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生き物達ノ中央世界  作者: 葉都
天魔人国編
51/65

51:謙譲と希望

『って言うことで、こっちに来れるかい?』

『行けないって言ったらどうしてたのさ』

『そしたら別に何とかする』

『まあでも、何とかする必要は無いよ。場所も一か所しか無いなら迷う必要もない』

『ありがと。じゃあ明日ね』

『了解』

そうして、彼女()との会話が終わる

まあとりあえずやる事はみんなを集合させる事だ

『こんな時に、都合よく慈悲様覗いてないかな~!』

わざとそれっぽく独り言を話す

呟くなんて声量では無かった

『良かったですね、私がいて』

『わぁ!びっくりした!!!』

『貴女から言っておいて何故そこまで驚けるんですか…』

『いや、いるとは思ってなかったんだよ…』

『そうだったのね。それで、用件は?』

『どうやら向こうと集合出来そうって事で、ちょっとした会議を…』

『なるほどね。私は呼んできたらいいと』

『そう。お願いできる?』

『勿論』

そう言うと、私の目の前から消えてしまった

幸いにもここは会議室

私は待つだけでいいのだ

私はいつもの座席へ座り、みんなを待つことにした

アンとギアナ嬢は気が付いたらとても仲良くなっていた

気が付いたら二名の私への呼び方も変わっていたし…

アンって誰とでも直ぐに仲良くなれそう

『連れて来たよ』

『へ?』

声の方向を見ると左腕にアンが、右腕にギアナ嬢が抱きかかえられていた

『えっと…速くない?』

『後二名、協力者を用意しているからちょっと待っててね』

何か増えてる…

何か勝手に話したのはいただけないが、まあ彼女が選んだのなら信頼は出来る者だろう

そう考えながら私達は座って待つ事にした



直ぐにノックが響いた

『どうぞ』

そう言うと扉が開かれた

『失礼する』

入ってきたのは二名の屈強な男

その顔はこの国に住んでいて知らない者は居ないほど有名な顔だ…

片方の男は美徳の謙譲、ノティ・リーツ

慈悲と同じく、表立った行動こそしていないが、彼は相当な信頼を得ている

慈悲と同じで裏で動く者なのだろう

彼と比べると、もう一名は真反対の存在と言えるだろう

美徳の希望、スペー・‘‘へース‘‘

そう、‘‘へース‘‘だ

想が所属しているパーティのリーダーの名前はオクト・‘‘へース‘‘

つまり、別れ際に彼が言っていた弟とは彼の事だろう

まあ、私から声をかける事は無い

私はお世話になっていないし……いや元をたどれば彼がいなければ想は私の元に来なかったのだが…

まあそれで伝えるとなると、世界中の者一名一名に直接感謝しなければならない

そんなこといちいちやってらんねぇよ

…おっと、素が出てしまった

昔はこんな性格ではなかったはずなのに…想の影響かな?

『なるほどね。お二方共、自由な場所におかけください』

『それじゃあ遠慮なく』

希望がそう言うと二名は本当に自由な所に座った

『慈悲。二名共にどれぐらい話した?』

『そこまで。具体的に言えばギアナ様が計画している事があるっていう話と、それには割とリスクが存在している事ぐらい』

『お二方はそれに同意して?』

『ああ』

『勿論!』

『なるほど。リスクがどれくらいって事は?』

『話してある』

『なるほどね、分かった。我々は現在、両国の仲を取り戻そうという計画を進めている』

二名は顔色どころか表情一つ変えずに聞いている

それだけの決意であり、その規模の想定もしていたのだろう

『とりあえず、向こうにいる仲間とメラツェの都市、アラーディでの合流を果たそうとしている。そして、タイミングよく、現在アラーディにいるようだ。そして明日合流予定である。問題はギアナが襲撃されるリスクが存在しているって事だ』

『そこで俺達って事かい?』

『そういうことだ。慈悲には地下まで付いてきてほしくてね。後ろから追ってくる者を片づけて貰う者は整った。後は近接攻撃をしてきた者を片づけてほしくてね。本来だと私達が守るという予定だったのだが…』

『そこで慈悲が俺達を誘ったのか』

『そういう流れ。どうだい?』

『僕は異論無いよ』

『俺も無い』

『なら、こっから更に計画を細かく練って行こうではないか』

そうして、会議は続いた



『ふぅ~』

外は真っ暗

会議室には私一名

たった今終わったばかりだ

しばらく光は見えないだろうが、普段起きているような時間ではない

途中からは、慈悲、英雄と三名で会議を行っていた

はぁ、随分長くなってしまった…

さて、今回の会議で決まった流れを振り返ろう

まずは謙譲と慈悲が指定の位置につく

そして合図が来たらアンがギアナ嬢を抱きかかえて飛ぶ

その時の速度は出来る限り速くと頼んである

とりあえず希望は意地でもついてこれるそうだ

問題は私…

正直言って私が強いっていうのは能力だけで、他の奴らみたいに身体能力が高いって訳じゃない

確かに一般的に言えば高い方なのかもしれないが、周りが高すぎる

って事で希望に背負ってもらうことにした

一応持ってもらったが軽々…

ではなく、まあまあ重そうな顔をしていた

ここで一つ、関係ないが疑問が浮かんだ

想って私の事軽々持ってたよな?

