62:チョロい
『どう?』
『まさか、こんな早く作れちゃうなんて…』
彼女は衝撃を受けながらも私の作った物を身に着ける
『いやぁ~。もう魔力すっからかんだよぉ』
『そこまで使ってたの!ごめん…』
『私がやりたくてやったんだから問題ない!』
『そっか…とりあえず、ゆっくり休んでよね』
『あぁ~~そんな暇無いかも』
『そんなに忙しいの?』
『えっと、これから分かると思う』
私がそう言った瞬間に部屋にノックが響いた
『…?どうぞ』
そう彼女が返事をすると、扉が開きアシャが現れた
『ここに居たか…』
彼女は少し疲れた様子だった
『あぁ~探した?』
『勿論!はぁ、せめて応接室に置手紙か何かして』
『えっと、まあいろいろあって最終的にここに来たから難しかったかも…』
『なるほどねぇ…』
そう、ここはヴァラの自室である
出会って一日の相手を自室に招くっていうのはどうなのかって言ったが、普通にガン無視された
何なら腕引っ張られて部屋に入らされた
割としっかり強引である
『想。しっかり説得は出来たよ』
『本当にありがとう。はぁ、ここからは忙しくなるぞぉ…』
『想はまず寝るところからでしょ』
『それは君達だろう?』
『…私達はこれから寝るが?』
『ならよし』
私が上手く逃れると、ヴァラが話しかけてくる
『でもさ。さっき想ちゃんが魔力すっからかんって話してたよね』
『よし、寝ろ。流石の想でも魔力の回復効率的には寝た方がいいだろ』
『えっと、特に変わらないよ。私なんか一般の奴らより魔力回復速度遅いみたい』
ついこの前気が付いた事だった
何かみんなの魔力回復早いなって思っていたら私が割と遅いらしい
まあ、勇逸の弱点ということにしておこう
という事で、魔力カツカツまで使わない…
と決めていたのだが、完全に忘れていた
『まあ、半日あれば完全回復するし問題ないよ』
『それでもだよ。ちゃんと寝よ?』
『大丈夫だよ、私は寝なくていいの』
私は椅子に座りながら彼女に言う
『…なんか腑に落ちないなぁ』
『まあまあ。そんな事より、私がヴァラに説明しておくからアシャは寝なよ』
『…分かった』
彼女はそう言うと扉を閉める
現在は夕方、あの作戦に参加したメンバーはそりゃあ眠いだろう
まあ、幸いあと二日ある
今ぐらいはゆっくり休んでほしい
『さて、今から二日後にとある計画をを予定していてね。君も参加することになると思うから、説明するね』
『分かった!』
彼女は元気に返事を返してきた
『ってな感じだけど…』
『だいぶ大掛かりな事になりそうだね』
『そうだね』
『…もしかして、わたくしの武器を急いで作った理由って』
『それは単純に趣味。全然関係なく好きでやった』
『あっ。そうなんだ』
彼女は納得するように頭を上下に振る
『それじゃあ、これからこれのテストを…』
『とりあえず休憩しようね』
『へ?いや、でも早めに調整を…』
『や・す・も・う・ね?』
『……ハイ』
彼女の圧に屈指るしかなかった
『それじゃあ…ほら』
彼女はベットに座り彼女の隣を手のひらで叩く
『…へ?』
『いや、ほら。ここ座って』
『ハ、ハイ』
大人しく従い、彼女の隣に座る
すると彼女は私の後ろから抱きしめてくる
…こいつ何してんだ?
私がそう考えた瞬間、彼女が羽を出し私を包んだ
『えっと…本当に何を?』
そう聞くと、私の耳元で囁くように話される
『私の種族は闇龍。一応羽に包まれている間は魔力回復量二倍っていう力があるんだけど…どう?』
それを聞いて私は魔力量を確認する
すると、二倍ぐらいの速度で上がっていく
『うん。上がっているみたい』
『よかった……それじゃあしばらく』
『いやいや。羽で包んでいるのって大変じゃ無いの?』
『別にそんなことないから、気にしないで』
彼女はそう言いながら私を抱きしめる
…え?
私達六時間このままなの?
正確な時間が分からないけど深夜近い時間になる
それまでこのまま?
