【これまでの登場人物】
〇簡単な第一綴のおさらい
【第一綴 『眠る琥珀と禁忌の女』】
序節:
幼くして戦錬士としての技術を叩きこまれた少女イルファンは、育ての親にして師匠であるリアトと共に禁足地である忌地ローレッド山脈で暮らしていたが、ある日、修行の最終課程である奥義習得の為に皇都エルトリアムへと登ることとなった。銀の風やノーラン平原を駆け抜け、二人は最初の大都市であるフィロレムとその貧民街であるドピエルへ入ることになる。
一節:
皇都エルトリアムの都主である第一皇太子ローレン=ノーランは政敵である熱部貴族の領地ボダットで奇妙な失踪事件が起きていることを耳にする。この事件の陰に熱部の主デルフォイの不審な動きを見て取ったローレンは傍付であるラツィオ=メインを送り込み、熱部の陰謀を探ろうとしていた。
奥義習得の為に皇都へ到着したリアトは、そこで、昔の恋人であるルハランと再会するが、その最中に琥珀髪の少女イルファンは攫われてしまう。第二皇太子であるルハランと仲間の活躍によって敵の足取りを掴んだリアトは、皇都エルトリアムの街中でデルフォイ家の次男アルトと強大な魔法士『骸』と闘うこととなったが、二人の戦錬士によってリアトは惜しくも捕えられてしまう。最早、為す術なしかと思われたその瞬間に現れたのは、イルファンを皇都に呼び寄せた張本人である剣王レアーツ=ルーミンであった。
二節:
イルファンが皇都へと入ったまさにその日、皇太子ローレンは皇貴会議と呼ばれる重大な会議を控えていた。だが、そこに至るまでの全ての過程がローレンの政治的敗退を予言していた。そのため彼は、自らの敗北を避ける為に起死回生の策を打つことにする。それこそが傍付ラツィオ=メインによるデルフォイ家への査察であった。
だがこの日はローレンにとって大変な厄日であり、彼は自らの顧問官と微妙な緊張状態を保ったままで、父である皇王ラハリオとも対決することになる。またそれが済んだかと思えば、弟である第二皇太子ルハランが彼へと刃を突きつけた。辛くもイルファン誘拐の疑いを晴らした彼は、自らの目的の為に、リアトとルハランに協力することになる。
三節:
熱部ボダットに派遣されたラツィオ=メインは傭兵レグルスやガーリオンと共に熱部を蹂躙する魔獣パーンリアを撃退するが、それは魔獣を操っているのがデルフォイ家だと知ったためだった。熱部の安寧とローレンの復活の為に、彼は仲間と共にデルフォイの邸宅へと正面から乗り込む。
だがしかし、それはデルフォイの長女『呪術士』ロンティエルの迂遠な策略によるものだった。ラツィオは彼女らに踊らされるがままに呪術士である彼女と四男であるランツを絶命させるが、彼らを善良な人間だと信じ込んでいたイルファンにとっては、それは忌むべき虐殺でしかなかった。イルファン=バシリアスは自らに秘められた力を暴走させ、ラツィオへと琥珀色の剣を向けた。
その一方、イルファン救出を目的とするリアトと剣王、ローレンとルハランは熱部ボダットの大地に転移していた。彼らは期せずして二手に分かれ、デルフォイの策謀を食い止めることになる。剣王とルハランが熱部術式研究の中心部を制圧することに成功した時、ローレンとリアトはデルフォイ密儀の中枢部への侵入に成功する。そこで皇太子ローレンはかつての師であるグレオン=ラベストリと出会うことになり、皇太子と分かれて地上の邸宅へと入り込んだリアトは、そこでラツィオとイルファンの剣戟を聞くことになる。
