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クラス1の美少女に嘘告白された帰り道、ナンパされていた絶世の美少女を助けたら、まさかのその日に義妹になった  作者: 白金豪


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第62話 帰り道

 学校を出て帰り道。


 俺が真ん中。


 右には星奈。


 左には堺さん。


「どうして堺さんがいるんですか?」


 隣から不機嫌そうな声が飛んできた。


 見なくても分かる。


 星奈だ。


「だって里見君と仲がいいからね」


 堺さんは何事もないように笑う。


「だから一緒に帰ろうかなって」


「そうですか」


 星奈は短く返した。


 その1言だけで空気が2度くらい下がった気がする。


「宗春さんと私の楽しい時間を邪魔しないでください」


 いきなり直球だ。


 俺は思わず横を見る。


「お、おい星奈」


「邪魔してないよ」


 堺さんは全然動じない。


「それに里見君と仲のいい女の子が1人くらいいても問題ないでしょ?」


「問題あります」


 即答だった。


「なんで?」


「宗春さんは私の恋人です」


「恋人でも友達くらい作るでしょ?」


「作る必要ありません」


「いやいや」


「必要ありません」


「そんなこと言ったら里見君がかわいそうじゃない?」


「かわいそうじゃありません」


「いや、かわいそうだよ?」


「宗春さんには私がいます」


「もう1人いてもよくない?」


「いりません」


「えー」


 堺さんが苦笑する。


「星奈ちゃんって意外と独占欲強いんだね」


「意外じゃありません」


「そうなの?」


「はい」


「全然隠さないね」


「隠す理由がありません」


「すごいなぁ」


 なんだこの会話。


 俺だけ置いていかれてる。


「宗春さん」


「ん?」


「堺さんと仲良くしないでください」


「いや、普通に友達だから」


「ダメです」


「ダメって言われても」


「ダメです」


 また即答。


 しかも2回目。


 堺さんが肩を揺らして笑う。


「面白いなぁ」


「面白くありません」


「ごめんごめん」


「笑い事じゃありません」


「でもさ」


 堺さんが俺を見る。


「里見君も大変そう」


「まあ……否定はできない」


「宗春さん」


「はい」


「今の返事は何ですか?」


「ごめん」


「分かればいいです」


「圧が強いな」


「恋人ですから」


 堂々と言い切る。


 恥ずかしいとかないのか。


 俺のほうが照れるんだけど。


 3人で歩きながら住宅街へ入る。


 見慣れた景色。


 あと少しで家だ。


 角を曲がる。


 俺は前を指差した。


「あ、じゃあ俺たち家ここだから」


 一軒家。


 いつもの見慣れた家だ。


「それじゃあまた――」


「私もです」


 星奈が当然みたいに言う。


「…………え?」


 堺さんが固まった。


「今、何て?」


「私もです」


「え?」


「ここが私の家です」


「え?」


 堺さんが俺を見る。


「里見君?」


「あー……」


 これはもう説明するしかない。


「俺と星奈、同じ家に住んでるんだ」


 一瞬。


 本当に一瞬だけ時間が止まった。


「…………」


 堺さんの目がゆっくり開く。


「…………え」


 口も少し開く。


「え……」


 そして。


「え、えぇぇぇぇーーーーーーっ!!?」


 住宅街に大きな声が響いた。


「ちょ、ちょっと待って!」


 堺さんが俺たちを交互に見る。


「同じ家ってどういうこと!?」


「そのままだけど」


「いや、そのままじゃ分かんないよ!」


「私と宗春さんは」


 星奈が1歩前へ出る。


 そして俺の腕へぎゅっと抱きついた。


「義兄妹であり、付き合ってる恋人関係なんです〜」


「…………」


 堺さんが固まる。


「…………」


 瞬きもしない。


「…………」


 完全に処理落ちしている。


 星奈はそんな様子を見ながら少しだけ口角を上げた。


 勝った。


 そんな顔だった。


「え……」


 堺さんがようやく声を出す。


「義兄妹?」


「はい」


「恋人?」


「はい」


「同じ家?」


「はい」


「毎日一緒?」


「はい」


「え?」


「はい」


「えぇぇぇぇぇぇ!?」


 2回目だ。


 しかもさっきより大きい。


 俺は思わず笑ってしまう。


「そんなに驚く?」


「驚くよ!」


 堺さんは両手で頭を抱えた。


「何で教えてくれなかったの? 」


「言うタイミングなかったし」


「あるでしょ!」


「ありません」


 星奈が横から口を挟む。


「宗春さんと私だけが知っていれば十分です」


「十分じゃないよ!」


「十分です」


「いやいや!」


「それに」


 星奈が俺の腕をさらに引き寄せる。


「これで堺さんも分かりましたよね?」


「何が?」


「宗春さんは私のものです」


「ものって!」


 堺さんがツッコむ。


「人を物扱いしちゃダメ!」


「恋人です」


「それでも!」


「だから安心してください」


「何を?」


「もう諦めてください」


「いや、何を!?」


「宗春さんは渡しません」


「別に奪おうとしてないよ!」


 堺さんが頭を抱えたまま笑う。


「なんかもう情報量が多すぎる……」


「そういうことだから」


 俺は苦笑しながら手を振る。


「また学校で」


「え、ちょっと待っ――」


「宗春さん、早く行きましょう!」


 星奈が俺の腕を引っ張る。


「はいはい」


 そのまま玄関へ向かう。


 後ろからまだ堺さんの声が聞こえる。


「ちょっとー! 本当に付き合ってるのー!?」


「本当です〜」


 星奈が振り返りもせず答える。


 どこか楽しそうだった。


 俺は苦笑しながら玄関の扉を開ける。


 最後にちらっと後ろを見る。


 堺さんは道路の真ん中で立ち尽くしたまま、口をぽかんと開けていた。


 信じられないものを見るような目で、俺と星奈を交互に見つめていた。


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