59:やはり化け物
『はいはい』
そう言って彩との会話を終わる
おそらくだが、外は明るくなり始めている事だろう
地下だから、実際はどれぐらい明るいかは不明だ
現在、私は本拠地の外で彼女と話をしていた
あの後、私は彼女達を解放し、レファ達を待った
先にアシャや怠惰、快楽達と合流した
アシャには剣の事を根掘り葉掘り聞かれて。少し疲れた
その後、魔人軍の者達がやってきた
アシャのすすめで刀を隠しながら現場から抜けて来た
アシャ曰く
『現場の物はどんな物であろうと持ち出せない決まりになっている。堂々と持ち出すことは出来ない』
と言っていた
ということで、新しく作った倉庫の為の空間に放り込んでおいた
これで、傷つくことも無い
ところで、今回回収した戦利品何だが…
結局めぼしい物は無く、成果は刀一本のみ
さらに言えば、この刀は返却するつもりだから、今回の物としての成果はゼロとも言える
まあ、吸血鬼国からの信頼は貰えるだろうし、良しとする
そんな事を考えながら伸びをする
今回は個々が活躍していたが、私の規模感が割と大きかった
それ故に多少疲れたのだが、どうやらここから彩達と合流するようだった
…間に合うかなぁ
そんな事を考えていると、少し離れたところから声を掛けられた
『想!こっちだ』
声の方向を見ると、私が作ったクレーターの底でレファが目立つように手を上げていた
周りにはアシャ、怠惰、快楽も居る
『了解!』
そんな返しをしながら、勢いよく跳び、みんなの目の前に綺麗に着地する
『よし。全員集まったな』
レファがそう話し始めた
『今回は助かった。本当に感謝している。この恩は』
『そのことなんだが、これから行うことで手を打ってくれないか?』
レファの言葉にアシャが割り込んで話す
『…?説明を』
『そうだよ!私知らない!』
『僕もだ』
すると、アシャがこちらに目配せしてくる
多分だが、お前が話せということだろう
『悪いけど、相当な事でね。怠惰と快楽は巻き込めない』
『でも、アシャは知っているんでしょ!?』
『そうだね。まあ元はと言えばアシャからのお願いだったし。まあということで、引きさがってくれるとありがたい。君達も観光しておいで』
私はそう言いながらお金を渡す
『………分かった』
二名は少し不満げに街の方へ向かっていった
『…さて、レファは本当に私に付いてくるの?』
『ああ。覚悟は出来てる』
『…はぁ。また大変な者を引き抜く努力をしなければならないのか……』
『…また?』
レファが不思議そうに聞いてくる
『私の初めの仲間はアン・オルア。イリスの元大将だ。あの時は問題を解決したから何とかなったけど…』
『まあ、頑張ってくれ!』
『はぁ…お前の事なのに軽く言うな』
私は悪態を付きながら、ジャンプをしてクレーターから抜け出す
『ついてきて。合流予定地まで案内する』
私がそう言うと、二名とも同じように跳んで来た
『想。もう合流計画は始まっていたのか?』
『正確に言うと、これから』
『なるほど』
彼女のテンションが少し上がったように見えた
『ここ』
私はそう言いながら、止まる
都市の外れ辺り、周りには誰もおらず、滅多に来る者も居なさそうだ
っていうかここに来るような奴はロクなのが居ないだろう
ここは以前計画されていたスガロとアラーディを繋ぐトンネルだ
だが、その計画は失敗に終わり、今では巨大な大穴が残っており、犯罪者の巣窟になっていると言われている
合流の為にここを選んだ理由はただ一つ、どの軍もここには入りたがらない
だから、途中で国に妨害される可能性が限りなく零だからだ
それに、迷いさえしなければこちらの方が断然早い
だからこっちの道が選ばれたって訳だ
……こっから数時間待機か
私は椅子三名分椅子を作り出し、それぞれの足元に生やす
『座って。ここからはだいぶ待つことになるよ』
『了解』
『感謝する』
そう言って二名は座った
『それで、計画っていうのは?』
レファがそう聞いてきた
私はアシャの方を見る
さあ君が説明するんだと言わんばかりに彼女の顔を見るが、一つ想定外の出来事が起きている
アシャも、説明してという顔をしてこちらを見ていた
