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生き物達ノ中央世界  作者: 葉都
草龍国編
43/65

43:見送り

朝から騒がしい

普段だったら起きてないようなそんな時間

何故そんな時間に起きているのか、それは目の前に居る彼女達が理由だ

『想とは、もう別れか…』

『何か一年ぐらい一緒に居た気分だな!』

『そんな訳無い。二年は居た』

『いや、三週間ね!』

私は訂正する

そう、今日でパーティのみんなとお別れなのだ

『想ちゃん。貴女との期間はそれだけ濃かったのよ』

『そうそう。だから素直に受け取っておきなよ~』

『はいはい』

周りには、みんな以外居ない

それだけ朝早くの出発なのだ

冒険者というのはとても大変だという事をひしひしと感じる

『出発はいつ頃なの?』

『そうだな…あっても後一時間ぐらいかな』

『そっか…もうそんなしか無いんだね~』

『…うん』

みんなはいつもの様ににぎやかだが、何となく寂しさを感じる者も居る

『そうだ!』

ルスは私に近づき、耳元で小さな声で話しかけてくる

『天王国と魔王国に行くって事は二名に会いに行くの?』

『そうだね。手伝ってくるよ』

『そっか…あたしは会えなくて残念だけど、頑張ってきてね』

『勿論!ルスの分まで頑張ってくるよ!』

すると、私のそばから離れてみんなの元へ行った後に言葉を返してくる

『頼んだよ、想ちゃん!』

『あら、二名だけの内緒話?』

『…ずるい』

『ふふん。良いでしょ~』

彼女が自慢するように胸を張ると、ロアが睨むようにルスの方を見る

それを止めるのはルドだった

ルドは手を二回鳴らして注目を引く

『はいはい、そこまで。ダンジョンの時の話だろう?』

『よくわかったね!そう、ダンジョンで出会った者の話』

『そういや、そんな事もあったな。思い返せばだいぶ思い出もあるし』

『まあ、みんなの口からパーティ名聞いた事無い気がするけど…』

『『『『『…あ』』』』』

全員が声をそろえて呟く

どうやらすっかり忘れていたようだ

まあそういう全員が何か忘れるって所もこのパーティらしいかな

そう考えながら、思わず笑いが出てきてしまう

『ふふ』

『あ!想ちゃん笑った!』

『いや、子供かよ』

『え………』

『何だよ!そこまで衝撃受ける事かよ!』

まあそうだろう

オクトが正論言ったのだ

誰だって言われた側はそんな反応にもなる

『まあまあ。オクトは普段ちょっとおかしい事言っているし…』

『セアまで!』

『オクトはまともな事言わない。誰?』

『ロアはいつも通りか…』

彼らの会話を聞いていると初めを思い出す

最初はボコボコな私を前に漫才を始める集団だったが、今は違う

いつでも何処でも口を開いたら漫才を始める集団だ

…やるときはやる者達だから、割と語弊がある気がするが、まあ良いだろう

『そんな事話している内にもう時間だな』

『えっ!そんなに?』

私は腕に付けてた時計を見ると針が一周とは言わないものの、直ぐにでも一周してしまいそうな程回っていた

『もうこんなに経ってたんだね』

『そうだな…』

さっきまでにぎやかだった雰囲気も一気にしんみりした雰囲気に変わる

別れの間際に静寂が続くのは当たり前だと思う

だが、私が関係する物は少なくとも笑顔で別れたい

その考えの元、私は提案する

『せっかくなら、それぞれ話さない?』

『というと?』

『別れるんだから、せっかくなら最後に二名だけで話したいな~っていう私の願い』

私がそう話すと、迷う間もなくオクトが話し始める

『俺は良いぞ!せっかくなら、秘密とまでは行かないがしっかりと話してみようぜ!異論ある?』

オクトの問いに誰も口を開かなかった

『ありがと、みんな』

『じゃああたしから!』

始めはルスだった

『あの時、助けてくれてありがとう。あの時想ちゃんが居なかったら、まだダンジョンだったかも知れないし、この剣の正体も気付けてなかった。本当に感謝してもしきれないよ!』