傍付ラツィオの命がいまにも消える、という刹那、二人の間に割り込んだリアトは弟子であるイルファンを投げ飛ばした。彼女は琥珀髪の少女を正気に戻すために、少女と闘うことを決意し、彼女を抑え込むことに成功する。意識を取り戻したイルファンとリアトは再会を喜び合うが、その直後にデルフォイの地上の邸宅は深い竪穴『深淵』へと崩れ落ちた。
四節:
〇登場人物紹介
【琥珀髪の関係者】
・イルファン=バシリアス
琥珀の髪を持つ少女で『絶気』の発現者。
別に心優しくもないし、真面目でもない普通の少女。
超人的な剣術の才以外にも、抜群の記憶力を有している。
琥珀の剣を手にすれば人格が変わってしまう。
『剣獣』ヴォファン=バシリアスを父に持つといわれる。
また、彼女自身も『剣子』や『剣獣』と呼ばれることがある。
・リアト=マリオン『捨剣』
真交流の特級剣術士。《速気》と《捨剣》の使い手。
『理剣』のラストの実子にして、イルファンの師匠役。
桁違いに強かったのは昔の話。今は三十路手前の獣。
その身に宿す『古い血』の力で半不死となっている。
・レアーツ=ルーミン『延手王』
今代の真交流剣王。リアトの実兄。
闘気特質は《飛気》と呼ばれるもので、超遠距離まで靈気を放てる。
剣術士としての才よりも十界法則を読み取る才で剣王となった。
ローレンを王にすべく暗躍している。
・クルド=ルーミン『翼狼王』
先代剣王。レアーツとリアトの育ての親。
レアーツによってその地位を追われた。
【熱部デルフォイ家】
・アランド=デルフォイ『雨絡』
熱部守護、デルフォイ家の当主。
乾湿戦争中に反逆貴族を掃討した。
・ルスラ=デルフォイ
第三位軍管理官。非凡な才を持つ軍人。
グレルト王国の小規模反乱を何度も食い止めている。
熱部デルフォイ家の長男にして次期守護。
生来より邪悪な心根を持っており、心中は残虐無比。
その悍ましさに呆れたアランドによって殺害された。
・アルト=デルフォイ『流覚』
ラクトの弟にあたる青年。双子の次男。
非凡な剣才に、恐るべき呪術士の才を併せ持つ怪物。
アランドに殺されかけたが咄嗟の機転で逃げ出した。
その人格は模倣されてアランドの人形となった。
・ラクト=デルフォイ『生蛇』
リアトの旧友。天才的な剣の使い手。
乾湿戦争で軍紀を犯し、ローレンに処刑された。
熱部デルフォイ家の双子の三男。
・ランツ=デルフォイ
リアトの弟子を名乗っていた、熱部デルフォイ家の四男。
姉のためにその肉体を魔獣化させて人形となった。
だが人間を捨てきれず、土壇場で心を取り戻してしまう。
・ロンティエル=デルフォイ
熱部デルフォイ家の長女。
禍忌に属する呪術と術式に精通している。
イルファンの力を奪うために策を弄した。
第二の人格としてラベストリを宿している。
熱部動乱で敗北し、ローレンに捕らわれてしまった。
・グレオン=ラベストリ
熱部最悪の呪術士。乾湿戦争で敵味方に恨まれている。
その正体はデルフォイ家が長年に渡って継承してきた人間神。
人格は単なる模倣であるが、強大な位格は有している。
・アルベール=デルフォイ
先代当主。ローレンに熱部文化膜の継承を託した。
その真意は不明だが、あらゆる計略に携わっている。
若い頃は、並外れた十界繋者だと噂されていた。
【裏王剣】
・シドニィ『骸』
皇族の隠し刀、裏王剣の一人。
・アドフィ『虚』
裏王剣の一人。
・リムビィ『写』
裏王剣の一人。
【ノーラン家】
・ローレン=ノーラン『雲指』『描呪』
魔法の過剰使用によって、魔法制御の力を失くした第一皇太子。
