第3話 家族になった初めての朝
ピピッ。
携帯のアラームが鳴り響く。
「うぅ〜ん」
俺は眠い目を擦りながら携帯の画面を確認する。
時刻は7時30分。
アラームの設定した時間だ。
「…」
俺は携帯のアラームを切って、ベッドから起き上がる。
目を覚ますために顔を左右に振ってから、ベッドから立ち上がる。
そのまま自分の部屋を後にする。
「あ、おはようございます」
ほぼ同時に違う部屋から出てきた義妹が、控えめに挨拶してくる。
「ああ、おはよう」
俺は手短に挨拶を済ませると、階段を降りて1階に向かう。
義妹も後を追うように階段を降りる。
玄関まで辿り着き、戸を開けてリビングに移動する。
「おはよう! 」
お父さんが元気よく挨拶をする。手には新聞を持っている。
昨日から義母になった星香さんは、朝食の準備をしている。
今では完成した料理の入った皿を食卓に並べている。
「宗春君も星奈もおはよう」
星香さんも俺と義妹の存在に気づき、愛嬌のある笑顔で挨拶してくれる。
「おはようございます」
「おはようございます」
俺と義妹は控えめに頭を下げて挨拶する。
「どうした2人共。硬いぞ。家族なんだから、もっとフランクにしないと。ね、星香さん? 」
お父さんが星香さんに同意を求める。
「ふふっ。そうですね。宗春君も私には全く遠慮しなくていいからね」
星香さんは柔和な笑みで俺を気に掛けてくれる。
「お気遣いありがとうございます」
俺は感謝を伝えて空いた席に座る。
お父さんと向かい合って座る形になる。
「そういうとこだぞ。そういうとこ」
お父さんが俺の態度を指摘する。
義妹は俺の隣の席に腰を下ろす。
「これで全部ね。4人になると準備する量が2人と比べて段違いね。その分やりがいがあるけどね」
最後に星香さんが、お父さんの隣の席に腰を下ろす。
「星香さん、作ってくれてありがとう! それじゃあ、いただこうか」
4人は両手を合わせる。
「「「「いただきます」」」」
食事前の挨拶をして、各々のタイミングで箸を取り、朝食を食べ始める。
「うまい! 星香さんの手料理、最高だよ!! 」
お父さんが料理を絶賛する。
「本当ですか! ありがとうございます」
星香さんは嬉しそうに頬を緩める。
手料理を褒められたことで溢れた表情。
「宗春もどうだ? 美味しいだろ? 」
お父さんが目の前の俺に意見を求める。
「…美味しい」
目玉焼き、ベーコン、サラダ、味噌汁を1通り食べた上で、漏れた感想。
「宗春君のお口にあった? よかった〜」
星香さんは安心したように胸を撫で下ろす。
「星香さん、そこまで気負わなくていい。こんなに美味かったら自信を持っていいよ」
お父さんが労るように星香さんの背中を優しくさする。
「宗高さん、ありがとうございます」
星香さんは嬉しそうに笑みを浮かべながら軽く息を吐く。
星香さんなりにプレッシャーを感じていたのかもしれない。
こうして家族になって初めての朝食は、比較的に順調に進んだのだった。