『ルスこそ。ルスのおかげであの二名とも仲良くなれたと思ってるし、ダンジョンの暴走にも付き合ってもらったからね…』

『あっ、あれちゃんと暴走だって認識してたんだ。あたし以外にはやらないようにね!』

『…善処する』

『ちょっと!』

このままの方向性を変えるべく、別の話題を展開する

『そ、そういえばルスって能力を使いこなしたいんだよね?』

『へえ?急にどうしたのさ。そうだけど…それがどうかしたの?』

『はい、これ』

彼女に渡したのはエメラルドの様な宝石があしらわれたネックレスだった

『これは?』

『秩序が使われたネックスレス。相当強いから、暴走しないはず』

『えっと、どういう原理?』

『それはまあ後々ね。話すと長くなる』

彼女は少し考え込んでから話す

『わかった。せっかくなら想ちゃんが付けてよ!』

『ふふ。いいよ』

私は返事を返した後、彼女に近づきネックレスを付ける

装飾もそこまで派手な物ではなく、頑丈

それに、彼女の服ともに合っている

秩序は暴走の前兆を検知してから現れるから、たとえ秩序に害があったとしても上手い事調整されるだけだから問題ない

我ながらそこそこな物を作り出せた物だ

『想ちゃんどうかな?』

彼女から多少離れてから、彼女が聞いてくる

『うん。予想通り似合ってるよ』

『…ありがと』

彼女はとても満足そうな顔をして、みんなの元に戻って行った

『次は誰にする?』

すると、同じぐらいの背丈の物が言葉を発する

『私』

『ロアか!』

彼女は私の目の前に来ると、私を抱きしめた

『へ…』

思わず変な声が漏れてしまうが、彼女はお構いなく話し始めた

『ありがとう。想のおかげで、いろいろな事で成長できた。それに可愛い反応も見れた。過去の出来事もちょっとは受け入れられた。本当にありがとう』

『…ふふ。こちらこそ、君のおかげでこの右目の痛みも何とかなった。それに……いや。ありがとう』

『…?』

彼女の頭の上には、はてなが浮かんでいる

今はその時では無い

彼女(ギアナ)の話はいつか、別の時にしよう

そんな事を考えながら、私はプレゼントを取りだす

『ロアにはこれ』

そういってブレスレットを渡す

『それには、視認妨害機能が付いている。生き物にはそこまで効果が無いけど、魔物には絶大だよ』

『…ありがとう!』

満面の笑みを浮かべ彼女は離れる

彼女は完全後方支援

ダンジョンで彼女が狙われてしまったら大変だろうという勝手に考えた結果の物なのだが、喜ばれたようで何よりだ

『次は私かしら』

そう言ってこちらに近づいてきたのはセアだった

『ここまでありがとうね。最初はか弱い女の子だと思っていたけど、まさかここまで強いとは思ってもいなかったかしら。短期間でメンバーみんなの相談に乗ったり守ってくれたり、感謝してもしきれない。離れるのは寂しいけれど、また再開出来る事を祈っておくわ』

『ありがとう、セア』

彼女の視点はパーティを家族に例えると、母親の様な者だ

ルドと同じく広い視点で周りを見ていたのだろう

『ところで、次貴女が行く国の中には魔王国があるでしょう?』

『まあそうだけど…』

『そこの地下には私達の国があるの。会えたら、弟と仲良くしてちょうだい。あの子、対応がちょっと冷たいせいで、友達が居ないのよ』

『わかった。出来る限り探すよ』

『ありがとう、想ちゃん』

『そんなセアにはいこれ』

彼女には、イヤリングを渡す

『あら!ありがとう』

彼女は礼を言いながらつける

『それは狙いの魔物に遠距離攻撃が命中するイヤリングだよ』

『…?そんな芸当、魔法にはないのだけれど、他の力かしら?』

『…わからない』

少しの沈黙の後、彼女は声を出す

『……そう。ありがたく受け取っておくわね』

彼女は私をめいっぱい抱きしめ、離れていく

私だって分からない力

説明は読めるけど、名前はノイズで分からない

私が覚醒して直ぐに使えるようになった不思議な力

…これなんだろ

まあいいかと思いながら、次の者に目をやる

『次は俺か』

そう言って前に出て来たのはルドだった

『想、このパーティを守ってくれて感謝する。入ってすぐだったのにも関わらず、ルスを助け、様々な悩みも聞いたくれた。俺も聞いてもらったな。ただ、自分の命がかかわるような事も俺達に伝えてくれないって事はこれ以上しないようにな。一名だけってのも無しだ。ちゃんと全員に伝えてくれ』

