57:国宝
『ボス!』
レファがそう言った瞬間、目の前が爆発する
そして、戦いの火蓋が切られた
とりあえず、私は眺める
アイツは一対一が好きそうだから、私は眺めるしかないのだ
まあ、何とかなるだろう
そうして、気が散らない程度に部屋に入る
この部屋には椅子しか無い割に無駄に広い
ダンジョンのボス部屋みたいな雰囲気だ
私は興味本位で椅子に近づく
椅子の奥はガラス張りで大量のロボットにコードが繋がっている
おそらく充電中、つまり全然こっちの妨害の可能性が残っているわけだ
なるほどね
そんなことを考えながらガラスに手を付ける
均衡は好きな時、好きな場所に使える
ガラスの中に混沌を充満させておく
……もしかして秩序使えばこっちの駒として使えたのでは?
だがもう後の祭り
ガラスのは混沌で満ちており、紫色の霧で覆われている
混沌は抜けるだろうが、面倒くさい
時間が無いとかではなく、面倒くさいのだ
さて、向こうはどうなっているかな?
そんな事を考えながら振り返る
すると、寸分で爆発が起きた
爆発の光が収まり辺りを見渡す
爆発で辺りがボコボコだった
そしてレファの先には男が一名そして…
そいつを囲むように少女が複数名居る
目はうつろで生きている感じがしない
そして、みんな共通で首に縫い目の様な何かある
私はレファの元に駆け寄り、話しかける
『どういう状況?』
『アイツが召喚した奴らが囲んでまともに攻撃仕掛けられん』
『あの子達は?』
『分からん。魔法陣で召喚していたから魔物かと思ったんだがな…』
『あの感じは魔物じゃないね』
『ちょっと。お話し中?そこのかわい子ちゃ』
『うるせぇ』
私はそう返して混沌の槍を地面から生やし天井に叩きつける
『お…おお。容赦ないな』
『ああいう奴はまともに話すだけ無駄だ』
そうやって話していると、上の男が話してくる
『おい!僕をそうやって攻撃してもいいが、女の子達がどうなってもいいのかな!』
そうやけにねっとり言ってくると、女の子が一名、血を流しながら苦しみ始めて倒れた
『ほう』
『なるほどねぇ…』
『なんでお前らそんなに冷静何だよ!』
いや想像つくからだろ
大体、ダメージを交換するみたいな力なんだろうなぁ…
『想。お前アイツとアイツら切り離せるか?』
『…出来なくは無いと思うけど』
そう言いながら鑑定を使う
すると衝撃的な文字が出て来た
『レファ、あの剣壊せ。そしたら安全に救助出来る』
『なるほど。あの剣の仕業だったか』
『ああ。あの剣、相当クソみたいな性能している』
『ほう?詳しく頼めるか』
『勿論。あの剣、あれで殺した者を奴隷として復活させているらしい。剣を破壊したら戻るぞ』
『…生と死の主への冒涜じゃねえか?』
『あの剣、吸血鬼国の国宝だったはず…確か盗まれていたから…』
『おい待て。国宝壊すのか?』
『…確かに?』
私達は共に考え始める
なんか上から声が聞こえて来た気がするが……おそらく、多分、きっと気のせいだろう
上に張り付けた奴なんて知らない知らない!
