25:訓練
『『『『よろしくお願いします!』』』』
とても大勢の声が聞こえてくる
何で私はこの国の大将四名と元帥並んで、多くの兵士達の前に立っているのか
少しばかりさかのぼってみよう
二日前の夜、元帥であるベグーと一緒に話していた時の事
『なあ、二日後にある軍全体の訓練に顔を出してくれないか?』
『何でさ』
『これから、捜査を本格的に始める。軍の雰囲気を味わってみたらどうだろうと思ってな。それに軍内でのアンや真面目なアグも見られると思うぞ。目立つ事も無いだろう』
『うーーん。分かった。受けるよ、その話』
ってな事があって今に至ると
いやその辺から眺めるだけだと思ってたのにバリバリ目立つ場所に居させられてるんですけど
おい元帥、発言には責任を持て
まあ、今起きている事にとやかく言ったところで何も起きない
まずはベグーに問いただすか
私はベグーが横に捌けるの見逃さずに早歩きで詰め寄る
ベグーも何かは察しているようで、全員の視線を遮ったところで足を止めと振り返った
『さて、ベグー君。なんでこんな事になってるんだい?今回の訓練で私はどういう立ち位置なんだ?』
『すまない、想殿。だが、これででも譲歩したほうだったんだ。君が顔を出すということを大将達に伝えたらな、アンがいろいろ言ってきてな。それはもう長い会議になったよ。で、最終的にこうなったってわけだ。立ち位置は変わってない。見ているだけでいい』
『…まあお疲れ様って言いたいけど、二日あったよね?私に伝えることぐらい出来たんじゃ?』
『…すまない。完全に忘れていた』
『おい、駄目だろ』
『すみませんでした』
私は、邪魔にならない程度に周りを回っている
この訓練場は地下に存在しており、広大な大地が広がっている
ダンジョンの9層がまとまった階層のような広さで魔物も沸くようだ
さっきベグーからこの練習場の仕組みを聞いた
どうやら此処は、人口ダンジョンのようだ
この世界で人口ダンジョンは此処だけで他にはそんな知識が存在していないらしい
開発はダンジョン数が多い鬼の国と技術の為の機械人の国の三か国のみで行っていたそうで、数年前から完成され運用されていたらしい
詳しいところまでは教えてもらえなかったが模倣する必要性も感じない為、特に追及はしなかった
したところで、そこまで極秘で開発した場所の秘密をそう易々と話すとも思えない
私は高所を飛びながら、下の兵士達を見る
ナチュラルに飛んでいるが、彼女らのような羽は持っていない
これも彩のエネルギーのによるものだ
やはりこのエネルギーは常軌を逸している
羽という推進力を持たずに空中を自由自在に飛行でき、エネルギーのみで魔力にも特別な燃料にもなる優れもの
逸話通りなら一本で化け物級な武器が九本分合体していたと聞くと、よくもまあそんな物を作り出したと思う
さて、話を訓練に戻そう
訓練は三日に分けられており、今日は三等兵から軍曹までが大将から少将までの者が教え、明日は少佐から大佐を大将、中将が、三日目は少将、中将、大将が元帥から教わると言った日程だ
今日は特に数も多い為、私が以上に離れて関わらないようにしている
おそらくだが、私が降りたら感謝の声の雨が降るだろう
自惚れだったら顔から火が出るほど恥ずかしいが、街を散歩してるだけであれだけ話しかけられるんだ、そりゃあそう考えるだろう
そんな言い訳を考えながら私は全体をゆっくり飛行している
遠くから見ているせいで声は聞こえないし、様子も詳しくは分からない
だが、軍の相当上の者が直々に教えているのだ
この国は入りたい者が入る物が軍だ
そりゃあしっかりと訓練している事でしょう
そんな様子で一日目は眺めているだけで終わった
本当に眺めているだけでホッとした
二日目もこの調子で眺めているだけでいいなんて、文句が出たのは最初だけだし良い訓練だな~
なんて昨日の私は考えていた
はぁ、どうやら二日目は眺めるだけじゃないらしい
やはり報告ぐらいしてくれよと心から思うのだが、はぁ
ため息は幸せが逃げるというが、逆だと思う
幸せが逃げてるからため息が出るのだと思う
…現実逃避やめるか
私は重い足取りでアンの元へ向かう
既に訓練は始まっており、全体的に広がって個人で訓練している者も居れば、集団で高め合っている者、魔物を討伐している者と様々だ
全体の中心にはアンがおり、全体を見守っている
他の者が見当たらない所を見るに、多少離れている場所を見守っていたり、教えていたりするんだろうか
にしても、このまま行っても面白味が無い
こっちはアンの居場所が分かっているけど、アンはあの様子から分かっていないはず
ならやるべき事は一つ!
