31:不死身
なんとなく目を覚ます
時間は四時三十二分、早すぎる気もするし睡眠時間も短い気がするが、準備を始める
そうして準備が終わり、少しゆっくりしてから出ようと思い椅子に座り込むと、扉からノックが聞こえてくる
『ん』
そんな言葉化も怪しい音を鳴らすとアンが入ってきた
『想。準備できてる?』
『えっと、何の?』
『あっ。急ぎ過ぎた、ごめんね。でも、ゆっくり説明する時間は無いから行きながらでいい?』
『…わかった。出来る限り急ごう』
『話が早くて助かる』
私は立ち上がり廊下に出る
周りを見渡すと辺りは静寂に包まれていた
外の景色は少しだけ明るくなってきた程でまだまだ暗い
彼女は私を見ると扉の方に歩き始める
私も彼女の隣に並び共に歩く
『状況を説明するね。ちょっと前、各所に大型の魔物が六体現れたの。こんな深夜からね』
『それで私?』
『そういうこと。こんな時間に手伝ってもらうのってなんだか申し訳ないじゃん?』
『私は申し訳なくないんだ。へ~』
『そ、そういうわけじゃ…』
『冗談冗談!全然頼ってもらっても構わないよ』
『ありがとうね、本当に』
『いいからいいから。それで、私は一体相手にすればいいんだよね』
『そういうこと。じゃあ、あたしも行ってくるね!』
そういって彼女は世界樹を出て行った
私も後を追い、外に出る
轟音が街中に響いており、戦いが激しいものだと想像できる
そして目の前にいる魔物が咆哮している
その見た目からベヒーモスだと思う
ただ全身が黒に覆われている為、ブラック種だと思われる
私は裁断のバトルアックス改めて彩を持ち、掛ける
直ぐに高く飛び上がり彩を振り下ろす
斬撃はベヒーモスの体を一刀両断する
そのままベヒーモスの後ろに着地し、振り返ると信じられない光景が広がっていた
魔物の断面から真っ黒な帯のような物が複数生え、まるで生物のようにうごめき、もう片方の断面に入っていく
そして互いを引き寄せ合い、ベヒーモスはこちらを向く
はは、こいつは生と死の概念の常識を覆している
はぁ、私の前に現れる魔物はどうしてこうも変わったやつばっかなんだ
奴はこちらを見て警戒する
おそらく、こいつとは長い戦いになる
ここで戦うと被害が出る
私が彩を持ち直すと奴がブレスを吐いてきた
そのブレスを切り刻むと爆破し混沌が周囲にまき散らされたが、私には無意味だった
私は全てを吸収して奴の下にもぐりこみ、上に蹴り上げる
混沌と彩のエネルギーを使った一撃は相当だったようで、その巨体は信じられない程高く上がった
そのまま飛び上がり、奴の腹部にもう一発、今度は街の外に向けて蹴る
その巨体は又も吹き飛び、狙い通り街の外に吹き飛んだ
着地地点には多少クレーターが出来上がったが、まあ何もなかったし問題無いだろう
私は羽を作り出し飛行する
周りを見渡すと、みんな街の外で戦っているようだった
そんな事を考えていると又もブレスがこちらに向かってきていた
同じように対処し、混沌を補給する
私の体内では混沌を生み出すことが出来ない
奴は定期的に補給してくれるから惜しみなく混沌が使える
そうして奴の元に急接近し額に彩ではなく、魔岩で出来たバトルアックスを突き刺す
奴は倒れ、動かなくなる
私は少し離れた所から眺めるとバトルアックスが勢いよく抜けこちらに飛んでくる
飛んできたバトルアックスをしっかりと掴み奴の頭を見ると、突き刺した額から、又も真っ黒な帯のような物が飛び出ていたかと思うと、直ぐに引っ込む
おそらくだが、こいつは混沌を相当与えられた魔物か混沌の何かしらを使った物か…
詳しくは分からないが、混沌に関係しているのは確かだ
ただ、分かることが一つ
こいつはいくら倒しても死なない
もしかしたら上限があるかもしれないが、いつになるか分からない以上、体力を温存したほうが良いだろう
そして、もう一つ
もし全部が似たような奴だとしたら、元帥という指示役が奪われているのはきつい
そしていつ倒せるかも分からない
もし、この時に黒幕が動き始めたら、対応できる者が少なすぎる
更に、綺麗に六方向にばらけているという事は分散させられたと言うことだろう
仲間の安否が分からない所で孤独に戦わなければならない
情報交換も必要だ
こういう時に私の能力の腕の見せ所って訳よ!