『で?どうするよ』
『う~ん。最悪壊して救助の為って理由で話す』
『それは最終手段だろ。壊さずに返還した方が恩が出来る』
『お前は損得勘定でしか動かないのか?』
『そんなことないが…』
『はっ。知ってる』
『お前怖ぁ…』
『何でさ。別に脊髄で話しているだけだろ』
『大事な作戦会議を何故そんな適当に…』
『いや、壊せばいいって言ったけど。それは一番手っ取り早い方法だっただけで、奪って奴隷を解放すれば戻るから』
『それを先に言えよ!』
『…一理ある』
『理解したなら良し』
『じゃあレファは奪って。私は女の子達引きつけておくから』
『了解』
そう言うと、レファは飛び、男の腕に掴む
私は男を拘束していた混沌を消して、女の子達に近づいて行く
そして、彼女達に混沌を掛ける
この混沌は相手の闘争心を高める
つまり、こちらに襲いかかってくるって訳だ
その瞬間、彼女達はさっきまでのような生きている感じがしない動きではなく、機敏に動き始めた
殺さず、後遺症を残さず、戦うっていうのは難しい
『さあ、こちらも戦い始めようか』
そう言葉を発すると、彼女たちは襲いかかってきた
だが、どこかで見たような動き
二足歩行のロボットの様な動きだ
これなら一度見たから問題ない
だが、少しばかり心配だ
ここ最近、均衡や裁断を使って戦ってきている
しかし、今回の戦いは両方使えぬのだ
混沌は彼女らに後遺症を残しかねないし、秩序は彼女らを解放しかねない
裁断は………まあ問答無用
能力は使えないことも無いが…まあね
そこまでの労力は掛けられない
つまり私が出来る事は一つ
身体強化のみで出来るだけ優しく無力化だ
やっぱり能力で何か作るしか方法ないか…
そんな事を考えながら彼女達の隙間を掻い潜る
容赦なく襲いかかってくるが、動きはロボット達程ではないものの比較的単調で避けやすい
それに、武器もそこまで殺傷性は高くない
仮に喰らったとしても吹き飛ばされる程度だ
そのおかげで、向こうの様子を見れるような余裕は出来る
まあ爆発しすぎてあまり姿は見れないが…
だが、余裕ができるという事は能力が使えるようになるって事だ
という事で、すこし面白そうな事の準備が整った
そうして、私は立ち止まる
すると直ぐに囲まれ、全員が飛びかかってくる
ハンマーを振りかぶる者、踵を振り下ろしている者などなど、多種多様だ
私は勢いよく飛び上がる
腕を伸ばせば天井に手のひらがべったりと付く程だ
私が天井に触れた瞬間に能力を使用する
その瞬間、天井に持ち手の様な何かが出来上がった
しっかりと固定されており、ぶら下がることも可能だ
下では彼女達が互いにぶつかり合っていた
こうやって少しずつダメージを与えるのも良いかもしれない
だが、そんな長々と彼女たちの相手なんかしていられないし、これを利用しながら更に能力を使い、拘束具を作ってしまおう
だが、彼女達がそう易々と私を放置することは無かった
…まあ凶暴にしたの私だけどね
彼女達は、私に魔法を撃ち始める
…いや魔法打てたの!
今まで、魔法を使う一切の素振りを見せていなかった為、相当驚く
まあ、魔法の速度より私の速度の方が速いので当たることはない
…適当な回避しない限りだが
そんな事を考えながら猿のように持ち手を増やして回避する
手と腕は疲れるが、足の休憩にはなる
………出来た!
割とシンプルに作ったから、そこそこ時間掛けずに出来た
私は、持ち手から手を離し、床に降りる
綺麗に着地し、周りを見渡す
相手の方向をしっかりと確認して、走り始めた
手始めに丁度一名離れている者に向けて走った
私は今回作った物がしっかりと発動するかの実験もかねて彼女へ走る
彼女の武器は双剣、今回の実験にはかつてない程丁度いい
私は彼女の元へ全力で走り、懐に潜った
向こうは、まだこちらに気が付けていない
その内に、能力で作った金属の輪を彼女の両手首に一つずつ付ける
そして、彼女の元を離れた
彼女も、私に近づかれたことに気付き距離を取るが、もう遅い
手首についている金属の輪が光、凄い勢いでくっつく
そう、私が作ったのは手錠だ
金属の輪どうしが近づくと発動し、互いがエネルギーで結ばれる
エネルギーを切ろうとすればするほど、強固になり金属の輪もエネルギーで覆われる
逆らえば逆らうほど逃げられなくなる手錠だ
さて、まずは手錠が発動する事は分かった
次は別の機能を試す
そうして、八つの金属の輪を作り出す
一つ一つに私の魔力が籠っており、私が自由に動かせる
私は残りの彼女達の方向に指を向ける
すると、金属の輪は自由に飛行し始める
私が想定する以上にアクロバットな飛行を眺めていると、ほぼ同時に全ての輪が彼女たちの手首にくっつく
そして、手錠が発動された
この手錠は相手を拘束するために作った物
アクロバティックな彼女達は足が空いている限りこちらに攻撃してこれるだろう
だからこそ、付けた機能がある
付けて居るとどんどん体が重くなる
制限こそあるものの、殆どの者なら動けなくなるほど重くなる
さて、やがて彼女達も動けなくなるだろう
私はレファの方へ向かった―
どうもどうも
あのぉ、Minecraftってゲーム知っています?
今私の中でブームが来ているんですよね
一か月後にはブーム終わってます…きっと
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は六月十三日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