そう!後ろから驚かす一択だよね
思い立ったら即行動、私は音を立てずに彼女の後ろまで回り込み凄い速度で突っ込む
だが、私は彼女の反応速度をなめていた
彼女は直ぐに爪を展開しこちらに向けてくる
彼女の表情は魔物を見る物だった
私は瞬時に空中で後ろに飛び、距離を取る
彼女の方を見ると彼女は衝撃的なを顔をしていた
『そ、想だったの!ごめん』
彼女は駆け寄ってくる
だが、私は異常に気が付き、彼女を静止させる
『止まって』
すると、彼女は素直に止まってこちらの様子を伺ってくる
私の身に起きている異変、それは私の眼帯が今の攻撃で吹き飛んだのだ
『私の右目、見た?』
『ヘ?見て、無いけど…あっ!眼帯外れてる』
そう言うと彼女は飛んだ眼帯を取りに行こうとするが、私は又も静止させる
『大丈夫だよ』
立ち上がり、右目を瞑って彼女に微笑みかける
左目だけを開けて彼女の表情を見ると少しは安心したようだった
それを確認した私は右瞼に中指を当てて能力を使用する
すると、直ぐに眼帯が装着される
やはり、普段身にまとう物は、能力で作るに限る
壊れたとしても、直ぐに新しいのが作れるのが強みだな
『そ、想。今の力は?』
『ん?能力だけど…何か?』
『何か言われなかった?パーティメンバーとか、家族とか』
そう言われて私は思考を巡らせる
家族はよくわからないけど、今までの経験上言わないほうが良いだろう
みんなからは…
『…あ』
『はぁ。使わないようにね?想』
『よくわかったね』
『仕事柄ね。そういう能力は狙われやすいと思うから』
『まあでも、アンの前だし、ね?』
『私が悪い者だったらどうするのさ?』
『そうだったら、こうかな』
私はそう言いながら後ろを見る
彼女はポカンとしているが、直ぐに気が付いたのか、爪を展開する
そんな彼女に、私は腕に抱きつき、身動きを取らせないようにする
『想!離し…』
彼女が言い切る前に猛突進してきたいたミノタウロスが姿を表す
奴の奥には急いでこっちに向かってきている兵士が居た
まあ、一様沸くようにはなっているがボスだけなので、何らかのバグが発生したのだろう
私はミノタウロスの周りを結界で囲み奴を固定し一撃を放つ
その瞬間轟音が鳴り響き、地響きを感じる
凄い勢いの風を受け、同時に土埃が舞う
私はずっと抱きついていた彼女の腕から離れると、彼女は羽を使い土埃を羽の力で一気に晴らし、その光景を目の当たりにする
そこにはとても大きい金属製の槍のような物が地面に突き刺さっており、魔物は跡形もなく消えていた
アンの顔を見ると目を大きく見開き、少し口が開いていた
『ちょっとオーバーキルだったかな?』
あんなに硬かったゴーレムを一撃で粉砕した攻撃を普通の肉体を持つ魔物が耐えれるはずが無い
更に、自由にエネルギーを増やせるようになったせいで更に速度が上がった一撃なんだ、オーバーキルだったか
『そ、想。アレ、何?』
彼女は槍を指差しながら私に聞いてきた
『うーーん。ダンジョンに行った時の、副産物?』
『事前に作られていた物ではないし、アイテムか何かなの?』
『いいや、能力』
そう言うと彼女は額に手を当てる
まるで呆れているようだ
『…想。そんなものバンバン撃てるの?』
『いや、エネルギーを溜めるのに一分半かかるから、そんなバンバン打てるものじゃない』
『それでもだよ。自由に空中に用意できて、たった一分半で高火力を放てる。奇襲には十分どころかやりすぎレベルだよ?』
『確かにそうかも?まあそんな使い方はしないよ。つまらないし』
『つまらないって、そんなに戦闘好きだったの?』
『実際、緊急じゃなければ戦闘を楽しみたいね』
『そっか…』
彼女は私の言葉で考え込んでいるようだった
『とりあえず、想にやってほしい事は明日の為の実力を測らせてほしかっただけだし、もう大丈夫だよ。私の元で休んでく?』
『そうだね。訓練を間近で見させてよ』
私は彼女と共に行動したのだが、アンの件で感謝されることは無かった
うんうん、これでいいんだよ!
おそらく、ベグーから話されたのだろう
私は朝からはいなかったから分からないが、多分そうだろう
私は心の中で感謝しつつ、訓練を見守った
どうもどうも
先ほど、此処までの文字数を確認したのですが、九万ちょっとぐらいでした
これは物語だけなので、この作品合計だと十万を超えるのですが、まあ、まだまだですね
この作品はPCで打っているのですが、某寿司タイピングゲームが以上に上手になってましたね
この量文字打つとこうなるという学びを得ました
ではでは~




