35:秩序/混沌
想ちゃん、まさか貴女が均衡の主だったなんて…
正直以外ではある
でも、どこか納得感もあった
彼女は混沌によるアンの暴走を治め、彼女を蝕む混沌を吸収した
吸収した混沌は彼女の体の中で安定していたと言われている
実際はわらわ自身で見たかったものだ…
悲しきかな、わたわの目の前に来た時には既に混沌は消えていた
今回の黒幕の事を考えると、恐らく奴が彼女の混沌を奪ったのだろう
はぁ…本当に困ったものだ
この国で研究して、魔物を生み出せるほど混沌を扱える物が出来た
だけど、生き物達は混沌の事をまだまだ知らない
そして、彼女が今使っている秩序も又謎多き力
混沌よりかは使われているが、混沌よりも謎な力として有名だ
その研究は混沌と同じくほぼ不可能と言われるほどだ
今利用できているのも混沌と同じく創造の主が作った機械
主以外で利用できた者は今だ存在しないのだ
そのせいで、そもそも何で魔物の自然誕生には混沌が必要なのかとか、秩序と混沌の関係性、何故秩序は混沌を打ち消してしまうのか…
挙げてしまえば限りがない程だ
まあ、それもこれもこれまで主が現れなかったのも原因だと思われる
主を持つ力は実験が難しい
その理由は単純で、実験の必要が無いらしい
それぞれ主へと覚醒した時、力の解説がされるらしい
そして、関係した物の説明までしてくれるそうだ
つまり、いずれ解説が来るから、研究しなくてもいいっていう事なのだろう
とういうことで、秩序、混沌は分かっている事が少ない
現状、生み出せる創造の主でさえ、詳しいことは分からないそうだ
一度実験に協力してもらったが、生み出す事はできるが、それをずっと維持させるのが、とても大変そうだった
最上位の神と崇められた者でも、他の主の力は難しいようだった
今回主が現れた事により、様々な謎が解明される事になるだろう
ただ、問題もあるにはある
彼女は記憶を失っている
この世界で記憶を失うには、仕向けないと不可能なのだ
生き物の記憶は常に謎の力で守られている
それを断ち切る為には混沌が必要だ
それ以外で記憶を失わせる事は今の所、見つかっていない
安易に表舞台に立つと、狙われる可能性がある
想はどう考えているのか
あの子は無邪気で可愛らしい笑顔の奥にはいろんな思考が埋め尽くしていると勝手に思っている
記憶の件も分かっているだろう
彼女がどう考えているかは、この件が終わった後に聞いてから報告でもするか…
はぁ、それにしても創造にどう伝えればいいんだ
根源的主と呼ばれる者達
簡単に言うと予言力の主達の事だ
彼女達はわらわ達種族的主とは違い世界を守っている
ずっと危惧していた聖剣の行方が後一つなのはいい事なのだけど、新しく誕生した根源的主が持ち主…
はぁ、まあ彼女が均衡の主だからっていう言い訳で何とかするしか無いのか…
そういえば均衡って何だろう
創造から聞いた事はあったけど、詳しくは知らない
わらわは、自室の棚に置いてある創造から貰った本を開く
その本はこの世に現れる根源的主の力の簡単説明が書いてある
今いる主達は詳しく書かれており、残りの秩序と混沌は簡単に書かれている
しかし、この本に秩序の主や混沌の主なんてページは存在していない
代わりに均衡の主のページがあるのだ
わらわはそのページを開き、目を通す
…なるほど
確かに、予言には一つになると言われている
どうやら均衡の主は、秩序と混沌が一つに混ざった力と説明されている
そうなると、恐ろしい程の者が誕生するかもしれない
今、冷静になって考えてみれば当たり前だ
均衡の主…
それは、この世界の均衡を守る実力を持った主なのかもしれない
彼女は、その力を世界の為に使うのか…
いや、愚問だな
彼女は選ばれた存在
そこら辺も考えられて選ばれているだろう
そんな事を考えながら、わらわは窓の外の景色を見る
するとそこには、想がいた
窓越しにレヌーと目が合う
向こうがそれに気付くとこちらに微笑みかけてくる
私は手を振って他の所へ飛ぶ
比較的高い所から全体を見回す
いいか悪いか、暇になってしまった
あの混沌の塊には秩序を纏わせた杭を構築して突き刺しておいた
よって、その杭が抜かれない限り活動は停止したままになった
後半の方は、秩序の槍を放つだけでは消えないような弱い魔物しか出なくなっていた
下の者達は魔物を簡単に倒せるレベルの弱さだが、数が増えたのだ
流石にめんどくさいし大変そうだったから、強引に混沌の塊を停止させた
今の所、再起動する様子も無く、私の目論見は成功した
後は上の奴を叩き潰して返してもらうだけなんだがな…
そんな事を考えながら上を見上げる
そこには奴が適応している姿があった
まだなんだなぁ
公平に戦うみたいな事考えていたけど、ここまでくるとめんどくさくなってくる
…そうだ!