現在は国内有数の術式士として活躍中であるが、問題は山積み。
特に父である皇王ラハリオとの関係は上手くいっていない。
齢30であるが、妻もおらず、ひょっとしたら童貞。
オルンドラ=リディアに言い寄られてはいるが、本人は拒絶している。
ラベストリを取り込んだことで、熱部掌握者としての位格を得た。
・ロギア=ノーラン『奔焔』
第二皇太子。国内に不在。
・ルハラン=ノーラン『傭兵皇子』
第三皇太子。『傭兵皇子』と呼ばれて良い気になっている。
オルンドラの元恋人であり、当人は今でもそれを引きずっている。
『土の手』ロビラ=ケティスや『冷剣』ベルメーラと行動を共にする。
基本的に孤独な人間であり、それゆえ仲間はいない。
・ラハリオ=セン=ノーラン『靈覇王』
ノーラン皇国の第24代皇王。
長い乾湿戦争を終結に導いた賢王。
・フラノイ=ノーラン
ラハリオの第一妻で二人の子。
実家はメイン家であり、ラツィオの叔母にあたる。
・マラテリア=ノーラン
ラハリオの第二妻。
ノーラン皇国の生まれではない。
【ローレンの周辺人物】
・ルディオ=ペンドラン
ペンドラン家の長男。第一皇太子ローレンの顧問官。
通りのよい声を持っており、誰もに嫌われている。
頭が固く、面白味もないが仕事は速い。
ローレンにはひどく嫌われている。
・ラツィオ=メイン『堅鷹』
メイン家の次男にして、第一皇太子ローレンの傍付。
真交流上級剣術士でもある。冷徹でたくましい。
ローレンの幼馴染である。
・オルンドラ=リディア
リディア家の一人娘にして、第一皇太子ローレンの傍付。
真交流上級剣術士。ローレンのために暗躍している。
ラハリオの妹リエル=ノーランの娘でもある。
・シャミィ
脊椎動物亜門哺乳網霊長目ヒト科ヒト魔族ヒト齧歯属ポディキアン種。
ようするに獣人種のなかの鼠人種。傍付の一人。
聴力と敏捷性に優れており、忠誠心は低い。
ローレンには一族を救われた恩がある。
・ピレンネル=ラオコーン『白雷』
ラオコーン家の当主であり、傍付の中では最も強い。
水魔法の限定魔術士。現在はノーラン皇国に不在。
その代わりに息子であるエルネルを預けているが力不足。
・マルス=ルーリア『幽刃』
皇都騎士団の団長。ローレンとは戦場で意気投合した。
仕事は副団長であるフートに任せきりである。
しかし剣の腕と第六感は並ぶものがいないほど鋭い。
真交流上級剣術士としては最強格。
・フート=マルヴィス
皇都騎士団の副団長。ローレンには命の恩がある。
騎士団の運営能力、判断能力に優れた才を見せる。
真交流中級剣術士であるが、魔法も嗜んでいる。
【皇都貴族】
・リオラーン=リディア
乾部守護、リディア家の当主。
オルンドラの実父。
・アリィン=メイン『鋼鷹』
メイン家の前当主。
乾湿戦争を終結に導いた一人。
かつてはラハリオの傍付であった。
・エルリア=メイン
冷部守護、メイン家の当主。
ラツィオの父ステリアの弟。
・ステリア=メイン『旋鷹』
ラツィオの父親で辺境統括官。
メイン家の本拠地であるアルシングの守り手。
・テルメア=フォンドラン
・ミアド=ベリフェス
・グラフェス=セドリーク
・フォイン=バシェル
・バラスト=ミード
・スタラド=リベーツ
・マシール=ラディエル
・パリオ=アルミス
【蟻人】
・ラフィー『陰迷』
・ルル『飛脚』
【その他の人々】
・ロビラ
『土の手』の異名を持つ。
ルハランと行動を共にしている。
・ベルメーラ=ガラマール
『冷剣』。魔剣流上級剣術士。
ルハランと行動を共にしている。