認めた持ち主だからと言って軽くなるなんてないんだよなぁ~

逆も然り

認めてない者でも、重くなるなんて無い

…もしかして想って

『おい。こんな夜に何考えてんだ』

『はぁ!想、なんでこんな時間に起きてるの!?』

『いや、今日はちょっと問題があってね…』

『そうだったんだ……想も大変だねぇ』

『それで、そんなに私が君を軽々持てる理由を知りたいのかい?』

『まあ知りたいけど…単純に怪力じゃないの?』

『半分正解。私は常に身体強化を掛けているから単純な腕力が強い』

『残りの半分は?』

『…さぁ?』

『は?いや、じゃあ何で半分って言ったの?』

『う~~ん。気分!』

『気分かぁ~』

うんうん、それなら仕方がないねぇ

ってなると思ったか!

『で、本当の理由は?』

『え?わからないけど…』

『はぁ?』

『いや、だってさ?私自身分からない事ばかりじゃん?本当に何も分からないのよ。だって君も心当たりある?』

『いや、無いけど…』

『そういうこと。私だってよくわからないの!』

『そっかぁ~』

『他に聞きたいことはある?』

『…特に無いかな』

『本当に?』

『うん』

『能力の事とか聞かなくていいの?』

…ああ!

能力の事を聞こうとしてたんだった

すっかり忘れていた

『想の能力の範囲ってどれぐらい?』

『…試した事無い。何かあったの?』

『いやね。遠距離から能力使えたら相当強くない?』

『ちょっと待ってね?』

『わかったけど…』

彼女がそう言うと、沈黙が続く

『………手を前に出して?』

『こう?』

『ありがとう…』

更に沈黙が続く

…え?

もしかして出来る?

そう考えた瞬間、空中に立方体が現れた

その立方体は重力のまま落ちていき、私の手に落ちる

『どうだい?』

『完璧』

『はぁ……これめっちゃ疲れる』

『そうなの?』

『君の場所が分かるから細かな調整が出来たけど…だいぶ時間が掛かった。それに、めっちゃ集中する』

『剣を大量に作って、敵に飛ばすとかどうだろう』

『殺傷能力が高すぎる。魔物相手でも気が引けるレベルで残酷だぞ』

『えぇ…』

『だって一つでも防げなかったら串刺しにされるんだよ!私ぐらいの者だったら串刺しにされても問題なけれど、他は…』

『まって、ナチュラルに化け物発言しなかった?』

『え?槍の一つや二つ突き刺されても問題ないよ。もう腕の一本二本生やせるし…』

『えぇ…』

『そんな反応しないでよ!そもそも生き物の体は秩序と混沌で出来てるから、そりゃあ出来て当然でしょ』

『主ってそんなレベルなんだ…何というか』

『君はそんな者に所有されてる訳だけど、どうだい?』

『う~ん、最高な気分!』

『それはよかった』

『それじゃあ』

『はいはい』

そう言って会話を終える

でもそうか…

やっぱり想って化け物っていうか、何というか…

まあいいや

後は簡単

突っ走った後、分厚い雲を抜けて地上へ行く

アラーディは地下にあり、スガロは魔王国の様な高地より少し高い位置にある雲の上にある

地上にはアラーディの外れに付ける抜け道が存在しているらしく、それを利用する

恐らく追ってくる者を希望と私で無力化していく

それで合流の予定だ

さあ、明日は作戦の日

早めに寝なぃ…と……

…外が明るくなっている気がする

はぁ、気合いで頑張るか…

どうもどうも

ここの話の流れを何となく整理していたんですよ

何か回想の様な事もしそうで、少々読むのがめんどくさそうですね

それでですね、私一瞬焦ったんですよ

あれ、なんか短くね?って

割とパンパンになりそうだと思っていたのだが、スカスカになってしまったんですね

で、思い出してみたら………

魔人国の事を忘れていました

思い出して考えると、ギリギリですな

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました

今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!

ということで、ではでは~

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