『彩、聞こえてる?』
私は、彼女の事を考えながら彼女に話しかけるように頭の中で言葉を考える
『聞こえるよ。どうしたの、想』
直ぐに声が帰ってきた
どうやらこの会話方法だと、一切言葉を発することなく会話できるようだ
『えっと、君のエネルギー分けてくれない?』
『え?魔力と同じ要領で君の中でも湧き出てるはずだけど…』
『あっ。これ共有じゃなかったの?』
『そうだね。それは想だけの物だよ』
『ごめん、共有だと思ってた。ありがとうね』
『いやいや。問題ないよ』
そうして、彼女との会話を終える
混沌は秩序を打ち消す
それが当たり前だと思っていたのだが…
先ほど秩序に混沌を当てたとき、秩序は消滅した
本当にまぐれだったんだけどね
つまり、相手の攻撃を受けたら相当なダメージを受ける気がする
こっちからしても同じことを言えるのだが、私がダメージ受けるなんて思ってもいなかった
まあ、どうやら彩のエネルギーも上限はあるにしても、相当尽きないようだった
予言が勝ちを差していて、それが絶対だとしても私は一切の手を抜かない
正々堂々全力でぶつかって初めて勝利だと思う
自分ながら面倒な考え方をしているということは分かっている
だが、今回ばかりは完全勝利を収めたい
それで始めて恨みが晴らされるのだ
私の力を奪った罪は重い
というよりか、主の力を奪ったこと自体この世界の均衡を揺るがす大事なのだが…
まあ、どうであれ私の記憶を奪った…いや
私を殺そうとしたあいつを私は正々堂々無力化し、奴を私のように牢獄にぶち込んでやる
私だってそこまで鬼ではない
命を取らないだけありがたいと思ってほしい
ただ、私の旅が終わった後に二度と終らない苦痛を味わってもらう為に生かすだけなんだけど…
…そんな先のことはまだいいか
今はただ、奴を無力化しなければ
私のやりたい未来も、空想で終わってしまう
私は傲慢なのだ!
欲しい物は手に入れて、やりたい事はやる
それが私なのだ!
…やってる事やばいな
もうちょっと他者の事考えた方がいい気がする…
そんなことを適当な事を考えていると、上から轟音が聞こえた
見上げると、奴の適応が終わった様子だった
よし、殴りに行こう…っていうことはせず、一回彩に連絡を入れる
『彩、私が門を閉めてって言ったら閉めれる?』
『へ?まあできるとは思うけど…どうしたの?』
『いやね。被害を押さえる為に門と開閉して欲しいなって』
『分かった。できるだけ私が開閉できるように掛け合う。できるようになったら一回閉めるね』
『ありがとう!』
彼女にそう言葉を返す
彼女が開閉の権限を持とうとしていたのは、恐らく私が頼んだ時に直ぐ開閉するためだと思う
私の考えている事が簡単に伝わる
こう考えると、とても便利な仲間だと思う
私は彼女のありがたさをしみじみ感じつつ私は奴の元に飛んで行った
『よお、久しぶりだな』
私が声を掛けると奴はこちらを見て呟く
『ふん。頭が高いんじゃないか。儂、いや我の事を誰だと思っている?』
『簡単だ。混沌の主になりたかったなりそこないだろ?』
『ほう、我をそこまで愚弄するか』
奴はゆっくりと話す
一人称を我に変えて主にでもなった気なのか?
こいつは結局選ばれた者ではない
結局はその辺の生き物と変わらない者なのだ
『後悔するがいい!』
そうして混沌の帯のような物がこちらを攻撃してくる
ここまでくれば、帯ではなく鞭だな
私はそれを奴の倍の量の秩序の攻撃にぶつける
すると、奴に秩序が入ったようで呻き声を上げながら離れていく
『おいおい。私の顔を忘れたのか?やっぱり年だからボケてんのか』
私は煽るように奴に話しかける
その言葉に改めて顔をまじまじと見てくる
そうして、直ぐに顔を引きつらせた
『お、お前は…』
『ようやく気付いたのか』
さあ、戦いを始めようか
どうもどうも
こういう物を作っていると感じることがあります
それは、〈自分、語彙少ないな〉って感じるんですよ
なんか引き出し開いても、いい言葉がないどころか、最近言葉忘れがちだったりするんですよね
…割と致命的じゃないですか?
まあ、気合いで何とかしましょう
ここまで読んでいただきありがとうございました!
ではでは~




