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生き物達ノ中央世界  作者: 葉都
草龍国編
34/65

34:覚醒

外に出て空を見上げる

そこにあったのはさっきまであった美しい朝焼けの景色ではなかった

『そ、空が…』

アンが声を上げる

無理もない

空は先ほどの明るさが嘘かのように漆黒に包まれており、普段見える星々の光すら消えたように見える

世界樹の上空にはアメジスト並みに綺麗な光を放っているが、その正体は混沌

そしてその光の中心にいる者こそ今回の黒幕であるヴォーム・アルーメという男だろう

これが、世界に新たな主が誕生した瞬間の景色

本来誕生の瞬間はとても美しいと言われているが、空が黒いのは無理やり主になったからか、はたまた混沌の主誕生の演出なのか…

今はそんな事知ったこっちゃない

やらなければ行けない事はただ一つ

奴の為に用意された席など無い

奴を引きずり下ろし、座るべき者を待つだけだ

その時、後ろからベグーの声がする

『総員。配置に着け!何が起きても良いように、柔軟に動け!』

すると、兵士達が動き始める

その中には同じパーティのメンバーもいた

私が見つけたときにはもうみんな走り出していた

だが、オクトは振り返り、こちらに拳を勢いよく伸ばす

届かないような距離だが、私も拳を伸ばすとオクトは笑顔になりみんなと一緒に走って行った

こんな別れはダサいから帰ってきてくれよ…頼むから

地上には混沌の塊が降ってきている

それは直ぐに気のような形になり、その周辺から魔物が発生している

私が周りを見渡しているとベグーが後ろから話しかけてくる

『想。一緒に行かなくて良かったか?』

『ああ。どうやら私にしか出来ない事があるみたいだからな』

『…?』

その場に居るみんなの頭に疑問符が出る

どうやら、予言通りに事は進んでいるようだった

予言にはこう書かれている

他者が奪い行使した時に覚醒するだろう

この場合、既に奪われた力が行使されたのだ

つまり、奪われた者の秩序は既に覚醒しているのだ

そして、爆発に気を取られていたが私の中にある封じられていた力が解放されていた

秩序の権化、それがその力の名前だ

さあ、先ほど引きずり下ろして席を開けてもらおうみたいな事考えてたが、前言撤回

絶対に引きずり下ろしてその力、その席を奪う

それが定められた運命であり、私の意思でもある

ずっと疑問だった恨みもようやく解けた

あいつが私の力を奪った

奪われたものは無理やりでも返してもらおうか

ただ、この力は解放されたばかりで、一度も使ったことがない

まあ使い勝手は混沌と同じだろう

私は同じように秩序の槍を構築し、混沌の塊に投げつける

すると、付近の魔物は全て消え、塊は色を失い活動を停止する

なるほど、これが秩序の力

そりゃ混沌だけだと秩序相手には勝てないわ

私が勝手に納得しているとアンが話しかけてくる

『そ、想。それって…』

『秩序だよ?』

『えっと…それっていつ手に入れた物ですかね?』

『ついさっき覚醒した』

『つまり、探さないとなってなってた者はこんな近くに居たって事であってる』

『うん。あってるけど…』

するとベグーが話しかけてくる

『なるほどな…想、大将達はどうしてほしい。援護に行けるとは思うが…』

『大丈夫、必要ないよ。向こうは主になって間もなく、しっかり制御する為には適用しなければならないが、適用にはまだまだかかるはずだ。その分私はもう適用済みで使用も慣れている。差は歴然だよ』