…どちらが折れるか
………
『…なんでそこまで押し付け合ってんだ?』
レファが言葉を発する
ごもっともである
仕方がない、私が折れるとしよう
『はぁ…レファ、今のノーラスとフボディーナの関係は知っているか?』
『ああ。最悪な関係性だろ?』
『そうだ。そして、アシャはその関係を戻そうとしている』
『なるほどな。協力者は?』
『想』
アシャが口を挟む
おそらく、完全に信頼しきっていないのだろう
まあ急に出会った奴に全部話すというのもおかしな話だ
『安心してよ。こいつがどっかにバラしたら混沌を一生入れ続けて崩壊させるから』
『おいまて。やってる事怖すぎるだろ』
『別にいいだろ。それぐらい信頼しているって事で』
『…なんで想はそこまでレファさんを信用しているの?』
『それに関しては同感だ。俺がついて行きたいって言った時も拒んだ理由は魔人軍側だった。お前の異常な信頼はどこから来たんだ?』
『どこからって…初めから?私はお前の事優しい奴で悪人には向いていないって思っていたし、そもそも約束してたし…』
『お前、それだけで信頼したのかよ。気を付けろよ?』
『もうその言葉は聞き飽きた。心配してくる奴は大体信用していい。後ついでにその者の性格何となく読めるようになってきた』
『それはどうして?』
アシャが聞いてくる
『あのね。生物の性格ってどうやら均衡で成り立っているっぽくてね。超微量の混沌と秩序を可視化できるようになっちゃったんよ。大体、混沌が多ければ荒っぽく、秩序が多ければ大人しいみたいな感じで何となく分かるようになってね。それで改めて見たっていうのもある』
『なるほどなぁ…なんとまあ強い力だな』
『まあ根源的主ってそんなもんじゃない?』
『そう…か』
アシャは少し不満そうに納得した
『それで…なんの話だったっけ?』
『止めてごめん。ノーラスの方に居る協力者の話』
『ああ!止める事は問題ない。念には念を入れておくのは大切だからね』
アシャへのフォローをしつつ、レファ視線を向けて話し始める
『向こうには、私の仲間であるアンと彩、そして第一聖女である姫さんが協力者だ』
『アンっていうのは、さっき言っていた者だな。第一聖女はギアナ嬢であっているか?』
『うん。その認識で問題ないよ』
私がそう返すと、レファがとても複雑そうな顔になった
『そうか。まずいろいろと言いたいことはあるが、いったん置いておいて、彩って誰だ?』
『ああ、言っていなかったか。彩っていうのは私の武器』
『…武器?』
『ああ、九つの聖剣の一振り。裁断のバトルアックスだ』
レファの表情は複雑そうな顔から困惑の表情へと変わっていた
『えっと…名前を付けているのか』
『そっちの方が呼びやすいしね。彩自身も気に入っているみたいだし、いいんじゃない??』
『ま、まあ、そうか。うん、ああ』
自分に言い聞かせるように言葉を発している
まあ、私だって何も知らない状態で言われたらこんな反応にもなる
だって、伝説上の武器が名前付けられて呼ばれているだけで特殊なのに、彩自身も気に入っているときた
そりゃあそうとう困惑するだろう
そんな考察をしていると、アシャが話しかけてくる
『ところで、その能力ってどれぐらいの事出来るの?』
『えっと、好きな場所、好きな量、好きな物を作れるって感じ。レア度が高い物を使うのなら素材が必要だけど、普通の金属で作る武器ぐらいだったら簡単に作れるよ』
『…やってること化け物』
『えぇ…私は能力を活用しているだけなんだけど』
『よくよく考えてみたら、あの混沌の槍って禍々しいよな』
『はぁ?そんな事ないでしょ』
『混沌の槍って、所々突き刺さってたアレ?』
『そうだ。あれは禍々しいだろ?』
『えぇ。禍々しい』
…ニ対一かぁ
どうもどうも
眠すぎて夕方に書いちゃった
毎回深夜なんですけど、今回だけは眠くて夕方に書き終わっちゃいました
後はいろいろ遊びます
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は六月十六日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




