55:化け物という事を認める者
周りは不思議そうに私と男を交互に見ている
『……まずは会議をしないか?』
『…そうだね』
私はそう言って椅子に座る
私が椅子に座った時、レヴァが扉を閉めてから口を開いた
『お二方は知り合い?』
『知り合いというか、何というか…』
『しいて言うなら顔見知りって所か?』
『まあそうだね』
私達がそう答えると納得したように頷き、席に座った
『それでは、現状説明を行います。ラーハフスについて想さんの為にも説明いたします』
『ありがとう』
『ラーハフスは世界中で誘拐事件を起こしている犯罪者集団です。被害者の多くは悪魔、魔人で主にトガーラ大陸で活動しており、情報網は世界中全てまで広がっていましたが、今年に入ってからは徐々に逮捕していき現在ではノーラスに少しと、ここアラーディのみとなっております。そしてアラーディに本部があることが判明しました』
なるほど…
そりゃあわざわざこんな戦力連れてお礼参りに行くに決まっているか
ただ、ちょっと気になるところがある
ということで私は言葉を発した
『一つ質問いいかな』
『ええ。ご自由にどうぞ』
『そこまで大きな組織の本部が今まで見つかって無かったんだよね。それだけ隠蔽されていたとしたら、今回どうやって見つけたの?』
『有能な潜入捜査官のおかけでな』
彼はそう言いながらあの男の方を見る
『……名前ぐらいは名乗っては?』
そう言われると、彼は深いため息を付き、立ち上がった
『…俺の名前はレファ・シファー。魔人軍王族直属隠密部隊隊長だ』
なるほど……
ようやくあの強さの理由が分かった
そりゃあそんな立場ならそんな強いわ
『なるほどねぇ…どおりで優しいと思った』
『その…その節は』
『問題ない。あの時私が行った事覚えてないのか?』
『…だが』
『私が言ったんだよ?片目ぐらいだったら吹き飛ばしても構わないって』
『………それでもだな』
『それに、私が落ちていたところを拾ったのもお前だろ。それに待ってくれれば安全に私を救える。そう考えてとどめていたんだろ?』
『はぁ…分かっていたか』
『そりゃ勿論。私はあの砦の資料に全部目を通してあるから』
『…お前どうやってあの量の情報を読んだんだよ』
『……気合い?』
『やっぱりお前は化け物だったか』
『化け物じゃない!って言えなくなってきたのも事実だな』
『どうした?お前が認めるって事は何か新しい力でも手に入れたか?』
『その通りだ。詳しくは後で話すから今は聞かないでくれ。命狙われたくない』
『…分かった』
そう言うと彼は座った
やっぱり聞き分けが良くて助かる
とりあえず満足だ
あの男がしっかりとした組織に所属していた
それだけで何となく引っかかっていた何かが消えた気がする
私が満足していると横からアシャが話しかけて来た
『あのさ、右目って彼が?』
『あれ?話した事あったっけ?』
『私も覚えてないけど…』
『覚えてないのに?』
『うん』
『そっか…まあアレだよ。私が目覚めた砦で戦った者がレファだったって事。それで右目が吹き飛んだ』
『えぇ…』
『まあ改造できるし』
『そっちの方がおかしいかも…』
『そうかなぁ…』
私達がそんな話をしていたところに二回、破裂音が聞こえる
『すみませんが話し合いの続きを進めさせてください』
『おっと。ごめん、続けてくれ』
『感謝いたします。では、現在問題が一つ発生しております。それは、どのメンバーで突撃するかですが…』
『決まってないのか?』
『ええ。残っているのはそれ相応の実力者のみです。よって一般的な兵士では返り討ちになるのみです。ですから、とりあえず魔王軍の皆様には向かってもらう予定です』
その言葉に異論を唱える者は居なかった
『後はレファさんもです』
『問題ない』
『想さんは…』
『悪いことは言わない。絶対に参加させろ』
『ほう。レファさんがそこまで…』
『俺が魔力切れまで全力で戦ったのにもかかわらず目を怪我した程度で済んだ耐久力の化け物だぞ』
『えぇ…そこまでだったの』
『ああ。逆にあれで虚勢か余裕あったら頭のおかしいやつだ』
『なるほどねぇ』
『では想さんも…』
『えぇ…』
『乗り気ではないのですか?』
『いや、あまりにも強すぎて私が干渉するのはいかがな物かと…』
そう言うとレファが話す
『それだったら問題ない。強敵は俺達に任せてくれ。奴らは特殊で頑丈なロボットを存分に使ってくる。そいつらを片づけてくれ』
『…わかった。三秒で片づける』