『彩!こいつを任せていい?』
『いいけど…何か作戦が?』
『そう。詳しくはめんどくさいから。私を信じろぉ』
『わかったわかった』
そう言うと、彼女は一つの指を勢いよく横にふる
すると奴の四本の足が全て切り落とされる
その痛みからか奴は叫ぶが、彩が口を開く
『うるせえよ。想の邪魔だ』
そう言いながら、彼女は指をあらゆる方向に振る
すると奴は、細切れになった
中からは球体が現れる
『へぇ。あれがコアか』
笑みを浮かべながら彼女は呟くと指を縦と横に一回ずつ振る
するとコアは四分割された
しかし、これまた帯のような物でくっつき、肉片一つ一つをくっつけていく
私は目を瞑り、能力を使い初める
『へぇ。これでも生き残るんだ~』
彼女の多少笑いが混じった声だけが耳に届く
『ふふ』
楽しそうな声を聞きながら、私は構築にいそしむ
『ありがとね。彩』
時刻は五時七分
少々時間が掛かりすぎてしまったが彼女が楽しそうだったからまあ良い
『彩、そいつだけを止めれる?』
『OK~』
彼女は軽く言うと、エネルギーの塊で奴を潰す
『出来たの?想』
『そうだね。これ』
そうして、彼女に物を差し出す
『これは?』
『通信機。今回の為に作ったから範囲はこの街から半径200m程離れたら切れちゃう』
『それで、どうするの?』
『これを他の大将、元帥に渡して。君も付けておいてね。そして、元帥と戦闘を変わって』
『わかった。元帥の余裕を作るのね。了解』
そう言うと彼女は勢いよく飛んでいく
『チッ』
こいつ自体はそこまで強くない
だが、あまりにも回復力が化け物だ
それに分裂しやがる
今、俺が退治しているのは恐らくデュラハンだと思わる
だが、いくら潰しても復活し切り裂けば分裂しやがる
どうするかな
そうしてハンマーを振り、一体吹き飛ばす
此処には軽く十体ほど居る
どうすっかな…
そんな事を考えた刹那、多数の青白い斬撃が上から降ってくる
その斬撃はデュラハン三体を切り刻み、出て来た球体を砕く
すると一体は復活したが、二体はそのままだ
『この程度か、何とかなるな』
『君は?』
『彩って名前だよ』
彼女は名乗りながら片手間にデュラハンをかたずけていく
『にしても、武器相性悪かったね~』
『ああ、助かった』
『あ、そうそう。これ耳に付けて』
そうして少女から機械を受け取る
『これは?』
『通信機だって。これをどう使うかは自由だけど、私的には情報交換とか、会議に使ってほしそうだったよ』
『そうか、感謝する』
そうして彼女から受け取った機械改め通信機を見る
『通信距離はこの街から200m以内ね』
『分かった』
『じゃ。指令室行っておいで!』
『…!待ってくれ、流石にそこまでは…』
『想からの命令っていうかお願いっていうか…まぁ、ね?』
『想が…!分かった。度々、感謝する』
彼女に頭を下す
『頭を上げてよ、私はそこまでの事をしてない。感謝は想にして』
『分かった。恩に着る』
そう言い残して彼女の元から離れ、指令室に戻る
にしても、彼女は何者だったのだろうか…
想との知り合い、外見から種族は分からなかったが、空中を飛行していた
…何者だ?
まあいい
俺は街を走りながら、耳に通信機を付ける
すると、ジェネの声が聞こえて来た
『yくこんなもの作り出しだなぁ、想』
『ああ、それは…』
『あー!あー!』
『おい、アン。妨害しているだろ』
『え、ええ!そ、そんなことないけどぉ~』
『はいはい。そこまでだ』
俺が声を上げると静かになった
『彩。ありがとね』
『いやいや。命令のだから』
『命令じゃなくて、お願いだから』
『そっか~』
『はっはっはっ。仲がいいんだな。所で彩殿の正体は…』
『うーーん。言って良いの、彩?』
そうして、俺は彼女の正体に耳を傾ける
『全然いいから私から言うね。改めて、私の名前は彩。よろしくね』
『いや、全然重要な所言わないじゃん』
『あれ、言ってなかった?じゃあ改めて、私の名前は彩。一応聖剣の一つで裁断を受け取った聖剣だよ』
その言葉に俺は絶句する
それと同時に理解する
彼女が放ったあの斬撃、それは裁断の力の乗った一撃だった事を
どうもどうも
完成しちゃった…
いやですね、先程まで一切進んでなかったんですよ
だいたい八百文字ぐらい
それが一時間ぐらいでこうなりました
はぁ、始めから頑張ってればいい物を…
ではでは~




