56:混沌の威力
さあ、翌日という名の深夜である
具体的な時間を申すなら、深夜零時三十分である
メンバーは怠惰、快楽、アシャ、レファ、レヴァ、私だ
このメンバーでラーハフスの本拠地を叩く
そんな作戦だ
という事で私が扉を突き破ると、この計画が始まる
『みんな。準備は?』
そんな事を聞きながら振り返る
みんなは揃って頷いていた
『了解』
そう返して、ちょっとの空き時間で作った設計図を使う
それは機械式…っぽいガントレット
ただ見た目にこだわっただけのガントレットである
一応加速は出来るが…まあそれだけ
一般的な素材で作れば普通
混沌で作れば、ただ殴るだけじゃない強さがありそうだ
そんな軽い気持ちで作った物だ
装備をして少し距離を取る
加速を起動し、勢いよく拳を扉の方に突き出す
するとガントレットが吹き飛び、扉にぶつかる
急だが、おさらいしよう
混沌というのは、私は簡単に使えるが、本来不安定な物であり、簡単に爆発を引き起こす
つまり、混沌で出来た物が凄い勢いで硬い物にぶつかると…
私はこちら側を守るように混沌シールドを作り出す
エネルギーも混沌の前には無力、吸収してしまうのだ
私がシールドを展開したその瞬間、ガントレットは大爆発を引き起こす
中がすっからかんではなく、ぎっしり詰まった重みのあるガントレットだ
そりゃあ相当な大爆発を引き起こすだろうとは思っていた
だが、私の想像以上に混沌という物質は爆発するようだった
ガントレットがあった場所を中心に深さ三メートル、半径十メートル程のクレーターが出来上がっていた
唯一の救いは、ここがアラーディの外れで周りに被害を与えたとしても、迷惑が掛かる事は無い
『……奴ら行こうか!』
凍った空気から逃げ出すべく、私が戦闘で走り始める
『ちょっと!』
『大丈夫!』
私を引き留める声をガン無視し、基地に突撃する
初めに私が暴れていた方が、機械の集中を奪い、ついでに無力化出来る
そんな大義名分を抱え、私は突撃する
天井を見ると大量のタレットが姿を現していた
そして、そのタレットはこちらを向いている
…なるほどね
詰まるところ一般の者だったらハチの巣にされていただろう
まあ私ならいくら撃たれても問題無いしね
そんな事を考えながら走り続ける
後ろを振り返ると、みんながついてきているのを確認できた
そして前を見ると、寸分先に矛先が存在した
ロボットの腕が槍になっているようだ
反応して避けれるはずもなく、その矛は私の腹を突き抜けた
私は痛みより先にめんどくささが来る
そのロボットを蹴り飛ばし、槍を引き抜く
血が舞う…事は無い
だってもう治っているのだから
これが、私が化け物を認めた理由
死を克服している私は果たして生き物と呼べるのだろうか…
そんな問に答えは無い
答えが無いだけ考えるのは無駄という事で私は再度走り始める
そして、タレットとロボットを木っ端みじんに粉砕していく
道は一本という事もなく迷路のように分かれている
困ったものだ
私のやる事はロボットを殲滅すること
ここで待っていたらいずれ殲滅できるだろうが、時間は掛かるわタレットは壊せないわで問題大ありである
それにタレットが殺意マシマシ
私じゃないと相当危険なのである
みんな盾とか持ってないし、連発してくるくせに散弾だし…
みんなが困らないレベルでタレットを破壊する必要がある
そんな事を考えながらもロボット達はやってくる
それに、どんどん私の行動を学習しているように見える
それに、ロボットの形が変わった
前はずんぐりして、足にキャスターがついており、腕っぽいのが生えておりそれが槍だったり剣だったりと自由自在に変わっていた
それが今ではどうだ
二足歩行になり、限りなく生物に近い動きをしてくる
それに、動きがアグレッシブで直ぐに天井に張り付く
まあでも無駄だ
こっちだって何も学習せずに、頭を働かせないで戦っている訳じゃない
天井に張り付いた瞬間に串刺しになる
そのまま向かってきたとしても私に触れた瞬間に混沌過多で強制停止する
どうやらロボット達は混沌に弱いらしい
まあプログラムされている者に歪み代表の混沌をぶつければそりゃあプログラムが歪んじゃうよね
つまり、向こうが学ぶとするならば天井に行かない、私に触れない、つまり私を倒せない
後は一方的だ…
……一方的になっちゃったじゃん
あれ?
