第45話 校内でも
「お兄ちゃんお兄ちゃん! 」
昼休み。
学食で一緒に昼食を取った俺と星奈は、教室に戻る途中だった。
1階の廊下を進む。
「どうした? 」
俺は隣を歩く星奈に対応する。
「ちょっと前に使った空き教室に行きませんか?ここから近いですし」
「それは構わないが。どうしたんだ? 」
俺は首を傾げる。
星奈は何か用事があるのか?
「ちょっとやりたいことがあります。付き合ってくれませんか? 」
「やりたいこと? まあ、いいけど」
俺は深く追及せずに首を縦に振る。
「やった! じゃあ行きましょう。あそこです」
星奈が空き教室を指差す。
俺たちは向かう。
「はい、お兄ちゃん。お先にどうぞ」
星奈はニコッと笑みを浮かべ、空き教室の戸を開けて先に入るように促す。
「ああ。ありがとう」
俺は先に空き教室に入る。
ガチャリ。
戸を施錠する音が室内に響く。
音のした方向に視線を向ける。
どうやら星奈が鍵を掛けたらしい。
「…もう我慢できないです」
星奈は妖艶な表情で俺に迫る。
いつのまにか俺の目の前にいた。
そのまま近くの壁まで俺を誘導する。
俺の背中が軽く空き教室の壁に触れる。
「ど、どうしたんだ? 」
俺は様子の変わった星奈に尋ねる。
「私したいです」
星奈が俺に身体を寄せる
頬を赤くして俺を上目遣いで見つめる。
「したいって…何を? 」
俺は戸惑いつつ尋ねる。
「鈍感です。…キスに…決まってんじゃないですか」
星奈が俺から目を逸らしながら答える。
「キ、キス? こ、ここでか? 」
俺は空き教室全体を見渡す。
ここは学校の中だ。
「誰も見てないから大丈夫です」
星奈は俺だけを見つめる。
決して目を離さない。
「お兄ちゃん。もう私、抑えられません」
星奈は両目を瞑る。
唇を突き出す。
俺に顔を近づける。
「ちょ!? 星奈? 」
俺は星奈を止めようとする。
しかし、星奈の顔は接近してきて。
吐息が吹き掛かる距離まで届いた直後。
チュッ♡
星奈が俺の唇を塞いだ。
柔らかい感触が口全体に広がる。
しばらくキスを続ける。
星奈が解放してくれない。
ただ満たされている何とも言えない 幸福な感覚があった。
「ぷはっ」
何秒間ほどキスをしていたのだろうか。
ようやく星奈の唇による束縛から解放される。
だが、同時に名残惜しさも強く感じる。
「えへへっ。私たち学校でもする仲になっちゃいましたね♡ 」
星奈は頬を赤くしつつも、俺を揶揄うように妖艶な無邪気の笑みを向ける。
そんな小悪魔な星奈に心は翻弄され、身体は色々と正直な俺であった。