『そうか。応援が必要になったら教えてくれ』

『分かってるよ。あ、そうだ。彩、彩も下で暴れといて』

『え~。今回くらい一緒に戦おうよ』

『いや、今回は私との因縁が存在しているからね。私自身の力だけでちゃんと勝ちたいから』

『…想がそこまで言うなら。分かった』

『ありがとう。さてと、あいつが適用するまで、混沌の塊でも壊して回ってくるから!』

そう言って私は地面を踏み込み、飛び上がる

混沌の時とは違い、秩序いくらでも使える

魔力は上限があるが、秩序は上限なんて物存在しない

これが、この世界の頂点に立つ者達の力なのだ

私は羽を構築し、飛び回る

上空を見るが、こちらを攻撃してくる様子はない

まあ私の鬼ではない

正々堂々と適用した後に完膚なきまで叩き伏せるまで

それまで、下の救援をしなければならない

先ほど止めた塊は色を取り戻し、魔物も誕生し始めている

どうやら上の奴を取り返さないと完全破壊は出来ないようだ

まあ一時的な活動停止でも相当な効力を発揮するだろう

やる事は塊の一時的な活動停止だ

私は秩序を惜しみなく使用し大量の槍を構築する

そして、都市を回りながら塊に投げつける

着弾した場所付近の魔物は全て消滅し、塊も色を失う

時折、一撃で消滅しないような弱い魔物がいる

その場合はしっかり命中させる事で倒せる

にしても、これまでの苦労が嘘かのように消えていく

今回出ている魔物の最高レベルはベヒーモスやバジリスク、バハムートやフェンリル、デュラハンといった最上位の奴らばっかり

魔物の源は混沌と言われている

その源を扱う者ということはそりゃあ一体一体最上位の奴を生み出すのは理にかなっているのだが…

それも秩序がなければの話

混沌の量が多ければ多いほど強いのだが、同時に秩序には弱くなっていく

だからそこまで混沌を持っていない弱い魔物の方がちょっとめんどくさいのだ

だが、大体は槍を命中させずとも消える

消えないのはスライムとかゴブリン程度の一般兵士なら楽勝なレベルだ

…自分で言うのも何だが、あまりにも強くなるのが早すぎる気がする

まあ強ければ強いほど、安定安心して故郷を探せるからいいんだけど

にしても私は地上からどう見えているのだろうか

戦場に休息をもたらす天使なのか、それとも最上位級の魔物を一気に消していく化け物なのか…

まあどっちだっていい

そんな感じで、ちょっと暇なレベルで飛びながら槍を投げていると上から混沌の弾幕が降ってくる

文字通り弾の幕が出来上がっている

普通だったら絶望何だが、今は違う

私は大量の魔法陣を上に向けて展開し秩序を乗せて起動する

すると、少し前に見たよりも多い光線が空を覆う

その光線は自由自在に方向を変え弾幕を打ち消す

そして、弾幕が放たれた魔法陣おも粉々に砕く

ん?

少し気になった事が出来た

そうして、私は槍を外側に投げる

すると相当な飛距離飛んで行き、門によって消える

そうだ!

この国、門があるわ!

ベヒーモスは街の外に移動させた

今考えてみればあの時にはオフにされていたのか壊れていたのか分からないがもう無かったのか…

てか考えてみれば歪みに投げた槍ってこの門に消されたんじゃね?

消え方も同じだったし

つまりあれは二つ目の門と一つ目の門の間か一つ目の門より外って事になる

…だいぶ遠くね?

もしかしてたけど、あそこまで飛んでいかなければならない?

…めんどくさ

なんであんな場所なんだよ

門も閉じてなくて良かったよ

おかげで飛んでいける

じゃないと破壊するところだったからね

その時、耳に声が響く

『――あ――こえてる?』

へ?

『もしもーし、私だよ。彩だよ』

『え?どうやってんの?怖…』

『怖いとは何だよ。これも一様貴女と私の契約の一つだけど…』

『え、そんなのあったの?』

『うん』

私は気になった事を聞く

『…どうやってるの?』

『簡単だよ。相手の事を考えながら話したいな~って思ったら』

『わお、とっても簡単』

『そうでしょ』

彼女の声は自慢げだった

どうしてだろう

姿を見なくてもなんとなく様子が想像できてしまう

『えっと、それで用件は?』

『あっ。えっと、門を閉鎖するかの会議をしてるんだけど…』

『やめてくれ。奴の元に行けなくなる』

『あれ、あそこそんな遠くだったの?』

『そうだね。混沌の拡散の心配は無いから門は開放しておいてくれ』

『分かった。そう伝えておくね』

『あっ、ごめん。後一つ』

『どうしたの?』

『門って閉めようと思ったら直ぐ閉められる?』

『分かった。それも聞いてくるね』

『ありがとね』

私がそう返して会話は終わった

さあ返事を待ちつつ、奴を待ちますか

どうもどうも

すごいですこの話

何がすごいって、そういえば話してなかったなって事を割と無理やり解説してきたのですが、それが伏線のようになっていたのです

前も確か話したように、割と流れるままに書いているので、これは私自身も衝撃を受けましたよ…

まあ、そこまで壮大な伏線って訳でもなく、無意識にそうなってしまっただけなので、そこまで考えずに読んでいただけると、こちらとしてもハードルが上がるずに済みますので…ね

ここまで読んでいただきありがとうございました

挨拶も成り行きで変化します、猫のような物です

ではでは~

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