私って一方的な強さを誇示するような事をしたくないから戦わないってなったんだよな…
はぁ、これじゃあ変わらないじゃん
でも、体貫かれてもめんどくさいって思うんだぞ?
混沌抜きにしても、あんま変わらないなぁ
『想ちゃん、何考えてるの?』
その声に振り向くと、もうみんながすぐ後ろまで来ていた
『いや、ちょっと圧倒的過ぎて、ね?』
『別にいいじゃないか。今回は犯人の確保が最優先事項だ』
『…そっか。レファ!一緒に最下層まで行くぞ!』
『はぁ?何言ってんだ』
『下の方で動きがあった。下まで混沌で埋め尽くして機械を無力化する。他の奴らは他のみんなに任せる。どうだい?』
『ふっ、俺はいいぜ。他の奴らが良いならだけどな』
レファの言葉に異論を唱える者は居なかった
『それじゃあ行こうか』
そう言って彼を引っ張りこちら側に持ってくる
『死ぬ気で走れよ』
『お前に心配されるほど軟な速度していない』
『分かった』
そう返して走ろうとしたとき、声が掛けられた
『想!混沌って…』
『数秒で完全に消える。問題ないよ!』
そう返した瞬間に走り始めた
『おい、何急に走り出してんだ!』
『そう言いつつ、君は追いつけているじゃないか』
『うるせぇ!』
そうして、互いに笑い合う
『それにしても、奇妙な光景だな』
『そう?私は慣れた』
『お前は普段からこんな光景なのか?』
その言葉には同情を感じられる
『普段から混沌まき散らしている分けあるかよ。今はめんどくさい奴を無力化しているだけだ』
『そうか。それは良かった』
次は一切感情が籠っていなさそうな声
やはりこいつとの会話は面白い
『お前………これなんだ?』
私が適当なこと考えながら走っていると、レファから質問がやってきた
『これって…どれ?』
『ほらこれだよ。たまにあるこの禍々しいやつ』
『ああ。空気中の二十倍ぐらいの濃度の混沌で出来た槍。これのお陰で周囲に混沌を放って周囲のロボットを無力化している。空気中の混沌が無くなるにつれて周りに秩序のコーティングがされる。だからみんなが来るときには触れても一切問題ない物になっているはずだよ』
『…つまり今触ったら』
『私はともかく、君はアウトじゃない?っていうか何で君何ともないの?』
『は?知らんぞ。お前が何かやってるじゃないのか?』
『…やってる』
『やかましい』
やっぱりナチュラルにふざけられる
私にとって過ごしやすい空間だ
『さて。そろそろ準備しな』
『階段はまだまだ遠いぞ。……お前まさか!』
『どうやら気が付いたみたいだね。質問しよう』
そう言いながら私は立ち止まる
『此処の真下は何処だい?』
『…ボスの部屋。正確に言えばボスの部屋の避難経路だ』
『ご名答!それが分かってるなら早い。準備しな』
そう言うと、槍射出装置を作り出す
そう、これで風穴を開けて真下まで降りようという作戦だ
私は槍を混沌で作り出し、槍をセットする
そしてエネルギーを溜め始めた所で彼に聞く
『準備は?』
『出来たぞ!』
彼は大剣を担いでいる
それじゃあ最後に、到着予定地に秩序を張っておく
『こっちも出来た。それじゃあ』
私は彼と目を合わせる
『ああ』
頷きながら答えるのを見て私は射出装置のエネルギーを全開放する
その瞬間、轟音とともに石が砕け散る音が聞こえた
所で、上の射出装置は飛び込むのに邪魔になる
という事で私は蹴り飛ばし、壁に激突させた
『…この深さ。行けるか?』
『なめんじゃねぇ。余裕だ』
そう言って彼は飛び降りる
大体二名分の広さの穴
よくもまあ躊躇なく飛び込めると思う
そんな事を考えながら、私も飛び降りた
轟音が地下に響き渡る
それに並んで私も着地する
放たれた槍は下に用意しておいた秩序により、綺麗に吸収されている様だった
レファは突き刺さった大剣を引き抜き、目の前にいる男に矛先を向ける
『よう。久しぶりだな…』
彼の口角は上がっているように見えた
『ボス!』
彼のその言葉で、戦闘の火蓋は切られた
どうもどうも
これが投稿されている頃には七月に入っているでしょうか
未来の私、見ってるぅ~~
投稿するにあたって一回見直しているので見ているでしょう……時間なかったら見てないけど
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は六月十一日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




