軍本部に行くから』
『了解!』
返事を聞いて私は扉を閉め、席へと座る
そして飛行船を起動した
すると、金属の壁が変わっていく
やがてすべてが透明化し、金属の塊が飛行船へと変わった
『さて、そこそこ速度出すから気を付けて!』
そう言った瞬間、私はレバーを一気に倒す
速度を示すメーターは、百二十を差している
百二十、それはこの飛行船の最高速度だ
まぁ、一気に傾けたからと言って急にマックスまで行くという事ではないのだけれどね
それまでにスガロにある王宮方向へ調整しつつも、高度を高めていく
長い一日になると思っていたが、どうやら長い長い一日になりそうだ
出発から数十分、場所はスガロ、王宮目前の空中で停止している
あまり目立たないように、機体は透明化させている
私は立ち上がり、扉を開ける
『さぁ、飛び降りようか』
『え!その、この機体は…』
『これは能力で出来ているから簡単に消せる』
『なるほど。それでは』
『ああ』
そう返すと、ギアナの方が先に飛び降りた
…意外と躊躇ないな
そう感じるが、翼を持つ種族にとっての飛行は、地上を歩く種族にとっての走る事と何ら変わりない
そう考えてみると納得ではある
まぁ、私は全然怖いけどね
痛みとかは無いとはいえ、野生の本能みたいな?
だが、私がそううだうだと言っていられないのも事実な為、扉の前に立つ
『それじゃあ、頼んだ』
彩はそう言うと武器へと姿を変え、倒れようとする
それを逃さず、私はしっかりと掴み、背中に掛ける
この感覚、とても久しぶりな気がする
言うて数日しか経っていないはずだがそれでも懐かしく感じる
そんな感覚を味わいつつも、私は空へ一歩足を踏み出し、飛行船を消す
すると、必然的に私は空中に放り出された
私は……
あれ?
私の目的は着地する事
羽を開こうとしていたが、必要ないのでは?
まぁ、じゃあいいか
そんな事を考えながら私は落下し続ける
先に飛び降りたという事で、下にはギアナがおり、こちらを見ている
さて、そろそろ地上だ
この速度のままでは道を傷つけてしまう
だが、私までくるとふわっと着地することが出来るのだ
私は、空中で体勢を変える
足を地面に向けて着地の準備をして、ふわっと着地をした
『…!』
彼女の目の前に着地したのもあり、彼女は相当驚いている様だった
『…ど、どうやって、そんな着地を?』
『そんなの簡単だよ。均衡の力』
『ああ』
彼女は納得したように言葉を放つ
『さぁ、切り替えて王宮に行こうか』
『待ってください。流石に何か食べたほうが…』
そう聞いて、時刻を確認する
集まった時間は午前一時、現在は午前八時だ
…え?そんなに戦っていたの?
『まぁ、そうだね。私は規則正しい生活していないせいでお腹は空いていないし、眠くないけれど、君はそうも行かないか』
『はい。えっと、どうします?』
『え~~~っと、どうしようね?何か宛はある?』
『王宮でご飯食べるとかいかがでしょう?』
『まぁ君がいいならそれでいいよ。それじゃあ私は適当な場所で…』
『いえ。想にも来てもらいますから』
『…え?私が行ってもまだやることない…』
『それでもです』
『ハイ』
私はそう返事をする
彼女は王宮に向かって歩いて行くので、私はついて行く事にした
っていうかついて行く以外出来ないのが本音だ
別に王宮の間取りとか知らないし
一回も入った事無いし…
という事で、私は大人しくついて行くしかないのだ
『想。緊張していますか?』
そんな事を長々と考えていたら、ギアナから声がかかった
『いやぁ?私は世界樹内に入っているもん!』
『ふふ。なら安心ですね』
目の前には扉がある
いつの間にか、長い道を歩ききっていたようだ
そして、彼女は扉を開き、こちらに振り返って話す
『どうぞ』
『え?』
『先に入って』
『わ、わかった』
私はは彼女の言う通りにする
そして、私が入ると彼女も後から入って扉を閉める
『よし。これで逃げられませんね』
『え?』
なんかすごいお姫様から聞かなさそうな言葉聞こえた気がするなぁ
…よし、気のせいという事にしておこう
そっちの方がいい気がする
私がそんな事を考えているうちに、ギアナは私の前まで歩いていた
私は、慌てて彼女を追いかける
『あら、おかえりなさい。予定より早いようね』
そんな声が上から聞こえてくる
少しばかり見上げると階段を上った先にその言葉の主が居た
『お母様。おはようございます』
『ええ、おはよう。それで、その子は?』
『わたくしの主にしたい者です』
『えぇ!?』
思わずそんな声が漏れる
いや、一緒に旅するだけの予定で、眷属にしようとは…
『ほう。私の娘を…』
彼女は私の顔を見ると言葉が詰まる
『……お母様?』
『貴女、お名前を伺っても?』
『想と申します』
『想……それは本名かしら?』
『えっと、記憶を失ってまして、自分で名付けた名前です』
『…そう。種族は分かっているの?』
『それも…』
『無いのね』
『はい』
『そう……それで、主っていうのは』
『そ、それは…』
『お母様!』
会話の途中、ギアナが口を挟んだ
『すみませんが、少々食事を挟んでも?』
『…!ごめんなさい、忘れていたわ。どうぞ、ゆっくり食べてきてちょうだい?』
『では、お言葉に甘えて』
私はそう返事を返して彼女とこの場を後にした
どうもどうも
皆さんキリル文字ってご存じでしょうか
えっと…ф ж э ы ю д ё
これの事なんですよ
今それっぽい文字を上げただけで特に意味なんて無いはずなんですけど
これで意味が出来ていたらそれは奇跡だと思ってください
それでですね、これをパソコンで打とうと思った時激やばなんですよ
なにせ場所が分からない
だって а これってaに見えますけど、キーボードではFキーなんですよ!
凄い、分かりにくいですね!
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は七月五日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