若くして剣術の奥義に到達した。
ラストとフェルティアの娘。
【脳子】
・エルミスタット=ロギオス
『脳子』の一人。
【天獣】
〇四原天獣
「オラン―ハオン」は流れと冷気を司り
「クァロ―ケイン」は停滞と熱気を司り
「ゾイ―ベラン」 は受動と乾気を司り
「ディナ―マウン」は能動と湿気を司る
〇従属天獣
「オラン―ハオン」の従属天獣
吸収「アポルフィジィ」 蛸
聖 「アギオス」 怒狼
光 「フォス」 白蛇
凍 「カタプスティ」 海龍
氷 「パゴス」 暗魚
水 「ネロ」 水蛇
「クァロ―ケイン」の従属天獣
放出「ティポー」 烏賊
邪 「ケッコス」 豹
闇 「スクーロ」 闘猫
溶 「ディアリテス」 岩蜘蛛
炎 「フローガ」 魔犬
火 「フォティア」 灰蝙蝠
「ゾイ―ベラン」の従属天獣
付加「プルスト」 牡鹿
地 「ダフォル」 山蛇
然 「フィシィ」 大蛙
鋼 「カリヴァ」 雄牛
鉄 「スィデロ」 戦獅子
土 「エダフォス」 亀
「ディナ―マウン」の従属天獣
滅却「カタスティレ」 鬼人
天 「パラディム」 雲龍
雷 「ブロンティア」 雷鳥
空 「キッロ」 鷲
嵐 「カティギラ」 鷹
風 「アネモス」 蝶
【フォルド古神】
〇フォルド十二神
裁神 ウルスリノーラ 天雷
天空を支配・正義を司る神
偉大なる父・秩序を乱すものを打ち据える者
クォルスーシ氏族、審判、機構、正、権力、王性
罰神 リゲトーメルク 暗闇
熱部を支配・人々に罰を与える洞窟神・冥府の幽閉者
父神と表裏一体の神・秩序を乱すものを罰する者
ウェルイル氏族、復讐、怨嗟、懲罰、呪い、恐怖
怒神 ルンスメーテア 灼熱
怒りを支配・炎を司る忿怒の男性神
空気に宿る・人々に火を与える神
ナシンドラ氏族、武器、暴力、忘理、競争、戦争、競技
凍神 ドルーメイアナ 凍土
冷酷さを支配・理性と秩序の無性神
氷雪に宿る・氷と雪を司る冷徹な神
アユール氏族
狩神 ラーンフォスル 然
森と山を支配する・狩と獣を司る龍神
ラムリタ氏族
豊神 エークレケトス 地
快楽に宿る・人々に豊穣をもたらす神
グレルケト氏族、性交、生命、商売、栄世
言神 ファリオネール 言葉
規範と言葉と言霊を司る付与の神
あらゆる呪文と魔法に精通している
アスラン氏族
霊神 ケーリアムース 生命
霊力とすべての生命を司る神
あらゆる存在の生殺与奪に関わる神
フォルド氏族
愛神 ハルンリアース 愛
愛という漠然とした概念から生じた神
性愛を司る神ではなく、慈愛を司る神
パティギュリス氏族
法則神 メーンディアス 力
世界の法則を司る概念神格
契約行為の神格化とも
メキアスーシ氏族
光神 アンドロマケナ 光
全ての芸術に宿る・喜びそのものである神
影と苦しみを司る呪いの神でもある
ベルン氏族
器神 エノパリオール 鋼
祭事と祭器を司る神・武具・鉄器を司る神
ウノロス氏族
〇フォルド陪神
造神 フォールダクル 土
被造物に宿る・被造物を守る神
鉄神 アロクシオーラ 鉄
旅神 ランセトーラス 風
暦神 ディオノワール 時
変化の概念から生じた神
物体の変性を司る
冥神 クリーアモルフ
死者の国を治める・鎮魂の神
死、霊魂、慰霊
焉神 アムードリアク 滅
世界の終わりを待つ神
語神 エルシエネース 運命
酒神 ハルシュメール 酒
嵐神 キリオンカール 嵐
穏神 ステルラートア 水
流水に宿る・飲水を司る安らぎの神
異端神 バシーアエイス 無
放浪する神。悪の神。
名も無きものたち ユクラムサニア




