↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラス1の美少女に嘘告白された帰り道、ナンパされていた絶世の美少女を助けたら、まさかのその日に義妹になった  作者: 白金豪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/48

第37話 どの口が言ってるんですか

「え?」


 振り返る。


 タタタッ。


 星奈が駆け足でこちらへ向かってきていた。


「星奈?」


 星奈の声で僅かだが我に帰る。少しずつ思考でき始める。


 星奈は俺の隣までくる。


 グイッ。


 強引に俺と三上さんの間へ割って入った。


「っ……」


 三上さんが小さく肩を震わせる。


 星奈はそんな三上さんを真っ直ぐ見つめた。


 いや。


 見つめるというより。


 睨んでいた。


 普段の柔らかな雰囲気なんてどこにもない。


 大きな瞳は冷え切っていた。


「どんな神経してるんですか?」


 星奈の声は静かだった。


 けど。


 その静かな声の中には、はっきりと怒りが混じっていた。


「嘘告白して、お兄ちゃんを酷く傷つけた女が」


 星奈は1歩前へ出る。


「好きです。付き合ってくださいって——」


 1度言葉を区切った。


「どの口が言ってるんですか!!」


 踊り場に星奈の怒声が響いた。


 廊下にいた生徒たちもビクッと驚いて反応する。


 それほどの声量だった。


「っ……!」


 三上さんがビクリと身体を震わせる。

 明らかにビビっている。


「お兄ちゃんがどれだけ傷ついたと思ってるんですか?」


 星奈は止まらない。


「自分の気持ちが最優先ですか? 」


「…っ」


 三上さんの顔が苦しそうに歪む。


「何も言えないんですか? 」


 星奈の遠慮のない口撃。


「……ごめん、なさい」


 か細い声だった。


「謝って済む問題じゃありません」


 星奈は冷たく言い放つ。


「三上先輩は、お兄ちゃんの気持ちを1度踏み躙ったんです」


「……」


「それなのに、今さら好きになったから付き合ってください?」


 星奈は怒りを隠そうともしない。


「どう考えてもおかしいでしょ」


「……」


「どういうつもりですか?」


「あたしは……」


 三上さんは俯いた。


 唇を噛み締める。


 けど。


 その先の言葉は出てこない。


「……」


 沈黙。


 ただ風の音だけが聞こえる。


 三上さんは俯いたままだった。


 肩が小さく震えている。


 何か言おうとしているのは分かる。


 でも。


 何も言えない。


「……」


 俺も何も言えなかった。


 そんな俺の前で。


 ギュッ。


 星奈が俺の手を握る。


「お兄ちゃん」


「え?」


「行きましょう」


「星奈……」


「もう話す必要なんてありません」


 そう言うと。


 グイッ。


「うおっ!」


 星奈は俺の手を引っ張った。


「行きます」


「ちょ、ちょっと待てって!」


「待ちません」


「いや、でも——」


「行きます」


 有無を言わせない声だった。


 そのまま。


 俺たちは踊り場を後にする。

 星奈のゆっくりとした足取りに合わせて。


 去り際。


 俺は1度だけ後ろを振り返った。


 三上さんはまだその場に立ち尽くしていた。


 俯いたまま。


 1人で。


 ただ黙って。


 俺たちの背中を見送っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。