『分かったよ~』

『本当か?とても反省している様には聞こえないが…』

『分かってるって!心配性だなぁ』

セアがこのパーティの母なら、こっちは父だ

優しく親身に悩みを聞き、解決まで導く

みんなを見ながら守っていく

私にはできないような事を常にしている

とてもすごい事だ

『想、改めて言うが気を付けてくれよ』

『もちろん!』

まあ死にたくても死ねないから気を付ける事も無いんだけど

そんな事を考えながら、彼に

『はい、これ』

彼に渡したのは手袋だ

『持つ者と物の力を高める手袋だ。頑張ってくれ』

『ああ、感謝する』

そう言って彼は手袋をその場でつける

そして、手を見て話し始める

『なるほどな、感じるぞ。感謝する、早速使わせてもらうからな』

『どうぞどうぞ』

そういって彼は戻っていく

最後はオクトか

『じゃあ、最後に俺か』

そう言って彼は私の目の前にやってくる

『この短い間だったけど、沢山の思い出が出来たな。初めは道に突っ立ってる者って感じで、心配で声かけたけどさ。結果はいろいろ助けられた。手始めにルスを助けてもらって、結果無事に合流出来た。ロアも想と出会ってからテンション高かったし、セアも助かってた。ルドはちょっと困っている様子だったけど、それでも助けになってた。それに何より、俺と対等に接してくれた。みんなが危険だと分かったら避難させて、自分だけ戦ってた時もあったな。あの時、改めて俺がリーダーだって意識できた』

そして、私の目を真っすぐ見て言葉を発する

『ありがとう。想のおかげでこのパーティは一歩先に進めたと思う』

『ありがとう。素直に受け取っておくね』

『そうしてくれるとありがたい』

やっぱりオクトはリーダーだ

しっかりする時は真面目にしっかりと言葉を伝えてくる

それが、彼の良いところなのだろう

そんな事を考えていると、彼が話し始めた

『そういえば想、次は天王国に行くんだよね?』

『そうだけど…』

『それなら、俺の弟がいるんだ』

いやお前もかよ

『弟は俺より強くて、三兄弟で最も速く動体視力も良い。俺は月光を使うが、あいつは超光を使う。天の騎士団の美徳と呼ばれる特殊組織に所属していて、あいつは希望という二つ名的な物があるんだ』

『そうか…あったら何か伝えたいことはあるか?』

『いや、特にないさ。ただ元気に冒険者やってるって感じの事を伝えてくれ!』

『分かった。リーダーの約束はしっかり守ろう』

『はは!ありがとう』

そう言って彼は戻ろうとした

『オクト、ちょっと武器貸して』

そういうと、オクトは振り返りこちらに言葉を返してくる

『いいけど、何かあるのか?』

そう言いながらも、彼は剣を渡してくる

信頼を感じつつ、均衡の主の加護を掛ける

彼の剣には精霊、改めてゴーレムが宿っている

精霊の進化系はゴーレムなので、まあ命名も納得だ

詳しくは分からないが、精霊が進化した説もある

ゴーレムは元より魔物

だが、指示を従う魔物である

魔物は混沌が必要である、そして意思を持つには秩序が必要…

この剣に均衡を少しだけ与えると、強化される訳だ

『はい、返すよ』

『えっと、何したんだ?』

『均衡を与えて、ちょこっとだけ強化したよ。ゴーレムも相当な強さになったはず』

『…!よくゴーレムが宿っているって分かったな』

『まあね、私の目は誤魔化せないんだよ』

『想、ありがとう』

『ああ』

そういうと、オクトはそのまま戻って行く

『これで、全員分だね』

『ああ。これで別れの準備も整ったな』

『……ああ』

『じゃあ』

そう言って、彼らは私の顔を見る

とても何か言いたげだったから、私から話す

『今まで、ありがとう。元気で過ごすせる事を祈っているよ!』

『『『『『…!ああ』』』』』

彼らは声を揃えて言葉を返す

そして、彼らは踵を返して、ホバーカーに乗り込む

『じゃあ、元気で』

彼らに声は届かない

あの車は割と防音性が優れており、外からの声は届かない

窓からは、彼らの顔が見える

その窓からはこちらに手を振る様子が確認できた

私もしっかりと振り返して、彼らを見送る

少しばかり悲しいが、別れは新たな出会いの始まりでもある

…なんて創作の終わりの様な言いざまで此処を離れようと思ったが、そんなのは私の性には合わない

さあ、私も準備をしなくては

どうもどうも

長い!

とっっっっっても長い!

何ですか四千九百文字って

確かに鍵括弧も含まれていて、話も多い為まあまあな文字数を稼いでいると思われるが、それはまあ……

あっ、鍵括弧ってなんだよって方のために、『』←これです

ってか鍵括弧ってこう書くんですね、初めて知りました

少なくとも、私が文章中に出て来たとしたら読めません

…ここまで読んでいただきありがとうございました!

ではでは~

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