会話できるとは言え暇だ
『…えっと、ヴァラ?』
『どうした?』
『いや、流石に暇じゃない?』
『私はそんなことないよ。想ちゃんの匂いを堪能しているだけで六時間は余裕…』
『えぇ…何かそわそわするからやめて』
『やだ。想ちゃんだっていい匂いは嗅いで痛いでしょ?』
『…仕方がないなぁ』
私がそう言うと、彼女は私を抱きしめる力を強めた
『急にどした?』
そう聞くと、彼女はゆっくり話す
『悪い奴に騙されないようにね…』
『みんななんでそんなに心配するのさ!』
会う者会う者みんな言ってくる
『だってチョロいから』
『チ、チョロい!?』
この、私がぁ!
『何言うのさ!』
『いや、考えてみて。初めましての奴の変態発言を『仕方ないなぁ~』で済ましたんだよ?普通に考えてチョロいでしょ』
『そんなこと言うんだったら君もだよ。初めて会った日に部屋に無理やり連れ込むのは、だいぶチョロい』
『私は君の情報を知っていて、尚且つアシャから更に情報を受け取っていたから。想ちゃんは特にないでしょ?』
『……ハイ』
『だからチョロいって言っているの。本当に騙されない?』
『大丈夫だよ。私は相手の性格を何となく分かる力を持っているからね』
『…それって』
『世の中には知らない方がいい事もあるよ。……君はどうする?』
『ふふ、やめておくよ。私は無理に秘密を聞こうとはしないからね~』
『うむ、いい判断だ』
『どこから目線さ?』
『主から目線』
『それはまた、大層なところからだねぇ~』
彼女の口ぶり的に信じてはいないようだ
まあ、こんな奴が主だって言われても信用する方が難しい気がする
幸い、まだ知られていないならのほほんとと過ごせる
はぁ…平和でいいねぇ
『ふふ。想ちゃんは可愛いねぇ』
そんな事を言いながら、私の頬を指で突く
『何してるのさ』
私がそう聞いても彼女の指は止まらない
『ちょっと?』
『フニフニで可愛ぃ』
こいつもしかして可愛いのに目が無いタイプか?
『ふふ…』
ふぅ~
後数時間、このままなのか
まぁ、こういう日もいいかぁ
そんなことを考えながら、至る所を堪能される時間を過ごした
『おはよう』
私は起きた彼女に言う
現在朝。時間は分からない
この時間に時計を作れてしまった
設計図を作っても尚、魔力はマックスである
事は遡り数時間前、六時間立つ寸前で彼女が寝てしまった
まあ起こすのも悪いと思い、私も作業を始めた
それで時計が出来たのが今から日が昇ったころ
時計を合わせようにも標準時間が分からないから結局分からなかった
ということで現在、彼女が起きたので話しかけたという訳だ
『んぅ…おはよぅ』
『その姿勢で辛くなかった?』
『抱き枕ふわふわぁ~』
ほう、私を抱き枕呼ばわりか
…いや抱き枕で合っているかも?
彼女は私の髪の毛に顔を擦ってくる
『んぅ……いい匂いする~』
『そうかい』
彼女は寝ぼけてても尚私を堪能しているようだ
昨日五時間半程堪能したのにも関わらずだ
『んぅ………ん?』
おや?
『あれ?ようやく脳が起きた?』
『おはよう。直ぐ離れるね?』
『別に君が楽しみたかったらいいんだけど…』
『…やっぱりチョロい』
『だから、私は信頼しているの!』
『その信頼が早いんだよなぁ…』
彼女はそう言いながらな腕を戻し、羽を仕舞う
『はい。これで自由だよ』
『ありがとぅ…』
そう言いながら伸びをする
『それじゃあ、お昼食べた後にテストする予定で』
『了解』
私がそう返事をすると彼女は部屋を出る
…にしても距離感バグってたなぁ
そう感じつつ、私は彼女の為に作った武器を見る
…やっぱりこういうのって好きだな
よし、今度自分用の物でも作ろうかな!
そう決意しつつ、私は彼女のベットを整えてから椅子に座る
ティーカップを出して、紅茶を入れた
紅茶に引きを吹きかけてから飲む
………熱い
どうもどうも
ということで六月後半の私です
この前、投稿する前は後書きを見ているって話をしたと思うんですよ
それでですね、たった今見てきたんですよ
そしたら、暑い中とか話してたんですけど、見事に言葉抜けてたんですね
何か本当に暑い中だったんだなって感じました
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は六月二十三日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