『…マジでやりそうで怖い』
そんな事を話しながら、状況説明、もとい軽い会議が終わった
現在、会議室には私含めて三名
アシャとレファには残ってもらい私の力の話をする事にしたのだ
ついでにずっと気になっていた事も聞く
なんなら聞きたくてうずうずしているから、先にそっちを聞こうと思う
『レファ。お前ってしシファーって言ったよな?』
『ああ。そうだが』
『お前。姉がいるか?』
『ああ。よく分かったな』
『お前の姉の名前はセア・シファーであってる?』
『ほう、知り合いだったか』
『知り合いも何も、お前と別れてから出会った冒険者パーティのメンバーだったんだよ』
『…!そうだったのか』
『何なら今でもそのパーティには所属している』
『そうか。姉さんは元気だったか』
『そうだね。とっても』
『それはよかった』
やはりそうだったか
弟の事は少し聞いていたが、まさかこいつだとは思ってもいなかった
意外と世の中狭いのかもしれない
『よし!気になってたこと終わり。じゃあ私の力の説明するわ』
『『それは頼む』』
二名は声をそろえて言う
すっかり仲がよさそうだ………まあ偶然か
そんな事を考えつつ、私は力の話を始めた
『私が強いって言われる理由は三つの力。能力と特殊な力二個』
『能力は俺の知っているやつか?』
『そうだね。私の能力は構築。相当上位の素材以外は自由に使って作れるって能力。素材があれば何でも作れちゃうね。設計図さえ作れれば後はそこまで魔力消費もしないから、これだけで戦えるレベルで強いね』
『私達が乗ってきたアレも?』
『そうだね。アレ作るための設計図作るために魔力をほぼすっからかんまで使った…』
『設計図を作るのに魔力を使うのか?』
『まあそんな解釈で問題ないよ。詳しく言えば設計図を読み込むとかだったはずだけど、まあそこまで変わらないし』
『そうか』
『能力に関してはここまで。次は裁断の力、アシャは知っているよね?』
『ああ。目の前で獲得の瞬間を見たもの』
『えっと、情報は出てるの?』
『俺の方は何も』
『私も一切聞かないね』
『なるほどねぇ~。えっと、私が九つの聖剣の一つ、裁断のバトルアックスを所持している。そのおかげで、裁断の力。全てを裁断する力。そんなエネルギーを手に入れている』
『そんな馬鹿げたエネルギー。どんな破壊力になるんだよ…』
『一様試したことあるけど…明確な指標はないかな』
だってぶっ放したのって、あの無限に復活する混沌で出来たベヒーモスにやったぐらいじゃなかったっけ
…いややって無いかも
アイツに撃ったのも秩序のエネルギーだったし…
『ごめん。多分まともに使った事無いかも』
『そりゃあ使ったら生物は跡形もなく消えるだろ』
『えっと…完全体じゃないエネルギーを使ってダンジョンの天井を突き破ったって感じ。フルパワーは…』
『やめておいた方がよさそうだな』
『うん。それに、瞬間的なエネルギーは超えるような物を無限に持っているし…』
『それが三つ目?』
『そう。アシャには言ってあるでしょ。私が主になったって』
『ほぉ。やっぱり新種族か?』
『私は根源的主に仲間入りした』
『『は?』』
二名の声は重なった
まあそりゃあそう
記憶を失っている私ですら頭おかしいこと言っている事は分かっている
『均衡の主、想っていう自己紹介出来ないじゃん。情報で出ないし』
『ちょ、ちょっと待って!』
『そんなポンと言うような事じゃない。もっと溜めてから堂々と言ってくれ』
『…そっちの方はつまらない。私はもっと反応を楽しみたいのだよ』
『……そうか』
何か諦められた気がする
『えっと、それで均衡というのは?』
『秩序と混沌の混合物みたいな物かな。両方使えるようになった』
『な、なるほどね。さっき言っていた無限に持っているエネルギーって』
『そう、混沌の事。混沌の爆発の威力は凄まじい物。そのエネルギーを全て使えば…ね』
『理解。お前は正真正銘化け物なんて甘いレベルの何かだ』
『それはおかしい!流石に化け物レベルだよ!』
『あっ、化け物は認めるんだ』
そんな会話を続けた
どうもどうも
物理って何ですか
いやですね、何が言いたいか
要約致しますと物理って何言ってんのかよくわからんって事ですね
いや得意な人は本当に凄い
私は極限まで逃げれるところまで逃げたいと思います
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
ということで、ではでは~




